教室で下書きし、帰宅後、青墨をすり仕上げた。
逆光の絵を描きたかった。逆光はドラマチックに
なると、聞いているが難しい。
日本では亡き人と、手などつないだことはなかったが、
外国では、時折、手をつないで歩いた。
この道で手をつないだか定かではないが、絵の中では、
つないだことにした。
ベネチアの路地歩きでは、亡き人と手をつないで歩いた。
小さな店で、指輪や、ゴブラン織りのクッションカバーなどを
買い求めた。その品々は、今も、私の指に、リビングのソファーにと、
当時の思い出そのままに、ある。
見れば、あの日のことが、ありありと蘇ってくる。