更新日:2022/07/02・公開日:2018/12/27
◆粕壁宿埼玉県東部にある春日部市は、江戸時代、日光道中4番目の宿場町として栄え、往時、多くの旅人がこの粕壁宿に一夜の宿をとりました。そして、旅人が行き交う街道沿いには、旅程を示す一里塚や道しるべがあり、道先案内人の役割を果たしました。
◆道しるべ
春日部駅の東を南北に通るかすかべ大通り(旧日光道中)沿いにある東屋田村屋本店の前に道しるべが建っています。
建立から200年程経っていますが、昔の雰囲気がそのまま残っていますので、立ち止まって写真を撮る方もよく見かけます。
東屋田村屋本店
道しるべと赤いポスト
この「道しるべ」は、天保5年(1834)二月銘の残る専用道標(道しるべ)で江戸時代から現存しているものです。
道しるべ西南 いはつき
東江戸・北日光
光の関係でよく読めないところはありますが、側面には、「西南い八つき、東江戸 右乃方陸羽みち、北日光」と刻んであり、往時の活発な人の往来が伺えます。
また、「古来立木表以記岐路方向今胥議以石代之(古くは分かれ道の方向を示すには、木を立てていたが、今回、皆と相談して石に代える)。さらに、天保五年二月 春日部駅長煕等立(電車の駅ではありません、馬駅・うまや=馬の乗り継ぎ所)と刻んであり、粕壁宿の当時の名主、関根次郎兵衛らが立てたことが分かります。面白いのは春日部となっているところ、粕壁ではないのですね。
※胥議:互いに相談すること。皆で相談することの意。
なお、春日部市郷土資料館には、この「道しるべ」のレプリカが展示されています。
また、この「道しるべ」は、 以前、田村家の裏庭にあったものを、旧街道通りを整備したときに表通りに移したと言われており、刻んである方角からすると、元々は、最勝院方面の高札場(高層マンション付近)辺りに建てられていたと思われます。
◆テレビ番組に
そう言えば、昔、NHK-BSの「街道てくてく旅」というシリーズ番組で、旅人の卓球選手四元奈生美さん(当時ファッショナブルなユニフォームで有名でした)が当地を訪れ、田村家の道しるべの脇の駐車場で地元の方と卓球の試合をされた映像を思い出しました。