石兎の風流日誌

日常に考えた事を俳句・短歌で綴る。

煙草

2009-10-15 23:22:15 | 日記
 煙草は、厄介な嗜好品だ。健康の為には、百害あって一利なし、と解ってはいるのだが。私は、煙草無しでは、一日も精神の安定を保つ事が出来ないのだ。

 で、私は、三十数年も煙草を吸い続けている。

 私は、大学(沖縄の私立大学)一回生の時までは、全く煙草を吸っていなかった。私は、或る喫茶店の常連客になったのだが。その喫茶店で出会って知り合いになった十七才の美少女が、セブン・スターを吸っていたので、私もセブン・スターを吸うようになったのだ。以来、私は延々と煙草を吹かし続けている。

 この三十数年の間に、私の煙草の銘柄の好みは何度も変わったが、野梨子を思い出す度に、セブン・スターを買わずにはいられないのだ。


   『 物思い 秋雨の午後 煙草吸う 』



          ・・・・ 野梨子 ・・・・ 

     初めて、出会った時、
     十七歳の美少女だった野梨子に、  
     今でも、思いが残って、
     私の言えなかった思いは、
     私の胸の中で、埋火となって、
     虚しく燃えている。
     ああ、野梨子、  
     煙草を吹かす君が、
     大人びて見えたあの時、
     死ぬまで終わらない、
     一人芝居の幕が上がったのだ。
 


  『 しんみりと 秋雨の午後 煙草哉 』         石   兎

旧街道

2009-10-12 20:04:06 | 日記
 私が、運動公園の野球場を見下ろす事が出来る高台で、煙草を吹かしながら暮れ行く海を見ていたら、六十代位に見える男が、何やらそわそわとした感じでやって来た。私は( 此方に来るな )と直感した。
 案の定、彼は私が座っているベンチの側までやって来て、言った。
「 あの、そこ座っていいですか 」
 私は、独りで居たかったので( これは、迷惑な )と思ったが。
「 ああ、どうぞ 」と裏腹な事を言った。
 私が、吹かしていた煙草を携帯灰皿に突っ込んだ瞬間に、男が聞いた。
「 君、そこの道の事知っていますか 」私は、男が視線を向けた方を見た。その道は、琉球王朝時代の旧街道であった。
「 ああ、知っていますよ。昔のクゥ~ジ道でしょう 」と私は言った。
「 あぁあ、そうだよ。私は、さっきクゥ~ジ道で、昔の旅人を見たんだよ 」と男は、目を見張って言った。
 
 私は、返事に窮して、男の顔を見詰めた・・・


  『 秋茄子を 天麩羅にして 食う夕餉  陳腐で有るが 諺思う 』

  『 目配せに 冷やりと思う 秋の夜 』           石   兎

座敷わらし

2009-10-11 02:24:33 | 日記
 民放の情報番組で、岩手県の座敷わらしが良く出ると言う事で有名な旅館( 緑●荘 )が火事で全焼した事件に関して、岩手県には、他にも座敷わらしが出る旅館が数軒有るという事を、報道していた・・・流石、遠野物語の岩手県だ。
 柳田国男の聞き書きした遠野物語の座敷わらしの話では、座敷わらしが住んでいる家を代えるという話が有る。座敷わらしが出て行った家は、家運が傾くのだ。
 してみると、火事で全焼した座敷わらしで有名な旅館は、座敷わらしに出て行かれたという事なのか・・・
 それとも、人的被害は無かったとか、矢張りまだ座敷わらしの加護は生きていたと見るのか・・・ 

 叶うなら、座敷わらしさん転居先に是非我が家は如何だろうか・・・中々趣の有る中古物件ですぞ。熱烈歓迎をもってお迎えしますぞ。


  『 秋暁 木刀振れば 今武蔵 』

  『 宵闇の 人気無き道 一人行く 何でも無いと 孤独を笑う 』   石  兎          

訃報・・・

2009-10-08 00:54:06 | 日記
 前麻生内閣で、金融・財務の両大臣を兼務した中川昭一氏が、五十六才と言うまだ若い年で急死した。
 
 すわ、親子二代自殺か、とマスコミは色めきたったが。どうやら、中川氏は、病死の様だ。
 前代議士中川昭一氏は、大臣として参加したイタリアでの国際会議後の記者会見で、前代未聞の失態を演じ、自民党の総選挙敗北の一因となってしまったのだが。彼の突然の死に涙を流す自民党の国会議員達をテレビで見て、捻くれ者の私も流石にジィンと胸に来た。
 
 彼は、仲間達に愛されていたのだ。名誉挽回は、最早永遠に不可能になった訳だが・・・以って、瞑すべしだ。


  『 素通りの 秋台風に ほっとする  手前勝手な 醜い心 』

  『 恐ろしき 秋の台風 免れる  然れど行く先 秋津島有り 』    石  兎

旧首相公邸の幽霊

2009-10-02 21:55:53 | 日記
 民放テレビの情報番組で、怪談好きの私とっては、非常に面白情報を得た。
 
 それは、旧首相公邸は幽霊が出たという話で有った。元首相関係者達の証言で有るので、私は非常に信憑性の高い幽霊話だと思う。証言者達は、胡散臭い人達ではないのだ。
 さて、旧首相公邸に出る幽霊の正体だが、それは、兵士と言う事で有った。私は直ぐにピンときた・・・旧首相公邸は五・一五事件や、二・二六事件の舞台となった場所なのだ。反乱後兵士達は、大概死刑(将校達が多い)になっているから、彼等の浮かばれない霊魂が幽霊となって現れるのだろうと、私は思った。

 話は、変わるが、幽霊の本場はイギリスのロンドンだ。私の見果てぬ夢は、ロンドンの幽霊ツアーに参加する事だ。
 

  『 雨の後 鶏頭の花 項垂れる 』

  『 鶏頭や 変な花だと 初見の児 』             石   兎