朝日新聞出版
2016年10月 発行
349頁
東京でグラフィックデザイナーとして働く望月恵介
事務所から独立した当初は羽振りが良かったものの、今では注文ゼロ
厳しい生活を強いられています
そんな時、静岡のいちご農家である実家から父親が倒れたと知らせが入り、急遽妻・美月と息子を連れて帰省することに
老いた母親から手渡されたのは『農業相続人の手引き』と『いちご白書』
後を継ぐことを迫る母親に対し、父親と反りが合わず、農業なんてかっこ悪い、と東京へ出た恵介には家業を継ぐなど考えられないことでした
しかし、3人の姉たちは長男の恵介に何とかせよと迫ります
どうせグラフィックデザイナーの仕事は開店休業状態なので、しばらく単身赴任で家業の手伝いをすることにする恵介
いちごの収穫が終わったら東京に戻るつもりが、次第に、いちご栽培の奥深さ、面白さにハマっていくのでした
静岡で暮らすなんて絶対イヤ!
恵介と離婚まで考えた美月が気づいた
大切なのは、どこに住むか、じゃなくて、誰と一緒にいるかだ
勿論、恵介も頑張ったけれど彼にとっての女神・美月と可愛い一人息子の存在は大きかったようです
目出度し目出度し
安定の荻原作品
人生の応援歌みたいで励まされる人も多いと思います
ただ、人物造形や関係性が過去作品と似通っているのと結末が想像できてしまい、新鮮さや驚きを味わえなかったのが残念でした
読メだったかしら
荻原作品の「ワンダーランド急行」を田中圭さんでドラマ化して欲しい云々という投稿がありました
本作も田中圭さんがハマるような気がします
荻原さんのオチが好きなんですよ。
http://todo23.g1.xrea.com/book/keyword.html?key=9784620108230
力のある作家さんが、ちょっと力を抜いて書いた作品って感じ。