セブン&アイHDとイオンを分析する
東洋経済オンライン
6月18日(水)8時0分配信
コンビニ業界では他の追随を許さないセブン-イレブン。セブン&アイHDの大黒柱だ(撮影:今井康一)
2大小売りチェーンのセブン&アイ・ホールディングスと
イオンの平成26年2月期決算(2013年3月~2014年2月)は、
大きく差がひらきました。セブン&アイは
コンビニエンスストア事業の収益が伸び、
営業利益が過去最高を更新した一方で、
イオンは増収減益となったのです。
同じ小売業ではありますが、2社の間では
戦略や収益構造が異なっています。
そのため、収益力にも隔たりがあるのです。
今回は、財務内容を分析しながら、
2社の違いはどこにあるのか、
先行きを見極めるポイントは何かを解説します。
■過去最高益のセブン&アイ、高収益のコンビニで躍進
セブン&アイの決算は、大幅な増収増益となりました。
損益計算書(14ページ)から見ていきましょう。
売上高にあたる営業収益は、前期から12.8%増の5兆6,318億円。
本業の儲けを示す営業利益は、
14.9%増の3,396億円と過去最高を更新したのです。
当期純利益も27.3%増の1,756億円となりました。
では、何が好調だったのでしょうか。
ひとつは、利益全体の75.8%を占めるコンビニエンスストア事業です。
事業別の収益をまとめたセグメント情報(同34ページ)を見ますと、
同事業の「外部顧客への営業収益」は33.2%増の2兆5,292億円、
セグメント利益は16.1%増の2575億円となっています。
決算短信によると、セブン-イレブンのプライベートブランド商品
「セブンプレミアム」「セブンゴールド」や、
セルフ式のドリップコーヒー「セブンカフェ」の売り上げが
業績を押しあげたということです。
もうひとつは、金融関連事業です。
この事業の「外部顧客への営業収益」は、
8.4%増の1,339億円。セグメント利益は
20.0%増の449億円です。これは全体の営業利益の13.2%を占め、
コンビニ事業に次ぐ規模です。以前も説明しましたが、
金融業は安定的な収益を望めます。
大きな収益源となりつつあり、
さらに拡大を目指していると考えられます。
セブン&アイの金融事業は、いわゆる「手数料ビジネス」です。
セブン銀行のATMから提携している金融機関と取引を行った場合、
その金融機関は一回あたり数十円の手数料をセブン銀行に支払わねばなりません。
セブン銀行がATMを設置し、お金の管理をやってくれる代わりに、
金融機関は一回の利用につき数十円の手数料を支払う
という契約になっているのです。
これが、莫大な利益を生むようになりました。
セブン銀行のATMは全国で1万9,640台(4月30日現在)も設置されており、
24時間365日使えますから、利用者が増え続けているのです。
ところが、今度は金融機関がセブン銀行に支払う手数料がどんどん膨らんできました。
当然、金融機関は「セブン銀行に手数料を支払うより、
自行のATMを利用して欲しい」と考えるようになります。
メガバンクはじめ多くの金融機関が、
セブン銀行での取引を有料、もしくは無料で利用できる回数に
制限を設けるようになったのは、このためです。
その他、スーパーストア事業、百貨店事業、
フードサービス事業の業績はほぼ横ばいとなっており、
あまり好調とは言えません。セブン&アイは
今のところ、コンビニ事業と金融事業が業績を牽引している構図
になっているのです。
財務諸表に話を戻します。貸借対照表(同12~13ページ)から
安全性を調べますと、自己資本比率(純資産÷資産)は、46.2%。
棚卸資産などの流動資産が多い小売りのような業種では、
15%以上が安全かどうかの目安になると私は考えていますから、
セブン&アイは十分に安全だといえます。
短期的な安全性を見るための流動比率(流動資産÷流動負債)は、
116.7%と問題ない水準です。これは、
一般的には120%あれば安全だと判断されますが、
小売業や外食業のように日銭が入ってくる業種は70%程度あれば十分回るのです。
以上のことから、セブン&アイの財務内容は抜群だといえるでしょう。
■増収減益のイオン、セブン&アイとの違いは?
一方、イオンの業績は少し陰りを見せました。
損益計算書(16ページ)に注目してください。
営業収益合計は前期より12.5%増の6兆3,951億円、
営業利益は10.1%減の1,714億円と増収減益となったのです。
(営業収益合計と売上高の違いは、
売上高は本業での売り上げを示し、
営業収益は事業全体の売り上げにあたります)。
セブン&アイと比較してみましょう。
セブン&アイの営業収益は5兆6,318億円である一方で、
イオンは6兆3,951億円ですから、イオンの方が多いことが分かります。
ところが、セブン&アイの営業利益は3,396億円ですから、
イオンの倍近く稼いでいるのです。
セブン&アイのほうが、イオンより収益性がはるかに高いといえます。
同じ小売りであるにも関わらず、なぜ、
収益力に大きな差があるのでしょうか。
それは、収益構造が異なっているからです。
セブン&アイの場合は、営業利益の75.8%がコンビニ事業でした。
コンビニ事業は、非常に収益性が高いのです。
この事業の売上高営業利益率(営業利益÷売上高)を計算しますと
10.2%という驚異的な水準です。
一方、イオンは総合スーパーマーケット事業を柱としています。
スーパーマーケット事業は、コンビニエンスストアより
利益を稼ぐことができません。
売上高営業利益率を計算しますと、わずか1.2%しかないのです。
利益率の高い金融事業や大型ショッピングモール開発事業も拡大させていますが、
全体の営業利益に対し、それぞれ23.8%、
25.3%に留まっています。イオンが
収益力でセブン&アイに勝てない理由は、ここにあるのです。
■セブン銀行とイオン銀行では、収益構造が微妙に違う
金融事業についても、2社の間では内容が異なります。
セブン銀行は手数料ビジネスである一方、
イオン銀行はローンやクレジットカードによって
利益を出す典型的な金融業となっているのです。
イオンの貸借対照表(14~15ページ)のうち、資産の部を見ますと、
「銀行業における貸出金」が前期より2,320億円も増えて9,009億円となっています。
自動車ローンや住宅リフォームローンを取り扱う会社を
子会社化したことなどによるものです。
もう一つ、大幅に増えているのは「受取手形及び売掛金」です。
前期より3,761億円増の8,948億円が計上されています。
商品を購入したものの代金を受け取っていない額が「受取手形及び売掛金」です。
この増加も、金融事業と関連しているのかもしれません。
このように膨らんだ資産は、どこでファイナンスしているのでしょうか。
負債の部を見ますと、「銀行業における預金」が
1兆1,553億円から1兆7,013億円まで増えています。
つまり、利用者の預金から5,460億円を調達して、
「銀行業における貸出金」と「受取手形及び売掛金」という形で運用しているのです。
このように、イオン銀行とセブン銀行では、
同じ金融事業でもビジネスモデルが異なっているのです。
ちなみに、セブン&アイの「銀行業における預金」は
4,030億円ですから、銀行業の規模自体は
イオンのほうが4倍以上大きいことが分かります。
ところが、2社の同事業の利益率を比較しますと、
セブン&アイは28.3%、イオンは14.3%ですから、
ここでも収益力に差がひらいているのです。
■今後は、消費税増税の影響と海外展開がポイント
イオンの安全性を調べてみましょう。
自己資本比率は24.7%ですから、まずまずの水準です。
ただ、一つ気になるのは、イオンは借入金が多いという点です。
負債の部のうち、長期借入金が8,143億円計上されています。
一方、セブン&アイは3,324億円ですから、
財務内容という点でも、イオンよりセブン&アイのほうが良いといえます。
違う見方をしますと、イオンの方が積極的に投資をしているともいえます。
2社の有形固定資産を比べますと、イオンは2兆1,828億円、
セブン&アイは1兆7,099億円ですから、
イオンの方がはるかに多いのです。
イオンモールなどの開発事業で、
大きな投資が必要なのでしょう。
今後の2社の業績は、どのように推移するのでしょうか。
見極めのポイントは2つあります。ひとつは、
消費税増税の影響です。特に百貨店事業は、
駆け込み需要とその反動減があります。
2月決算なので駆け込み需要と反動減の両方の影響が
今期には表れるはずです。主力のコンビニ事業も、
節約志向が高まるでしょうから、
この調子で伸びていくかどうかは分かりません。
しばらくは、先行きが読みにくい状況が続くのではないでしょうか。
もうひとつのポイントは、海外での業績をどれだけ伸ばせるかという点です。
特にイオンは積極的に海外展開をしていますから、
今後はそれがどのように収益に反映してくるかに注目です。
小宮 一慶
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140618-00040391-toyo-bus_all#!bbRee7
東洋経済オンライン
6月18日(水)8時0分配信
コンビニ業界では他の追随を許さないセブン-イレブン。セブン&アイHDの大黒柱だ(撮影:今井康一)
2大小売りチェーンのセブン&アイ・ホールディングスと
イオンの平成26年2月期決算(2013年3月~2014年2月)は、
大きく差がひらきました。セブン&アイは
コンビニエンスストア事業の収益が伸び、
営業利益が過去最高を更新した一方で、
イオンは増収減益となったのです。
同じ小売業ではありますが、2社の間では
戦略や収益構造が異なっています。
そのため、収益力にも隔たりがあるのです。
今回は、財務内容を分析しながら、
2社の違いはどこにあるのか、
先行きを見極めるポイントは何かを解説します。
■過去最高益のセブン&アイ、高収益のコンビニで躍進
セブン&アイの決算は、大幅な増収増益となりました。
損益計算書(14ページ)から見ていきましょう。
売上高にあたる営業収益は、前期から12.8%増の5兆6,318億円。
本業の儲けを示す営業利益は、
14.9%増の3,396億円と過去最高を更新したのです。
当期純利益も27.3%増の1,756億円となりました。
では、何が好調だったのでしょうか。
ひとつは、利益全体の75.8%を占めるコンビニエンスストア事業です。
事業別の収益をまとめたセグメント情報(同34ページ)を見ますと、
同事業の「外部顧客への営業収益」は33.2%増の2兆5,292億円、
セグメント利益は16.1%増の2575億円となっています。
決算短信によると、セブン-イレブンのプライベートブランド商品
「セブンプレミアム」「セブンゴールド」や、
セルフ式のドリップコーヒー「セブンカフェ」の売り上げが
業績を押しあげたということです。
もうひとつは、金融関連事業です。
この事業の「外部顧客への営業収益」は、
8.4%増の1,339億円。セグメント利益は
20.0%増の449億円です。これは全体の営業利益の13.2%を占め、
コンビニ事業に次ぐ規模です。以前も説明しましたが、
金融業は安定的な収益を望めます。
大きな収益源となりつつあり、
さらに拡大を目指していると考えられます。
セブン&アイの金融事業は、いわゆる「手数料ビジネス」です。
セブン銀行のATMから提携している金融機関と取引を行った場合、
その金融機関は一回あたり数十円の手数料をセブン銀行に支払わねばなりません。
セブン銀行がATMを設置し、お金の管理をやってくれる代わりに、
金融機関は一回の利用につき数十円の手数料を支払う
という契約になっているのです。
これが、莫大な利益を生むようになりました。
セブン銀行のATMは全国で1万9,640台(4月30日現在)も設置されており、
24時間365日使えますから、利用者が増え続けているのです。
ところが、今度は金融機関がセブン銀行に支払う手数料がどんどん膨らんできました。
当然、金融機関は「セブン銀行に手数料を支払うより、
自行のATMを利用して欲しい」と考えるようになります。
メガバンクはじめ多くの金融機関が、
セブン銀行での取引を有料、もしくは無料で利用できる回数に
制限を設けるようになったのは、このためです。
その他、スーパーストア事業、百貨店事業、
フードサービス事業の業績はほぼ横ばいとなっており、
あまり好調とは言えません。セブン&アイは
今のところ、コンビニ事業と金融事業が業績を牽引している構図
になっているのです。
財務諸表に話を戻します。貸借対照表(同12~13ページ)から
安全性を調べますと、自己資本比率(純資産÷資産)は、46.2%。
棚卸資産などの流動資産が多い小売りのような業種では、
15%以上が安全かどうかの目安になると私は考えていますから、
セブン&アイは十分に安全だといえます。
短期的な安全性を見るための流動比率(流動資産÷流動負債)は、
116.7%と問題ない水準です。これは、
一般的には120%あれば安全だと判断されますが、
小売業や外食業のように日銭が入ってくる業種は70%程度あれば十分回るのです。
以上のことから、セブン&アイの財務内容は抜群だといえるでしょう。
■増収減益のイオン、セブン&アイとの違いは?
一方、イオンの業績は少し陰りを見せました。
損益計算書(16ページ)に注目してください。
営業収益合計は前期より12.5%増の6兆3,951億円、
営業利益は10.1%減の1,714億円と増収減益となったのです。
(営業収益合計と売上高の違いは、
売上高は本業での売り上げを示し、
営業収益は事業全体の売り上げにあたります)。
セブン&アイと比較してみましょう。
セブン&アイの営業収益は5兆6,318億円である一方で、
イオンは6兆3,951億円ですから、イオンの方が多いことが分かります。
ところが、セブン&アイの営業利益は3,396億円ですから、
イオンの倍近く稼いでいるのです。
セブン&アイのほうが、イオンより収益性がはるかに高いといえます。
同じ小売りであるにも関わらず、なぜ、
収益力に大きな差があるのでしょうか。
それは、収益構造が異なっているからです。
セブン&アイの場合は、営業利益の75.8%がコンビニ事業でした。
コンビニ事業は、非常に収益性が高いのです。
この事業の売上高営業利益率(営業利益÷売上高)を計算しますと
10.2%という驚異的な水準です。
一方、イオンは総合スーパーマーケット事業を柱としています。
スーパーマーケット事業は、コンビニエンスストアより
利益を稼ぐことができません。
売上高営業利益率を計算しますと、わずか1.2%しかないのです。
利益率の高い金融事業や大型ショッピングモール開発事業も拡大させていますが、
全体の営業利益に対し、それぞれ23.8%、
25.3%に留まっています。イオンが
収益力でセブン&アイに勝てない理由は、ここにあるのです。
■セブン銀行とイオン銀行では、収益構造が微妙に違う
金融事業についても、2社の間では内容が異なります。
セブン銀行は手数料ビジネスである一方、
イオン銀行はローンやクレジットカードによって
利益を出す典型的な金融業となっているのです。
イオンの貸借対照表(14~15ページ)のうち、資産の部を見ますと、
「銀行業における貸出金」が前期より2,320億円も増えて9,009億円となっています。
自動車ローンや住宅リフォームローンを取り扱う会社を
子会社化したことなどによるものです。
もう一つ、大幅に増えているのは「受取手形及び売掛金」です。
前期より3,761億円増の8,948億円が計上されています。
商品を購入したものの代金を受け取っていない額が「受取手形及び売掛金」です。
この増加も、金融事業と関連しているのかもしれません。
このように膨らんだ資産は、どこでファイナンスしているのでしょうか。
負債の部を見ますと、「銀行業における預金」が
1兆1,553億円から1兆7,013億円まで増えています。
つまり、利用者の預金から5,460億円を調達して、
「銀行業における貸出金」と「受取手形及び売掛金」という形で運用しているのです。
このように、イオン銀行とセブン銀行では、
同じ金融事業でもビジネスモデルが異なっているのです。
ちなみに、セブン&アイの「銀行業における預金」は
4,030億円ですから、銀行業の規模自体は
イオンのほうが4倍以上大きいことが分かります。
ところが、2社の同事業の利益率を比較しますと、
セブン&アイは28.3%、イオンは14.3%ですから、
ここでも収益力に差がひらいているのです。
■今後は、消費税増税の影響と海外展開がポイント
イオンの安全性を調べてみましょう。
自己資本比率は24.7%ですから、まずまずの水準です。
ただ、一つ気になるのは、イオンは借入金が多いという点です。
負債の部のうち、長期借入金が8,143億円計上されています。
一方、セブン&アイは3,324億円ですから、
財務内容という点でも、イオンよりセブン&アイのほうが良いといえます。
違う見方をしますと、イオンの方が積極的に投資をしているともいえます。
2社の有形固定資産を比べますと、イオンは2兆1,828億円、
セブン&アイは1兆7,099億円ですから、
イオンの方がはるかに多いのです。
イオンモールなどの開発事業で、
大きな投資が必要なのでしょう。
今後の2社の業績は、どのように推移するのでしょうか。
見極めのポイントは2つあります。ひとつは、
消費税増税の影響です。特に百貨店事業は、
駆け込み需要とその反動減があります。
2月決算なので駆け込み需要と反動減の両方の影響が
今期には表れるはずです。主力のコンビニ事業も、
節約志向が高まるでしょうから、
この調子で伸びていくかどうかは分かりません。
しばらくは、先行きが読みにくい状況が続くのではないでしょうか。
もうひとつのポイントは、海外での業績をどれだけ伸ばせるかという点です。
特にイオンは積極的に海外展開をしていますから、
今後はそれがどのように収益に反映してくるかに注目です。
小宮 一慶
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140618-00040391-toyo-bus_all#!bbRee7
タクシー車種はトヨタのコンフォートばかり
シェア82%独占
NEWSポストセブン
2014年6月29日 07時00分
(2014年6月29日 07時33分 更新)
写真:タクシー
(イメージです。本文とは関係ありません)
タクシー利用の機会が多い人は、
「最近はいろいろな車種があるんだなァ」と
思うのではないだろうか。
しばらくタクシーの車種は事実上の
“1車独占”状態にあったが、
燃費効率や利用者のニーズに応える形で、
さまざまな種類がお目見えしている。
そして、6年後の東京五輪開催を控え、
さらにドラスティックな変化を遂げる。
数年前まで、東京都内を走る法人タクシーは
「トヨタ・コンフォート」だけといっても過言ではなかった。
現在のコンフォートが発売されたのは1995年。
その2年前に日産がタクシー専用車として「クルー」を発売。
それに対抗する形で開発されたのが小型車のコンフォートと
中型車のクラウン・コンフォートだった。
そして2009年にクルーが生産終了となったため、
都内のタクシー会社でのコンフォートのシェアは、
現在、82%を占める
(都内のタクシー車の販売を手がける東京トヨペット調べ)。
シェア拡大に寄与したのは、
コンフォートが「タクシー運転手のニーズ」を
徹底的に追求した車であったことが大きい。
「運転手の疲労を軽減するため、
長距離トラックの運転席を参考にして
座席の堅さやポジションを最適化しました」
(東京トヨペットタクシー部の小野善昭氏)
各運転装置の操作性の高さも特徴だ。
クラウン・コンフォートの場合、最小回転半径
(ハンドルを最大まで切った時に外側の前輪が描く円軌道の半径)は、
同種の一般車より10cm短い5.1m。
わずか10cmの違いだが、「狭い路地への進入やUターン、
あるいは駐車スペースへの車庫入れなどでは、
この違いによって取り回しが大きく違ってくる」
(ベテラン運転手)という。
また、乗降の機会が多いタクシーは
頻繁にハザードランプを点灯させる。
コンフォートではハザードスイッチを
ウインカースイッチと一体化し、
運転手の操作が簡単になった。
乗客の利用しやすさも大幅に改善。
後部座席のドアは一般車より広く開くように設計され、
ほぼ直角になる。トランクスペースも
同種の一般車より大きい。
「開発当時からタクシー運転手の高齢化が進んでおり、
荷物の積み下ろしの際に
腰を痛めるという悩みが多かったのです。
そこでトランクの開口位置を下げて、
荷物を持ち上げる高さに配慮しました」(小野氏)
何よりもタクシー会社から歓迎されたのは
「丈夫で長持ち」という理由だ。
東京ハイヤー・タクシー協会の広報委員長を務める、
山三交通社長の秋山利裕氏が語る。
「リーズナブルな車体価格(180万~250万円)に加え、
耐久性に優れています。新車で6~7年使用して、
約80万kmは走行できる。
地方では100万kmまで使っている会社も珍しくありません」
※週刊ポスト2014年7月4日号
http://www.excite.co.jp/News/economy_g/20140629/Postseven_262436.html
タクシー専用車作り、これもトヨタのイノベーションかもしれない。
シェア82%独占
NEWSポストセブン
2014年6月29日 07時00分
(2014年6月29日 07時33分 更新)
写真:タクシー
(イメージです。本文とは関係ありません)
タクシー利用の機会が多い人は、
「最近はいろいろな車種があるんだなァ」と
思うのではないだろうか。
しばらくタクシーの車種は事実上の
“1車独占”状態にあったが、
燃費効率や利用者のニーズに応える形で、
さまざまな種類がお目見えしている。
そして、6年後の東京五輪開催を控え、
さらにドラスティックな変化を遂げる。
数年前まで、東京都内を走る法人タクシーは
「トヨタ・コンフォート」だけといっても過言ではなかった。
現在のコンフォートが発売されたのは1995年。
その2年前に日産がタクシー専用車として「クルー」を発売。
それに対抗する形で開発されたのが小型車のコンフォートと
中型車のクラウン・コンフォートだった。
そして2009年にクルーが生産終了となったため、
都内のタクシー会社でのコンフォートのシェアは、
現在、82%を占める
(都内のタクシー車の販売を手がける東京トヨペット調べ)。
シェア拡大に寄与したのは、
コンフォートが「タクシー運転手のニーズ」を
徹底的に追求した車であったことが大きい。
「運転手の疲労を軽減するため、
長距離トラックの運転席を参考にして
座席の堅さやポジションを最適化しました」
(東京トヨペットタクシー部の小野善昭氏)
各運転装置の操作性の高さも特徴だ。
クラウン・コンフォートの場合、最小回転半径
(ハンドルを最大まで切った時に外側の前輪が描く円軌道の半径)は、
同種の一般車より10cm短い5.1m。
わずか10cmの違いだが、「狭い路地への進入やUターン、
あるいは駐車スペースへの車庫入れなどでは、
この違いによって取り回しが大きく違ってくる」
(ベテラン運転手)という。
また、乗降の機会が多いタクシーは
頻繁にハザードランプを点灯させる。
コンフォートではハザードスイッチを
ウインカースイッチと一体化し、
運転手の操作が簡単になった。
乗客の利用しやすさも大幅に改善。
後部座席のドアは一般車より広く開くように設計され、
ほぼ直角になる。トランクスペースも
同種の一般車より大きい。
「開発当時からタクシー運転手の高齢化が進んでおり、
荷物の積み下ろしの際に
腰を痛めるという悩みが多かったのです。
そこでトランクの開口位置を下げて、
荷物を持ち上げる高さに配慮しました」(小野氏)
何よりもタクシー会社から歓迎されたのは
「丈夫で長持ち」という理由だ。
東京ハイヤー・タクシー協会の広報委員長を務める、
山三交通社長の秋山利裕氏が語る。
「リーズナブルな車体価格(180万~250万円)に加え、
耐久性に優れています。新車で6~7年使用して、
約80万kmは走行できる。
地方では100万kmまで使っている会社も珍しくありません」
※週刊ポスト2014年7月4日号
http://www.excite.co.jp/News/economy_g/20140629/Postseven_262436.html
タクシー専用車作り、これもトヨタのイノベーションかもしれない。
AO入試合格者、6人に1人が退学
…読売調査
読売新聞
2014年7月9日(水)10:02
主に学ぶ意欲をみるAO(アドミッション・オフィス)入試で合格した学生のうち、
6人に1人にあたる15・5%が退学していたことが、
読売新聞の「大学の実力 教育力向上の取り組み」調査でわかった。
入試方法別で最も高い退学率で、一般入試の5・9%が最も低かった。
入試方法別の退学率が明らかになったのは初めて。
AO入試は本来、学力試験で測れない意欲や能力を重視する試験だが、
早ければ入学の半年以上前に合格が決まることなどで
学習意欲を失わせているとの指摘があり、
見直しを迫られる大学も出そうだ。
今年の「大学の実力」調査は、通信制などを除く
全国744の国公私立大学を対象に、
学生の成長のための取り組みや大学の現状を聞き、
過去最高の659校(89%)が回答した。
http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/nation/20140708-567-OYT1T50196.html
…読売調査
読売新聞
2014年7月9日(水)10:02
主に学ぶ意欲をみるAO(アドミッション・オフィス)入試で合格した学生のうち、
6人に1人にあたる15・5%が退学していたことが、
読売新聞の「大学の実力 教育力向上の取り組み」調査でわかった。
入試方法別で最も高い退学率で、一般入試の5・9%が最も低かった。
入試方法別の退学率が明らかになったのは初めて。
AO入試は本来、学力試験で測れない意欲や能力を重視する試験だが、
早ければ入学の半年以上前に合格が決まることなどで
学習意欲を失わせているとの指摘があり、
見直しを迫られる大学も出そうだ。
今年の「大学の実力」調査は、通信制などを除く
全国744の国公私立大学を対象に、
学生の成長のための取り組みや大学の現状を聞き、
過去最高の659校(89%)が回答した。
http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/nation/20140708-567-OYT1T50196.html