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原田マハ「ロマンシエ」

2020年01月10日 | は行の作家


小学館文庫
2019年2月 初版第1刷発行
2019年3月 第2刷発行
解説・瀧井朝世
425頁


政治家を父に持つアーティストの卵・遠明寺美智之輔は名前とは裏腹に恋愛対象が同性の乙女チックな男子
同級生の高瀬君への恋心を秘めたまま芸大を卒業後パリへ留学します
2年が過ぎ、このままだと何の結果も出せず帰国し父の決めた政治家への道を歩かねばならないことになると焦り始めた頃、バイトするカフェで羽生光晴(はぶみはる)という女性と知り合います
驚くことに彼女は美智之輔の愛読する人気ハードボイルド小説の作者で、訳あって歴史あるリトグラフ工房に匿われていました

乙女な美男子がパリの街を恋に夢に全力疾走
笑って泣ける最強ラブ・コメディ

美智之輔の一人称で進む物語は軽めでサクサク読めます
しかし、軽い中にも、それぞれ自分の大好きなものを見つけていながら先に進めず苦しんでいる美智之輔と光晴や、共鳴しあい絆を深めていく2人を取り巻く周囲の人々の姿に感動しました

アートへの造詣の深いマハさんが今回取り上げているのはリトグラフ
あまり興味のなかったジャンルですが機会があったら作品展にも出かけてみようと思いました


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