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PCグラフィック、写真合成、小説の下書き。

サブリミナル・(美しい子悪魔)・第二章・NO-(15)&CG

2008-06-15 17:59:00 | 小説・サブリミナル-二章-
サブリミナル・(美しい子悪魔)・第二章・NO-(15)&CG

あいつ私に嘘を言っていたんだ、写真はこれだけだなんて。もう自首はしない。
誰にも見られなかったし、部屋はいつも明かりを点けたまま。絶対に自白なんかしない、あいつが悪いんだ。
綾乃は椅子に座らされ、窓から入ってくる光を浴びながらそう思っていた。
そこへ津波警部補が小さなダンボール箱を持って入って来た。
「影山さん、貴方ここへ呼ばれた訳は分かりますね」。と、津浪警部は優しい声で言うと綾乃を見た。「いいえ、どうして私がこんな所へ呼ばれたんですか」。
綾乃は俯いたまま答えた。

「そうですか、今朝早く近藤貴雄がカーホテルで刺殺されました。一緒に入ったと思われる女性の姿がありません。貴方でしょう、殺害したのは」。
そのとき、綾乃は近藤を刺したナイフを置き忘れた事を初めて思い出した。
「いえ、私は殺してなんかいません。確かに殺してやりたいと思いました。でも殺すなんて」。
「ふざけるんじゃない、見なさいこの写真を、全部貴方の写真ばかりだ。見られたくはないだろうが、貴方の全裸の写真だ、それも普通じゃない」。
刑事はそう言うと、綾乃が全裸で股を開いた写真を一枚づつ机の上に並べた。
「やめてっ!・・・止めて下さい」。
綾乃は身をかぶせる様に写真を集めた。そして両手に握り締めた。
「確かに見るに耐えられないほど酷い写真だ、同情はします。しかし、だから殺して良い事にはならない。これは貴方のナイフですね」。
刑事は透明のビニール袋を手にした。見ると血が着いたナイフが入っていた。
「はい、それは確かに私が大学の時に入っていた登山のサークルにいた頃に使っていたのに似ています。でももう四年も前の話です」。
「そんな昔のナイフの事を一目見ただけで良く分かりますね」。
「はい、そのナイフの柄を見て下さい。その頃に付き合っていた彼のイニシャルが入っているでしょう。忘れるもんですか」。
綾乃はその頃の事を思い出していた。
綾乃が生まれて初めて好きになった人。叶明、その人に貰った登山ナイフだった。しかし、体を許す前に穂高の山に飲まれて死んでしまったのだった。綾乃の目には止めど無く涙が流れた。

「蔭山さん、あなた近藤の車に乗った事はありますか」。
「はい、写真をネットで流されたくなかったから付き合えって。嫌々乗せられた事はあります。あんな男殺されて当たり前よ。
この二ケ月、こんな写真を撮られて見せられて、私が平気だったと思いますか。毎晩決まって八時になると電話が来るんです。
出なければずっと鳴っているんですよ。出れば卑猥な話しばっかり、平気だったと思っているんですか。私が喜んで聞いていたと刑事さんは思っているんですか」。綾乃はそこまで話すと、両手で顔を覆い泣いていた。
「貴方のアリバイですが、夕べは本当にアパートに居たんですか?・・・」
「居ました。さっきお話しした通りです。それ以後は出ていません」。
「近藤とは何処までの関係だね?・・・何も無かったなどと言う事は通りませんよ。関係も無い男に、こんな写真撮らせませんからね」
綾乃はムッとした顔を上げて睨み付けた。それなら良い、もう話はしない。と心に誓った。
こうして黙ったまま窓を見ていた。その後、刑事の質問には答えず、頑と口を割らなかった。

そして一時間、二時間。そこへ年配の刑事が入って来た。
そして津浪警部を呼んだ。津浪は部屋を出た。
そして直ぐに戻って来た。そして書類を広げた。
「影山綾乃さん、貴方を逮捕します。罪状は近藤貴雄の殺害容疑です。凶器のナイフから貴方の指紋が検出されました。正直に話してくれますね」。
津浪は自信満々だった。そして殺人事件のスピード逮捕に顔が綻んでいる様にも思える綾乃だった。
「いいえ、私は殺していません。何時に殺されたんですか?・・・」
「十一時半頃です、それに、凶器のナイフに貴方の指紋があるんですよ。正直に話して下さい」。
「私のナイフですから指紋があっても不思議じゃありません。今の警察は10年前の指紋でも見つけ出せるそうですね。だから見付ったんでしょう。私は殺していません。散歩から帰ってから一歩も出ていません」。
綾乃は一貫してアパートにいたと言い張った。

翌日、新聞でもテレビニュースでも、カーホテル刺殺事件の犯人は影山綾乃だと報道していた。
そして二日、三日と過ぎた。
そして二月二十四日、朝から一人の女弁護士が生年月日を記した綾乃の写真を手にタクシーに乗り、板橋警察署に向かっていた。
綾乃は突然刑事から弁護士の接見だと言われ、部屋に通された。
そして手錠が外された。
そこには弁護士とは思えない程若くて奇麗な女性が座っていた。NO-15

サブリミナル・(美しい子悪魔)・第二章・NO-(14)&CG

2008-06-15 17:45:45 | 小説・サブリミナル-二章-
サブリミナル・(美しい子悪魔)・第二章・NO-(14)&CG

「焦らないで、一緒にシャワー浴びましょう。それから・・・・ね」。
近藤は渋々頷くとシャワー室に行くと浴槽に湯を入れて戻って来た。
「これ、ごめん。これで全部です。SDカードも持ってきました。パソコンには入れてありませんから」とセカンドバックから写真を出すと綾乃に差し出した。
それは見るに耐えられない程恥ずかしい写真だった。
「本当にパソコンに入れてないんですか」
「親父が見ると困るから入れてないよ。写真もそれで全部だよ、本当に申し訳ない。二年前、綾乃さんが会社に仕事で来てくれたろ、その時からずっと好きだったんだ。こんな写真撮って済まない。でも誰にも見せてないから、僕だけの綾乃さんでいて欲しかったんだ」。

勝手な事いわないでよ、私はどんな思いをしてたのか知っているの。綾乃はそう思いながら写真とSDカードをバックに入れた。
「この写真、私が貰っても良いわよね」。
「えっ!・・・ああ良いよ。こらからは生が見られるし、ビデオ撮らせてくれるんだろ」。
ふざけないでよね、綾乃はスカートの中に手を入れるとナイフを握った。近藤は下着を降ろすのかと、ゴクッと生唾を飲んだ。
「誰があんたなんかと結婚する訳ないでしょう。私がどんなに辛くて切ない思いをしたか。死んで・・・」。そう言うか早いか綾乃は近藤の胸を突いていた。
「あっ、あぁぁぁや・・・・の・・さ・・ん・・・」と、近藤はバッタリ倒れて動かなかったその時、綾乃は我に返った。

大変っ!・・・どうしよう、どうしよう・・・
もう頭の中はバニックになっていた。そして、綾乃はどこをどう帰ったのかアパートの前に来ていた。
そして部屋に入るとボ~ッとしていた。
そして、我に返ると、淫らな写真の事を思い出した。バックから写真を出し、一枚一枚灰皿の中で燃やした。そしてSDカードをパソコンに入れると写真を見ながら消去した。
血、返り血が、血が着いているかも。全裸になり、目を皿のように服の隅々を見た。そして下着も脱いで見た。しかし一滴の反り血も浴びていなかった。
全裸のままソファーに座り、暫くの間、呆然と座っていた。
自主しよう、綾乃は時計を見た。既に午前五時を回っていたが、窓の外は真っ暗だった。

下着を穿いて部屋着に着替えて部屋を片付けはじめた。冷蔵庫の物は何も可もゴみ袋に入れ、収集所に出した。
そして、着ていた服と下着も荒い、干し終わると明るくなっていた。
熱いコーヒーを入れ、両手でカップを押さえ、ボーットしていた。

すると、コンコンッとノックがあり、チャイムが鳴った。
綾乃は窪んだ目をしてドアを開けた。二人の男が立っていた。
「蔭山綾乃さんですね」。一人の男が胸のポケットに手を入れながら聞いた。
「はい、蔭山ですが、何か」。
「板橋署の津浪と西村です。少し伺いたい事が有りまして。宜しいでしょうか」そう良いながら津浪は玄関に足を踏み入れた。
「近藤貴雄さんご存じですよね」。
「はい、知り合いと言うかストーカーと言うか。殆ど会った事はありません」。綾乃は自主しようとした所へ現れた刑事に困惑しながらも、自分を逮捕しに来たのではないと思い、自主する気持ちが薄れていた。
「ストーカーですか、貴方夕べはどちらにいらしていました」。
「なんでですか?・・・混同さんどうかしたんですか?・・・」と冷静だった。
「ええ、事件が起きまして、それで関係者に伺っているんです」。
「事件ですか?・・・私は関係者ですか?・・・まあいいです。夕べは仕事が終わったのが六時過ぎで、アパートに戻ったのは七時過ぎていました。後はアパートにいました」。

刑事の二人は口を尖らせて小刻みに頷いていた。
「では夕べは帰られてから一歩も外には出てないと言う事ですか」。
「散歩には出ました。八時に近藤さんから卑猥な電話があって、どうしても気分が良くなくて、気分を変えようと十時過ぎに少し出ました。三十分程です」。
すると、西村刑事の携帯に電話が入った。刑事は場を外して携帯に出た。
綾乃をじろじろと見ながら話していた。すると表情が強張った。
そして戻ると津波警部補に耳打ちした。分かった、と顔を向けた。
「蔭山さん、申し訳ないですが署まで御同行願います。貴方、近藤から何か威されたりしていませんでしたか」。
綾乃は外にも写真があったのか、そう思ったら涙が流れた。
「いいえ、威されてはいませんでしたけど。二ケ月前、睡眠薬入のコーヒーを飲まされて・・・裸の写真を撮られてしまいました。警察に届けようと思いましたけど、恥ずかしくて届けられませんでした」。
刑事は同情したように大きく溜め息を吐いた。
「そうでしたか。ともかく、詳しい話は署の方で」。綾乃はバックを持つと刑事の後に続いた。
板橋署に着くと取調室と書かれた狭い部屋に通された。
NO-14-8