集英社
2016年3月 第1刷発行
307頁
東日本大震災により失われた日常と、得るべき希望
気仙沼市をモデルとした架空の港町「仙河海市」に生きる人々の姿を通して描かれる3・11からの再生の物語、全9編
各編ごとに主人公が存在し、彼、彼女らはゆるくリンクしています
冒頭から7編は震災前
後ろの2編は震災後
最後の1編では、これまでの登場人物が仮設住宅のご近所さんとして全員集合です
翌日にあれほどの大災害が発生するとは…誰一人として想像もしておらず、いつもの日常がやってくると信じて暮らしていたのに…
被災直後の詳しい描写はほとんどありませんが、ニュースやドキュメンタリーで見た映像が鮮やかに頭に浮かびます
本書が刊行された2016年ですら、その地に暮らす人以外には記憶の隅に追いやられつつあった大震災の記憶
さらに7年が過ぎ震災発生から早や11年になる今、読んで良かったと思いました
記憶を風化させないためにも繰り返し読まれるべき作品です
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