時代小説文庫(ハルキ文庫)
2020年9月 第刷1発行
334頁
「あきない世傳 金と銀」シリーズ第9巻
大坂から江戸に出店して四年目
まさにこれから、という矢先
五鈴屋は七代目・幸の妹・結により厳しい事態に追い込まれます
型彫師の機転によりその危機を脱したかと思いきや今度は最大の困難が待ち受けていました
五鈴屋・八代目を周助が継ぎ、新たに五鈴屋江戸本店店主となった幸と奉公人たちは絶望の淵に突き落とされながらも、知恵を絞り新たなる夢を育んでいきます
結のやったこと、江戸店が呉服仲間から外されたこと、どちらも幸のミスです
でも、それらの責めは自分にあると素直に認め、店主に求められる真の器とは、商才よりもむしろ、優れた奉公人を守り育てる土壌を用意できること、と考えます
逆境にあってこそ人は成長するものです
蟻の眼で小さな機会も見逃さず、鶚の眼で商いの潮流を探り「買うての幸い、売っての幸せ」となる商売をしようと決意するのでした
次巻以降、昔、一緒に何かをやろうと約束した大坂・船場「紅屋」の娘・菊栄が、五鈴屋の女衆・お梅を伴って江戸へ来るという新たな展開にワクワクします
ところで
音羽屋日本橋店のご寮さんとなった結
店は繁盛していますが幸せなのかしら
最後の最後、姉妹が仲直りできると良いのですが…
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