ブクブクの泡

今日は祝日。行くのかえ？とマイケルが聞いてきた。プールのことだ。

朝からひどい雨のせいか、各コースに一人か二人しかいない。

いつも通り、ぼっち練習を済ませたあと、昨日Ｈくんが教えてくれた息継ぎの練習を、歩くコースの端っこでやってみた。

夜と違って、外からの光りが水面に届いて、自分の呼吸から出るブクブクの大きな泡と、手掻きの小さな泡がきれいで、なんとなく楽しい。

頭を押さえつけられることもなく、自分のペースで腕をひっばるときに横を向けばちゃんと空気が入ってくる！

この練習、好きかも。

クロール10回目 息継ぎの練習

来月からの水泳のレッスンをどうするかで、大事な時間が取られてしまった。5分くらいかな。もったいない。

プールを１往復歩いてから、
蹴伸び２回
蹴伸びばた足１回
あとはひたすら手掻きをつけてばた足

壁を蹴れば、25メートルの半分くらいまで来るのだけれど、そこからまた始めても最後まではたどり着けない。呼吸も苦しいし。

でも、続けてやれという。

はあ、疲れる...へろへろのわたし。

今、くるりさんにテストしてます。

あ、そうなの？

で、合格したので次のステップに行きます！

そうなんだ...
(簡単に合格くれるんだなぁ...)

次は呼吸の練習始めます。僕の目標はくるりさんがクロールで25メートルを途中立たないで泳げるようになることです。

くるりさん、息をしなくても半分泳げるじゃないですか。本当は呼吸しないで25メートル泳げたらいいんですけど、それはきっと根性で泳ぐことになっちゃいます。

だから、途中で息継ぎします。
どっちで息継ぎしますか？

どっちでもいいよ。決めないといけないの？

決めないとダメです。くるりさん、右利きですよね。右がいいかな。どっちが横向きやすいですか？

うーん、どっちでもいいけど、左かな。

あれ？左？まあ、いいです、僕と同じです。

まず、プールサイドに並行に立ちます。右手をプールサイドに置いて、右ももをプールの壁にくっつけます。左足は一歩引いて、ぐらつかないように。顔を水に浸けて、左手を掻きます。左手を引っ張るときに横を向くだけ。

Ｈくんが、わたしの頭をいきなり押さえて水に浸けた。即、鼻から水。咳げほげほ。

あー、くるりさん、言うの忘れてました。この練習、鼻から水が入って、お水も沢山飲みます。ニヤニヤ笑いながら言ってるし！

大方の予想はついていたけれど、いきなり鼻に水は痛いから嫌だ。

どうやってるんだか知らないけれど、Ｈくんは器用にわたしの頭を押さえつけては水から出し、腕をぐるぐる回している。

ひっばるときに顔を出します。

腕を入水させると顔を出させられて、また水に頭を突っ込まれるの繰返し。

まだ息を吐ききらないうちに次がやってきて、吸ったかどうかわからないうちに頭を戻される。

鬼平犯科帖とかで、盗賊が拷問されているみたいだ。

くるりさん、やれそうだなーって思ったら練習しておいてください。

ぐったりんこのわたしの隣で、先に進めたことが嬉しいらしく、ニコニコ顔のトレーナー。先生の顔になっている。

はあ...できるかな...

全く期待していない

レッスン始めに来月からの時間をどうするか、ちょっと話した。こういうのって、レッスン以外の時間にしてほしいなぁ。

職場の最寄り駅が東京から品川へ変わることによって、今までより10分ほど開始を遅らせてほしいのだけれど。

水曜日はわたしのレッスンの後にもトレーニングが続くので、次のＩ田さんと次のＴ口さんが10分ずつ遅くすることを了解してくれない場合は、同じ水曜日の21時40分からにするか、もしくは日曜日の夕方になる。

日曜日はダンスイベントが入ることもあるし、平日トレーニングができなかった時の振替にしたいからあまりやりたくない。

とりあえず、今度Ｉ田さんとＴ口さんに相談してくれることになった。

が、わたしは全然期待していない。Ｈくんがうまくやれるとは思えない。

くるりさん、僕が失敗すると思ってるでしょう？

うん。

何でですかー？

そういう交渉事、下手そうな気がする。この間も失敗してるし。

大丈夫ですって。今度はうまくやります！

首を傾げるわたしに、自信満々でこういう。

くるりさん、僕がうまくやったらどうしますかー？

そりゃあ、褒めてつかわすよ！

よーし！僕、頑張ります！

褒めてあげることができればいいけど。
たぶん、ダメでしたー、すいませーん。で、終わると思うんだな。

25年前の今日

マイケルがわたしの恥ずかしいアルバム群を発掘してきた。
恥ずかしすぎて、マイケルにもミルキーにも見せられない。

大学で女子寮に入っていた頃のふざけてばかりいる写真、学祭で中国語劇に出て京劇のようなメイクの写真、空手部で演武をしているもの、顔を真っ赤にしている飲み会、ゼミで居眠りしている証拠写真などなど。

カメラに気付いているものはほぼほぼポーズをとっている。それがまたダサい。

社会人になってまだ初々しいころのものもあった。
同期のKの髪の毛もふっさふさ。こう改めてみてみると、Kはカッコよかった。近すぎてわからなかったのかなー？それとも、ダメすぎて容姿に目がいかなかったのか。

サザエさん状態でぺらぺらページをめくっていると、初めて両国でお相撲を見に行った時の写真が出てきた。日付は25年前の今日。
お母さんと一緒に見に行ったんだ。アルバムの横には母の字でそれぞれの力士の名前が書いてある。今度見せてあげようっと。

寺尾カッコいい！

平成7年と平成28年

マイケルが昨日からごぞごそやってる。

写真の整理。ミルキーが生まれた日から１年は毎日写真を撮ると決めたマイケル。

実家に預けるときはミルキーと一緒にカメラも預けていたから、１年間で千枚以上の写真がある。

アルバムに整理されていたが、保管場所があまりよくなくて、写真自体がたわんでしまっていたので、改めて新しいアルバムに移しかえ作業を始めたらしい。

平成7年と言えば、ミルキーが産まれた年。産んだのはわたし。21年前のわたしがそこにいる。

ミルキーが言う。お父さん、お母さん、痩せてるね。あごがしゅっとしてる。

だなぁ...どこをどうしたらこんなになるのか不思議だな。

本当だよねー

父と娘が、若かりし母の姿を見て笑っている。

もう若くはないけれど、それなりにきれいで、特に老人からはモテるんだけどなー。

とにもかくにも。その時、平成7年のわたしも、今、平成28年のわたしも幸せだ。