幻冬舎
2016年4月 第1刷発行
400頁
上方落語の始祖・米沢彦八の一代記
何故人を笑わすのか
人は何故笑うのか
笑いを商売に変えるため彦八は血を吐く思いで立ち向かい、栄光と挫折を味わった彼の芸は文化となり、笑いは大衆のものとなりました
大阪では普段からボケとツッコミが必須とはよく聞きますが、彦八の周囲がまさにそんな感じ
初恋の女子も兄も甥っ子も特別に笑わそうとしているのでもないのに日常会話に笑いが絶えません
その中でも群を抜いて笑いの素養に長けた彦八
とんとん拍子に当代随一の人気者になっていかない、上り調子かと思うと災難に見舞われ、心底疲れ果ててもう這い上がれないと思っていると意外なところから救いの手が差し伸べられる、など起伏に富んだ物語構成にグイグイ惹きこまれました
どうしようもない武士の悲哀を描かせたら一等と思っていた木下昌輝さん
こんな軽やかな物語も描かれるとは意外でした
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