読書と映画とガーデニング

読書&映画&ガーデニング&落語&野球などなど、毎日アクティブに楽しく暮らしたいですね!

高田郁「あきない世傳 金と銀四 貫流篇」

2023年10月20日 | た行の作家
時代小説文庫(ハルキ文庫)2017年8月 第1刷発行289頁「あきない世傳 金と銀」シリーズ第4巻大坂天満の呉服商「五鈴屋」の五代目徳兵衛、惣次と女房の幸は順調に商いを広げていましたしかし、次第に幸の商才を疎むようになった惣次はある事件をきっかけに著しく誇りを傷つけられ姿を消します二度と戻らない、という惣次の決意を知った、お家さんの富久は意外な決断を下します家を出て九年になる五鈴屋の三男・智蔵が夢 . . . 本文を読む
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高田郁「あきない世傳 金と銀(三)奔流篇」

2023年10月13日 | た行の作家
時代小説文庫(ハルキ文庫)2017年2月 第一刷発行297頁「あきない世傳 金と銀」シリーズ第3巻五代目徳兵衛の妻となることを承諾した幸商い戦国時代の戦国武将となるべく強い決意を胸に秘めながら、徳兵衛と共に五十鈴屋を盛り立てていけそうだったのが…徳兵衛は幸の才能に嫉妬しており、女は引っ込んでいろ、と言わんばかりの態度に出ます元々、言葉遣いが乱暴で直ぐ手が出るタイプだったのが幸と一緒に . . . 本文を読む
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高田郁「あきない世傳 金と銀二 早瀬篇」

2023年10月05日 | た行の作家
時代小説文庫(ハルキ文庫)2016年8月 第1刷発行283頁「あきない世傳 金と銀」シリーズ第2巻大坂天満の呉服商「五十鈴屋」に女衆として奉公する幸その頭の良さと意思の強さを見込まれ、14歳の時に四代目店主徳兵衛の後添いに、との話が持ち上がります最初の嫁・菊栄は商才もなく放蕩三昧、子作りにだけは励む徳兵衛に愛想を尽かし2年で実家・紅屋に戻ってしまったのです悩んだ末に、後添いの話を受け入れた幸女衆の . . . 本文を読む
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高田郁「あきない世傳 金と銀一 源流篇」

2023年10月04日 | た行の作家
時代小説文庫(ハルキ文庫)2016年2月 第1刷発行279頁「あきない世傳 金と銀」シリーズ第1巻享保期に、摂津の津門村に学者の子として生を受けた幸父から「商いは詐りなり」「手指の美しい者は働かない者」と教えられて育ちますが、享保の大飢饉や兄、父の死を経て、齢九つで大坂天満にある呉服商「五十鈴屋」に奉公に出されることになりますやがて番頭の治兵衛に才を認められ、徐々に商いに心を惹かれていきます五十鈴 . . . 本文を読む
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津村記久子「つまらない住宅地のすべての家」

2023年08月21日 | た行の作家
双葉社2021年3月 第1刷発行2021年4月 第2刷発行238頁とある町の、路地を挟んで家が建ち並ぶ住宅地そこに業務上横領で服役中の刑務所から脱走した女性受刑者が近くに来ているかもしれないとニュースが入り、自治会長の提案で自警団を作り、交代で見張りを始めることにしますまず、各住人たちの家族構成と基本生活が語られます問題のある一人息子を家に閉じ込めようと考えている夫婦母親から見放された姉妹その姉妹 . . . 本文を読む
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高野和明「踏切の幽霊」

2023年06月30日 | た行の作家
文藝春秋2022年12月 第1刷発行289頁予備知識無しで読み始めましたタイトルの『幽霊』は何かの比喩だろうと思っていたのですが、「本物」で、夜一人で読んでいると何とも気味の悪い恐ろしさに襲われて困りました表紙カバーやプロローグに描かれる特急の最終電車の運転士から見た踏切の様子からして怖い!でも、読むのを止められません1994年冬東京・下北沢にある踏切で撮影された一枚の心霊写真同じ踏切では列車の非 . . . 本文を読む
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辻堂ゆめ「十の輪をくぐる」

2023年05月24日 | た行の作家
小学館2020年12月 初版第1刷発行358頁認知症を患う80歳の母・万津子を自宅で介護しながら妻とバレーボール部でエースとして活躍する高校2年生の娘と暮らす佐藤泰介ある時、万津子がテレビのオリンピック特集を見て「私は…東洋の魔女」「泰介には秘密」と呟きます泰介は九州から東京へ出てきた母の過去を何も知らないことに気づきます1956年、15歳の時に福岡県大牟田市から集団就職で愛知県一宮 . . . 本文を読む
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千早茜「男ともだち」

2023年05月12日 | た行の作家
文藝春秋2014年5月 第1刷発行2014年6月 第3刷発行237頁京都在住30歳目前のイラストレーター・神名葵関係の冷めた恋人・彰人と同棲しながら、身勝手な愛人・真司との逢瀬を重ねています仕事は順調ですが、本当に描きたいものを見失っているところに大学時代の先輩だったハセオから電話がかかってきて、7年ぶりに再会ハセオの闖入により停滞していた神名の生活に変化が訪れます登場人物全員、自分の周囲にはいな . . . 本文を読む
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寺地はるな「ほたるいしマジカルランド」

2023年05月05日 | た行の作家
ポプラ社2021年2月 第1刷発行283頁大阪北部に位置する蛍石市古い住宅やマンションが建ち並ぶ静かなこの街に「ほたるいしマジカルランド」はあります「うちはテーマパークではなく遊園地」と言い切る名物社長・国村市子を筆頭にたくさんの人々が働いています曜日ごと、一週間の連作短編集で、各曜日の主人公は月曜日:インフォメーション担当の萩原紗英火曜日:パールのドールハウス担当の村瀬卓水曜日:清掃員の篠塚八重 . . . 本文を読む
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高田郁「駅の名は夜明け 軌道春秋Ⅱ」

2023年05月02日 | た行の作家
高田郁「駅の名は夜明け 軌道春秋Ⅱ」双葉文庫2022年10月16日 第1刷発行2022年11月18日 第4刷発行371頁鉄道を舞台に困難や悲しみに直面する人たちの再生を描く9つの物語「トラムに乗って」幼い娘を病で失った母親・真由子が、娘と一緒に行くと約束したウィーンの街で素晴らしい奇跡を体験します「黄昏時のモカ」亡き夫の遺影と共にウィーンにやってきた老女・美津子日本語の勉強をしたいという青年に観光 . . . 本文を読む
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辻堂ゆめ「トリカゴ」

2023年04月16日 | た行の作家
東京創元社2021年9月 初版390頁蒲田署刑事課強行犯係巡査部長の森垣里穂子は殺人未遂事件の捜査中に無国籍者が隠れ住むコミュニティを発見しますそのコミュニティ、通称“ユートピア”のリーダーはリョウと呼ばれる青年、事件の容疑者・ハナは彼の妹でした無国籍者を取り巻く状況を知った里穂子は捜査によって彼らが唯一安心して暮らせる場所を壊してしまうのではないかと苦悩しますしかし、24 . . . 本文を読む
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高田郁「ふるさと銀河線 軌道春秋」

2023年02月27日 | た行の作家
双葉文庫2013年11月 第1刷発行285頁高田郁さんが『川富士立夏』という筆名で漫画原作を生業にしていた時の作品「軌道春秋」を小説にしたもの「お弁当ふたつ」偶然から夫がリストラされていたことを知った妻毎日、会社へ行っているふりをしている夫は一体どこで何をしているのか、そっと後をつけます「車窓家族」車窓から見えるアパートの一室毎日のように老夫婦が暮らす部屋を見てきた乗客たちでしたが、ある日から部屋 . . . 本文を読む
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平安寿子「オバサンになっても抱きしめたい」

2022年12月29日 | た行の作家
祥伝社文庫2017年 初版第1刷発行294頁主人公はバブル世代の女性・里佳子とロスジェネでもゆとりでもない空白世代の女性・美結会社の上司と部下の関係です若い子たちは自分にしか興味がないと決めつけている里佳子とバブルこそは諸悪の根源と考える美結上手くいくはずはありませんが、2人ともシングルで、生活のため会社を辞めることは頭になく日々イライラを心に溜め込みながら仕事をこなしていますバブル世代より上の自 . . . 本文を読む
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太宰治「グッド・バイ」再読

2022年11月18日 | た行の作家
新潮文庫1972年7月 発行1989年3月 37刷改版2007年8月 65刷解説・奥野健男330頁戦後に書かれた16編の作品集未完の遺作、表題作「グッド・バイ」は大泉洋&小池栄子「グッドバイ~嘘から始まる人生喜劇~」の原作で、読んだはずですが多分うんと若い頃でしょう全く記憶になく、初読状態でした「薄明」「苦悩の年鑑」「十五年間」「たずねびと」「男女同権」「冬の花火」「春の枯葉」「メリイクリスマス」 . . . 本文を読む
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平安寿子「こんなわたしで、ごめんなさい」

2022年09月21日 | た行の作家
実業之日本社文庫2016年4月 初版第1刷発行解説・中江有里 泡立つもの7編を収録した短編集「婚活の外へ」「どうか小さな幸せを」「イガイガにチョコがけするのも年の功」「自然の法則に従って」「じれったい美女」「カワイイ・イズ・グレート!」「こんなわたしで、ごめんなさい」物語の主人公たちは7人とも自分とは年齢も環境も状況も違うのですが、どの話もグサグサと心に突き刺さってきました人と違うことへの不安、世 . . . 本文を読む
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