昨日
私達はくじゅうへと向かった。
九重森林公園スキー場駐車場に車を停める。
天候のせいだろうか。
スキー場関係者の車を除いては、停まっている車は私らだけである。
目指す猟師岳の上には、重たい雲が垂れ込めている。
オフシーズンのゲレンデを、鹿の糞をよけながら登って行く。
リフト乗降場の奥の、フェンスの先が登山口だ。
登山道に入ってすぐに、ピンク色の小さな花びらが落ちていた。
見上げると、
散り残りの三つ葉ツツジである。
思えば今季、この花のタイミングを逸してしまっていた。
ほんの僅かではあるが、見られた事に「ラッキー」と言わねばならぬ。
猟師岳へと続くこの登山道は、シャクナゲ谷と名付けられている。
言うまでも無いが、この日のテーマは石楠花である。
様子はどうであろうか。
程なくそれが目の前に。
やった。
見頃じゃん。
登山道の両脇を彩る淡いピンク色。
この日この時、シャクナゲ谷は私達の独占である。
シャクナゲ谷が尽きると、灌木帯となり空が開ける。
代わって私達の目を楽しませてくれるのは、ミヤマキリシマである。
ガスの中に浮かぶピンク。
と言っても、大半はご覧の通り。
満開と呼ぶのは、もう少し先になりそうだ。
猟師岳到着。
小休止の後、合頭山へ縦走だ。
山頂を少し降りた先に巨岩がある。
ビビりながら登ってはみたものの、このガスである。
展望はゼロである。
登る意味もゼロである。
縦走路にはキバナスミレが目立つ。
合頭山山頂。
折悪しく、風が強くなってきた。
チョー寒い。
ビューーー
慌てて一枚着込む私達。
取り敢えず昼飯を食おう。
だが、
こんな寒い日に限って、暖かいカップ麺を二人とも用意していない。
ザックの中にあるのは、寒々としたパンだけだ。
更にダメを押すなら、ポットの中身は、氷を入れたアイスコーヒーときた。
「コーヒー飲んだら凍えてきたぞ。」
「アホやん。そんなもん、飲むけんたい。」
「さっさと口の中にパンば押しこめ!とっとと降りるぞ。」
ビューーー
さて、
これから、九州の山のメインイベント、ミヤマキリシマのシーズンが訪れようとしている。
そんな折も折、
我が福岡県下に、来週12日から緊急事態宣言が発出される事態となった。
いつもなら、6月初旬に見頃を迎えるミヤマキリシマ。
なんとかギリギリで間に合うのだが、
こんな年に限って、早咲きになりそうである。
緊急事態宣言期間中に、その見頃は終わってしまった!
なんて事にならないだろうか。
どうか、間に合いますように。