くじゅうに随分と登っていない。
4月初めの立中山が最後だから、かれこれ半年だ。
「登りたい、登りたい、登りたい、のぼ、、、」
「せからしか!登ってこんね、一人で。」
「んじゃ、明日登ってくる。」
「どの山に?」
「そうさなあ・・・」
一口にくじゅうと言っても、それこそ山ほどある。
どの山に登ろう。
星生山から久住山、天狗、中岳縦走とか。
三股山お鉢周りもいいな。
それとも・・・
そうだ、大船だ。
大船山に至っては、去年の2月、氷結した御池に立って以来のご無沙汰だ。
よし決めた。
𠮷部登山口から出発。
このルートは初めてだ。
いきなり始まるこの急登。
まだエンジンが暖まってもいないのに、
ウヒャーである。
急登を登り切ると、あとは坊がつるまで、ほぼ平坦路となる。
暮雨(くらぞめ)の滝。
坊がつる賛歌にもその名が出てくる滝だ。
瀑声が聞こえてくる。
降りてみよう。
見えてきた。
ちめたーい!
滝から戻り、再び登山道へ。
サラシナショウマ
トリカブト
森を抜けると、ふいに三股の山塊が迫ってきた。
坊がつるだ。
こちらは平治岳。
今年はとうとうミヤマキリシマを見に行けなかったが、来年こそはきっと。
ススキ越しに中岳や白口岳。
遙か彼方に、目標の大船山の山頂が見える。
そんじゃ、登りますか。
この感じ。
久しぶりである。
アキノキリンソウ
リンドウ
大船山は、段原までがとにかくきつい。
変化のないガレ場の繰り返しだし、山頂がずっと見えないのも一因だ。
ゼヒー、ゼヒー
段原、まだかよ。
テンションが段々と下がってくる。
いつものパターンである。
段原。
ここまで登ったら、ようやく山頂が拝める。
よっしゃ!
着いたぜ。
頂上でもないのに、大船山頂が見えると急に元気が出てくる。
これも、いつものパターンである。
新しくなった避難小屋。
この岩場を越えると、
ラストだ。
到着!
山頂独占。
くじゅうの名だたる名峰が一望だ。
御池(おいけ)へ。
山頂は風が強い。
ここで昼飯にしよう。
な、なんか、かわいいじゃないか。
では、
ズルズルズルルーーー
山で食らうカップ麺の旨さよ。
これで、くじゅうワクチン接種完了だ。
暫くは『登りたい』と喚かないで済むだろう。
ただこのワクチン。
早い段階で、登りたい病が再発するのが問題なのだが。