原題 Diplomatie(外交)
2014年 フランス、ドイツ
もしも、「パリ」が消えていたら、世界はどうなっていただろう
第二次世界大戦末期、ヒトラーによる「パリ」壊滅作戦が、今まさに実行されようとしていた
美しき街を救ったのは、一人の男の一世一代の「駆け引き」だった
史実に基づいています
1945年8月25日、ヒトラーが発した言葉「パリは燃えているか」
言うまでもなくパリは炎上しませんでした
その前夜8月24から25日朝までの『外交』を描いた作品です
パリの最高級ホテル・ムーリス(ドイツ大パリ司令官本部)の一室での出来事
パリの破壊を救わんと、パリ外交官代表で中立国スウェーデンの総領事ラウル・ノルドリンク(アンドレ・デュソリエ)が秘密の通路を使って現れたのは、ドイツのパリ防衛の責任者、大パリ司令官フォン・コルティッツ(ニエル・アレストリュブ)の部屋
二人が繰り広げる、外見は穏やかながら鬼気迫る丁々発止のやり取りに目が釘付けになりました
映画の殆どの時間がこの室内劇に費やされています
軍人としてヒトラーの命令に従い、パリを破壊すると言いながらも苦悩と躊躇いが漂うコルティッツの言葉
そこを見逃さず言葉巧みに説得にかかるノルドリンク
一瞬の隙も見逃さない外交官の手腕と司令官の心の動きを見事に描いています
随所に挟まれている戦時中の記録映画により、よりあの大戦がリアルなものとして迫ってきます
もし、パリがドイツに破壊されていたら今とはまた大きく違うヨーロッパの歴史が刻まれていたかもしれません
ユーロなんてのも存在しないかも?
元々が舞台劇だそうです
一室内のみ、人の動きも殆ど無い展開に退屈を感じられる方もいるかもしれません
好みの分かれる作品でしょう
コルティッツの部屋の贅沢な内装、調度品などは当時をそのまま細かい部分もよく再現されていたと思います
二人の表情ばかり追うのに疲れた時は、背景をチェックしたりして気分転換しました
扉の色が素敵でした
加古隆さんの「パリは燃えているか」をYOUTUBEで聴きながら♪
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