いつも曲がる道を
ガサゴソ動く物
曲がらず
真っ直ぐ歩き
ふと目に留まった物
ガサゴソ動く物
『あっ!
アカテガニやん!』
何で直ぐに分かったかと言うと
遠い記憶
私がまだ小学生だった夏休み
裏庭に溝があった
ガサゴソと
音がする
何だ?
って見たら
赤いハサミを振り上げた
カニが居た
『お兄〜ちゃん!
見て、カニが居る!』
兄ちゃんに
生物図鑑で調べて
それを夏休みの
宿題にしてはどうか
と言われ
その通りにした
名前は アカテガニ
何でも食べる
少しの水と隠れる場所
と迄は
覚えているけど
後はどうなったか
忘れてしまった
確か
バケツに入れて
観察する事にしたけど
翌日には
逃げてった
多分そうだった
と思う
遠い記憶
懐かしい夏休みの思い出
いつも通り曲がっていれば
思い出す事のない
何でもない出来事
不思議なものだね
そんなどうでも良い出来事が
部分的ではあるけど
鮮明に甦る
そんな事もあったっけな
ってね
記憶
不思議
どんだけ
記憶にあるんだろう