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凪良ゆう「流浪の月」

2024年11月26日 | な行の作家


東京創元社
2019年8月 初版
2020年2月 五版
313頁

凪良さん、初読です

周囲から変わっている、と言われる両親と更紗
変わっていようがいまいが、更紗にとってはとても居心地のよい仲の良い家族でした
しかし、父親が亡くなり、その寂しさに耐えきれない母親が恋人と家を出ていってしまい、伯母の家に預けられてからの日々はとても居心地の悪いもので、学校にも伯母の家にも彼女の居場所はありませんでした
学校帰りに本を読むために立ち寄る公園で出会った佐伯文に「うちにくる?」と声をかけられ「いく」と答えます
文の部屋はとても居心地がよく、久しぶりに何の不安もなくぐっすり眠ることができました
しかし、文と更紗の生活は世間に認められるものではありません
文は幼女誘拐で逮捕され、更紗は児童養護施設に預けられ、そこで成長します
そして、15年が経ち2人は再会を果たすのでした

孤独な2人が互いを求めあったことが犯罪行為とみなされ被害者と加害者=ロリコンというレッテルを貼られ、その事実は年月が流れてもネット上に存在し続けます
事実ではあるが、真実ではない、何度も周囲にそう説明してきた更紗ですが誰ひとりとして理解してくれる人はいませんでした
家族でも恋愛対象でもないけれど求めあう2人が世間に理解される日は来るのでしょうか

文、更紗、大人になった更紗が同居している男性、3人それぞれの両親、特に母親との関係性に注目して読むとより理解が深まると思いました

広瀬すずさん、松坂桃李さん出演の映画を先に観ました
映画も素晴らしかったけれど原作も素晴らしい!
悲しいけれど温かく優しい物語
表現力や人物設定、メッセージ性など読み応え十分の作品でした



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