椎名誠のミャンマー本を読み(4月15日にアップ)彼が旅の前に読んだ本の1冊。
知らない著者、借りた。05年刊。アジア育ち、米国籍のジャーナリスト。
ロンドン大でビルマ語を学ぶ。アジア史で修士号。タイ在住。年齢は不明。
エマはJオーウェル研究のために95年あたりから、ミャンマーへ数回旅。
椎名は米のテロからすぐで少し遅い時期に行った。
4月末、NHKの国際報道で、ミャンマーの現状を見た。
2年前にクーデター、山岳地帯、北西部に空爆が多数。
チン族。軍と民主派が争い激化。町は廃墟。
本当に貧しい暮らしが続き、
自殺を考える人々もいる。食べ物もない。
避難民140万人、ウクライナよりひどいアジアの現実がある。
この本はエマが知りたいオーウェル関連本でもある。
彼は20年代ビルマで英インド警察官として勤務。
「ビルマの日々」がオーウェルの処女作。
椎名の本は仲間とかなり楽しいミャンマー旅。
最後に違う感じもあったとある。
こちらの訳者、35年生まれ、エマより前か、何度かビルマへ行った。
エマとは違う印象。近年、変わっているなら残念とあった。
3人のビルマの印象が違った。
私が感じた事。将軍がトップの軍事国家。
国民は北朝鮮ほど洗脳はされていないが、
近い感じもある。
アジアではカンボジア、ラオスより貧困で、最貧国。
すべてが監視されている。
洗脳されてはいないが知識階層は辛い。
どうにもならない。どこにスパイがいるか・・
言葉、本も出せない。
語れない。ただここにいるだけ。
オーウェルが書いた「1984」はビルマだとエマはいう。
禁書になっている。
戦後48年に英から独立、10年しか続かず軍事政権になる。
アウンサンは、当時第二の独立運動、政治を変えようとしていたが暗殺。
スーチーは2歳。父はビルマの英雄だった。
1988年、30年の軍政権に国民は抗議。
3千人射殺。10代から僧侶まで。
スーチーは英から母に会いにきていた。
彼女は国民50万人に独立運動をしよう、といい軟禁。
91年ノーベル平和賞受賞。
軟禁は何回か続く。
ビルマは昔から僧侶がいて高い識字率だった。本好きが多いが、
反政府本は売っていない。中古でこっそり探す。
反政府話しをするだけで刑、例えば6か月。
椎名本には交通事故、人身でなくても7年刑。
警察も腐敗し賄賂で動く。
軍幹部が警察独占。強盗、レイプ、襲撃、殺人が蔓延、
だが犯罪はない事にし、警察は報告しない。
みせかけの国の風景はある。~これは北朝鮮みたい。
実際は一部の人のみの様子。人々は生活で精一杯、物価も高い。
何もできない。全てに検閲があり何も言えない。
英から独立した後10年だけが、
平和、自由だったという。軍事政権後、
全て報道規制がかかる。出版は検閲で倒産するか7年の刑。本は作れない。
エマが会った作家たち、すべて1冊以上の出版停止経験がある。
逮捕で野蛮な拷問3日。犬の檻にいれて放置。壮絶な刑務所内。
ネズミにかじられ、食事も石入り、粗末2食。水もない。
どの家にも刑務所にいた人がいる。
刑を終えても元の世界に戻りにくく、溶け込めな
い。監視がついているか・・将軍の考えで、全てが決まる恐怖政治。
そして教育制度が悪化し暗記だけの教育になっている。
思考力低下。大学は88年から開校、閉校を繰り返す。
卒業できず英文科でも英語を話せない。
大学は入学は教師に賄賂をはらい可能。
教師は問題発生が怖く、テスト問題を教える。
軍の力が増大になっている。
アウンサンスーチーは英国人と結婚し、ビルマはもう関係ない。
よそ者だと言われる。
彼女が演説すると大音楽で消す。車で走行中も襲撃している。
96年地下組織ができたが、今はデモも無理。
知識を生かせず医師が運転手、心理学者がお針子。
この国にもう歴史の本はない。
昔の建物は解体されていく。
海外へも行けない。正規パスポートはない。作るには費用が高額、
1年待ちやっともらえると、でも1年後戻る事とある。
電話も海外からはつながらない。
メールは政府のサーバーを通し自由にできない。
郵便も開封され信用できない。なぜ長い権威主義が続くのか・・
~エマのミャンマーへの気持ちが、濃く書かれている。各地に作家の友人もいて
取材をする。それもとても用心している。
椎名の旅とは大違い、女性でジャーナリストだからか・
目的がはっきりしないから?
95年頃年月がしっかりなく、いつ頃か、わかりにくい。北朝鮮同様、
情報が入らず、現在、どうなっているかも、わからない。
ネットでも真実は調べられないだろう。
ロヒンギャ難民の問題もある。
近いアジアで、アフリカとは違う、ここまでの貧困国、情報操作。
信じられないような気持で読み終えた。
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