大学の授業にかかわる話題

授業日誌・キャリア・学びのスキルについて

「高校化」する大学

2016年01月16日 10時54分56秒 | 学習支援・研究
「高校化」する大学 
出欠を保護者がサイト上で確認

仲村和代・36歳
2016年1月6日09時57分



写真・図版
授業前、学生証を読み取り機にかざす近畿大学の学生たち。出欠はサイト上で保護者が確認できる=大阪府東大阪市の近畿大、金川雄策撮影

18歳をあるく
授業開始10分前。
近畿大学東大阪キャンパス(大阪府)の教室の入り口に、
学生たちが列を作り始めた。
備えられた読み取り機に、
次々と学生証をかざしていく。
出欠を取り、保護者がサイト上で
リアルタイムで確認できる仕組みだ。

特集:18歳をあるく
アンケート「18歳」より

自宅から通う総合社会学部1年の女子(18)は
「授業は出てるし、親も真面目だと思ってくれてるので、
気にならない」という。一方、
経済学部3年の男子(20)は
「大学生なんやからほっといてほしい」。
出欠をチェックした親から、
「最近、学校いってんのか」と怒られたという。

サイト開設は昨年9月。
成績通知や、地方での保護者懇談会などは
以前から実施してきたが、保護者から
「もっと情報を」と要望があったためだ。

2年生女子(20)の母親(46)は
一緒に住んでいるが、これまで3回ほど確認したという。
「娘は何でも話してくれるので大丈夫だとは思うけど、
どんなものかと。親が関わることは
少なかった自分の大学時代と比べると、
変わったなと思います」と話す。

出欠回数は、成績評価には反映されないことになっている。
一番の目的は、退学を減らすこと。
友人ができない、進路に迷いがあるなどの理由で
長期欠席が続き、退学につながることがある。
これまでも欠席が続けば教員らが連絡し、
相談に乗ってきたが、保護者とも連携し、
いち早く支援につなげるのが狙いだ。

「昔は大学に入れば放任が当たり前だったが、
最近は、『高校化』している。
豊かな時代に大事にされて育ってきたせいか、
打たれ弱さも感じる。大学としては
バランスを取りながら、時代に即した支援をしていく必要がある」
と松本由美・教学庶務課長は語る。

http://www.asahi.com/articles/ASHDY7VRGHDYUTIL020.htmlより

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする