ちくま文庫2015年3月 第1刷発行後記・沢村貞子解説・保阪正康
今年3月、柳家花緑師匠の落語を聞きにいった折り夏に「南の島に雪が降る」の舞台をやります、というお話がありました勿論、主役は家禄師匠です
知っているようで知らない物語さて、どんな内容なのでしょうか
著者・加東さんの戦争体験記です先の大戦で衛生兵として召集された西ニュ . . . 本文を読む
小学館2014年11月 初版第1刷発行332頁
真面目で優秀なのだけれど不器用昔から理数系は得意でも国語はサッパリ不本意ながら患者や家族の心を逆撫でするような発言や行動でトラブルを招く女医・ルミ子、33歳「患者の心がわからない医者」というレッテルを貼られています
ある日のこと嫌なことばかりあった午前中を思い出しながら中庭のベンチで . . . 本文を読む
吉川弘文館2014年8月 第1刷発行188頁
太平洋戦争末期、東海地方を襲った二つの巨大地震戦時報道管制下、中部日本新聞(現・中日新聞)は地元新聞社として、何をいかに伝え、その役割を果たしたのか被災者たちの体験談を紹介し、防災教育の促進と意識向上を呼び掛ける
第一章 地震 . . . 本文を読む
幻冬舎文庫2004年 4月 初版発行2014年10月 11版発行解説・安田ママ354頁
新米母親のサヤと生まれたばかりの赤ちゃん・ユウスケの目の前で夫が車に撥ねられ死んでしまう突然の悲劇に見舞われたお人好しで頼りないサヤユウスケを夫の実家に取られそうになったり、引っ越し先の町「佐々良」で簡単に人に騙されそうになったり、放っておいたら一体どうなること . . . 本文を読む
角川文庫2008年4月 初版発行解説・大島一洋324頁
昭和8年東京・巣鴨の水道屋の次男・嚝吉は家業を手伝いながら川口松太郎のような小説家を夢見ていたしかし頭の中に浮かぶのは美しい女との××のことばかり嚝吉は様々な女と出会い、魅かれ、人生の愉しさ儚さを知り、一歩ずつ大人への階段を上っていく
&n . . . 本文を読む
新潮文庫1995年11月 発行2013年2月 11刷解説・吉本隆明292頁
「なんまんだあ絵」
「白桃」
「愚か者」
死卵 抜髪 桃の木の話 トランジスターのお婆ァ 母の髪を吸うた松の木の物語
「萬蔵の場合」
「吃りの父が歌った軍歌」
「鹽壺の匙」
久しぶりの車谷さんです私小説は大抵が暗く、読者を選びますねお薦めは出 . . . 本文を読む
文春文庫2009年10月 第1刷解説・三浦雅士259頁
タイトル「真鶴」は神奈川県にある港町の名です小田原から清水まで東海道線に乗ったとき、素敵な名前の駅があるものだと思いました車窓から真鶴半島を眺めただけでしたが、本書を読んだ後だったらまた違う感慨があったことでしょう
12年前に失踪した夫・礼(れい)が日記に残した「真鶴」という . . . 本文を読む
新潮文庫1997年2月 発行解説・井上ひさし330頁
雑誌「新青年」への連載開始が遅れたうえ、誤魔化し誤魔化し書いてきた「悪霊」物語の先を思いつけずついに休載1934年1月、書けない苦しさから逃れんと家出をした江戸川乱歩・40歳が腰を落ち着けたのは溜池にある主に外国人向け長期滞在用の<張ホテル>そこで天啓を受けたかのように書き始めた「梔子姫」
江 . . . 本文を読む
中公文庫2006年10月 初版発行362頁
江戸翠、16歳祖母と母と3人暮らし母は結婚しないまま翠を産んだ父親という人はたまに家にやってきて遠慮なく食事をしていったり泊まっていったりするちょっとだけ人と違う-この表現はよろしくありませんが-家庭で育っているものの、友も恋人もおりふつうに生活している現状に大きな不満があるわけではないけれど、早く大人に . . . 本文を読む
角川書店2012年8月 初版発行394頁
2008年6月14日に起きた宮城内陸地震で甚大な被害をうけた宮城県栗駒市物語は栗駒山中腹の耕英地区(物語では共英地区)の戦後開拓時代の熱い日々と震災後を描いています
東日本大震災の津波の映像も衝撃的でしたが、内陸地震で栗原地区の山が崩れ、谷が埋まり、道路も橋も消えてしまった映像に愕然としま . . . 本文を読む
新潮文庫2011年9月 発行解説・松家仁之355頁
東京都心から私鉄でも地下鉄でも20分ほどのところにある小さな町を舞台にしたゆる~い連作短篇集
他人なのか親戚なのかわからない男二人が同居する魚屋さん女性関係が派手な父親とひとり息子中学の時両親と共にこの町から引っ越し、高校生になり夏休みの間だけおばあちゃんの家に泊まることにした少 . . . 本文を読む
講談社2011年9月 第1刷発行2013年12月 第4刷発行44頁
1993年に発表されたデビュー作「神様」と、2011年の福島原発事故を受け新たに書かれた「神様2011」が併録されています。
「神様」の一部が原発事故以降の様子に書き換えられています穏やかに続くはずだった日常生活が突如奪われ大きく変わってまったあの日同じ場所同じ人間がそこにいるの . . . 本文を読む
日本経済新聞出版社2013年2月 第1刷336頁
デビュー作「野いばら」の後いつ新作が発表されるのかと待っていましたが自分が知らなかっただけで、1年以上も前に出版されておりました
前作同様叶わぬ恋と悲哀を満州・ハルビンとドイツ・ベルリン、南米・ブエノスアイレスを舞台に描きます
戦争の足音が近づく1930年代の満州 . . . 本文を読む
中公文庫2005年3月 初版発行解説・日和聡子219頁
「桃」をモチーフとした8つの短編からなる短編集
「桃色」父の通夜にきた女の喪服からのぞいた襦袢の襟の色
「むらさきの」侵入者に投げつけたものは仏壇に供えてあった熟れすぎた桃だった
「囁きの猫」豆本を作りながら猫と暮らす初老の男
「尼港(ニ . . . 本文を読む
マガジンハウス2012年10月 第1刷発行2013年8月 第17刷発行221頁
本屋さんの棚で見つけた1冊帯の謳い文句に騙されたか?
著者は映画プロデューサーとして『電車男』『告白』『悪人』『モテキ』『おおかみこどもの雨と雪』などを制作本書が初の著作で2013年本屋大賞第8位
30歳、独身の郵便配 . . . 本文を読む