「アメリカで最も嫌われた女」
原題 THE MOST HATED WOMAN IN AMERICA
2017年 アメリカ
【Netflix】
キリスト教に挑戦状を叩きつけ大論争を巻き起こした実在の人物、マデリン・マリー・オヘア
最高裁まで争われた宗教論争や失踪事件など、彼女の数奇な人生を追います
子供の頃から親から強制される神への祈りに反発しながら育ち、大人になり結婚した彼女は子どもが通う学校の宗教的行事を批判、止めさせるよう活動を始めます
次第に共感者が増え、組織的な活動が出来るようになり団体の代表者になるのですが、信頼し情けをかけた人物の裏切りに逢い…拉致されたうえ殺害されてしまいます
マデリンは典型的なハラスメントの加害者タイプです
母親の呪縛から逃れることができなかった被害者ともいえる長男が気の毒で同情してしまいました
神を信じるのも信じないのも強制はせず、自分で考えるよう導く道もあったはずですが…
マデリンを破滅に追い込んだのは結局のところ“お金”だったというのはガッカリです
「1917 命をかけた伝令」
原題 1917
2019年 イギリス、アメリカ
【Amazon Prime Video】
第一次大戦中、1917年4月、フランスの西部戦線で若きイギリス兵のスコフィールド上等兵(ジョージ・マッケイ)とブレイク上等兵(ディーン=チャールズ・チャップマン)の2人が兄を含めたイギリス軍1600人の命を救うべく重要な命令を一刻も早く伝達するため、危険が待ち受けるドイツ陣に身を投じて駆け抜けていく姿を描きます
コリン・ファース、マーク・ストロング、ベネディクト・カンバーバッチ、アンドリュー・スコットというイギリスを代表する俳優陣が共演
それと、全編ワンカット撮影に見えるよう伝令の2人に密着して撮影したという手法にも興味があり観てみました
不可能としか思えないミッションに立ち向かう2人の若き兵士
死体の山を乗り越え突き進む様は臨場感に溢れ、その苛酷さ、苛烈さが伝わってきて、まるで自分も一緒に戦地を走り回っているような気がしてきます
さらに、いやがうえにも緊張感を高めるBGMも素晴らしく作品を大いに盛り上げていました
全ての兵士が、待つ人のいる家に帰れますように…祈る思いで観終わりました
「記憶の行方」
原題 THE NEXT SKIN
2016年 スペイン、スイス
【Netflix】
スイス山岳地帯の村で8年前に行方不明になった息子・レオ(アレックス・モネール)が保護施設で見つかります
当時、一緒に行動していた父親は雪山で大怪我をした状態で発見され後に死亡
雪山で何があったのか?
見つかった息子は本当にレオなのか?
閉鎖的な山村特有の人間関係が引き起こしたと思われる事件
レオは被害者なのか加害者なのか偽善者なのか嘘つきなのか、決して善人には見えません
レオも周囲の大人たちも謎は謎のままこの村で生きていくしかないのでしょうか
謎は謎のまま終わる物語
大人たちの身勝手さばかりが印象に残る後味の悪い映画でした
「ローマに消えた男」
原題 VIVA LA LIBERTA
2013年 イタリア
【Amazon Prime Video】
イタリア統一選挙を目前に控えたる日、支持率が低迷している野党党首エンリコ(トニ・セルビッロ)が突如として行方をくらませます
困り果てた部下のアンドレ
(ア(バレリオ・マスタンドレア)はエンリコの双子の弟ジョバンニ(トニ・セルビッロ二役)を替え玉に起用します
するとジョバンニはウィットとユーモアに富んだ言葉で瞬く間に世間を魅了して党の支持率も跳ね上がります
あり得ない笑える展開がエンリコとジョバンニのミステリっぽい過去がわかってくる終盤から意外なラストにニンマリ
突込みどころは多々あれど、原題の“自由”へ!
そこそこ楽しい映画でした
「オンネリとアンネリのおうち」
原題 ONNELI JA ANNELIi
2014年 フィンランド
【Amazon Prime Video】
1960年代に発表されフィンランドで長く愛され続けるマリヤッタ・クレンニエミの児童文学「オンネリとアンネリ」シリーズを実写映画化
ある日、バラ通りで封筒を拾った仲良しのオンネリ(アーバ・メリカント)とアンネリ(リリャ・レフト)
封筒にはお金と「正直者にあげます」と書かれた手紙が入っていました
2人は警察に届けるのですが、警察官に「このお金は正直者のものだ」と言われ、そのお金でバラの木夫人(エイヤ・アフボ)というおばあさんから水色のおうちを買い、気難しそうなお隣さん、魔法が使える陽気なおばさん姉妹などご近所さんと交流しながら楽しいふたり暮らしをスタートさせます
オンネリとアンネリの家族は心配しないの?と思われるでしょうが、そこには諸々事情があるのです
2人のファッション、水色のおうちのお庭やインテリア、どれもセンス抜群で素敵ですし、他の登場人物たちも1人を除き素朴で心優しき人ばかり
バタバタする日常を暫し忘れ、ほっこり癒される映画でした
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