南スウェーデン便り

ときどき南スウェーデンの真ん中のイナカから、ときどき街からお便りします。

事件(2)

2023-07-23 05:33:52 | イナカ便り

産気づいた牛がフェンスを越えてうちの隣の麦畑にやってきた事件につづいて、我が家でも事件が…

イナカならではの出来事なのだが、今回はかなり悲しい事件で、しかもまだ解決していない。

 

私たちが交替でこのトレイラーハウスに泊りこんでいるのはなぜかというと、それは街の家にもこのイナカにも猫がいるからだ。

イナカの猫はじつはうちの猫ではなくて、二軒隣(といっても歩いて行くと十分ぐらいかかる)のTさんのところにいる猫なのだが、ここ数年つづけてうちにやってきて子供を産むか、生んだ子猫をくわえてうちにやってくるかして、うちで子育てをするというのが恒例になっている。年によってばらつきがあるが、一か月か二か月うちにいて、それから一家はTさんのところに戻る。

これが母猫 5歳ぐらい?

最初は連れ合い(もうじき連れ合いではなくなるのだがそれはまた今度)が「子猫がいると危なっかしくて改修作業ができない!」といって猫一家を段ボール箱に入れてTさんのところに返しに行ったのだが、数日後に母猫が子猫たちをくわえて戻ってきてしまった。彼女はうちの庭が気に入っているらしい。

そういうわけで、今年も母猫が大きいお腹でやってきて、うちの納屋で子猫を生んだ。

四匹の子猫は全部色や模様が違い、活発な子も引っ込み思案な子もいるけれどくっついて遊んでいる姿がとにかく可愛く、猫を見ているだけで幸せな毎日が続いた。

母猫には彼氏ができ、デートや外泊?もするようになった。もしかすると子供たちの父親も全部違うのかもしれない。彼女はモテるのだ。

 

…が、ここで悲しい事件が。

 

交代して私が街に戻っていたある朝、彼から「灰色の子がいなくなった」というメッセージがあった。子猫は最近うちの花壇かレンガなどが積んであるテントの下で寝ている。

「もしかしてまた母猫がTさんのところに連れて行ったとか?」と思ったけれど、母親が必死でその子のことをさがしているというから違うのかも…夜になってもその子は戻ってこなかった。どこかからひょこっと現れてくれることを願っていたら翌朝連絡があった。

「狐だった。防犯カメラに口に何かをくわえている狐が写っていた。たぶんサバトラの子だと思う。」「え~っ!!」

二日連続でやってきて子猫を二匹さらっていったのだ! 灰色の子は愛嬌があって、人が近づいても面白がって出てくるようなところがあった。その性格が災いしたのかもしれないと思うと涙がこぼれた。

麦畑や林で狐をみたことは何度かあったけれど家のそばまで来たことはない。それに狐がネコを食べるなんて!!

もちろんその狐だって巣に戻ったら乳飲み子が待っているのかもしれない。自然の摂理は厳しいのか…でも、Tさんとその友達の猟師の話によると、里まででてきて子猫を襲うような狐は健康状態が悪くて普通の狩りができない状態なのかもしれないとのことだった。そうでなくてももともと住んでいた場所に住みにくくなって人里までやってきて畑を荒らす野生動物の話は近年よく聞く。狐も生きていくのが大変なのかもしれない。

…とにかく残った二匹の子猫を守らなければ!

ということで、彼は納屋への出入りができそうな穴をすべてふさいで、夜は猫一家を閉じ込めた。

私はそれだけでもういいと思ったのだが、彼は中古の狐用のわなを買ってきて庭に設置。

翌朝、防犯カメラには罠をじっと見る狐の姿が写っていた。それだけではなくて狐は猫たちのいる納屋の入口まで行って中をのぞいていた。中に猫がいるのがわかるのか!

 

猫たちのいる納屋をのぞく狐

私が交替でイナカに詰め始めてからも狐は諦めずに毎日やってきている。夜中の11時過ぎと早朝4時過ぎ。罠にはかからない。頭がいいのだ。

私が寝ているトレイラーハウスのすぐ近くを通って狐が毎晩やってくる、と思うと恐ろしくて寝不足の日々が続いている。

はっきり言って、罠にかかった狐も見たくない。

残った子猫二匹と母猫は元気にしている。

さらわれた二匹もあの世で遊んでいてほしい(合掌)

 

 

 

 

 

 



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