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小説・鉄槌のスナイパー・一章・NOー(43)&CG

2008-09-16 00:59:17 | 小説・鉄槌のスナイパー(第一章)
小説・鉄槌のスナイパー・一章・NOー(43)&CG

「うん、ないよりはいいよ。でも小山さんが言う五千万って修理にはギリギリの額じゃないのかな。もう一千万出してあげたら」。
「フフフッ・・・そうするよ。僕は一度小山には命を助けて貰った事があるんだ。学生の頃に穂高を縦走登山した時にね、オーバーハングを上っていた時に強風に煽られて宙吊りになってさ、小山が命懸けで大柄の僕を引き上げてくれたんだ。だからなんとかしてやりたい」。
「そう、そんな事があったの。でも凄いね。小柄な小山さんが貴方を引き上げたなんて驚き。火事場の何とかって奴かしら」?
「そうかも知れない。あの時はもう駄目だと思った。小山の腕に大きな傷跡があったろ、あれは僕を引き上げた時にザイルで焼き切れた跡なんだ。僕が付けたのと同じなんだよ」。
「そう、それで螺旋の傷があったの。初めてね、そんな事話してくれたの。京平さんったら驚かすのが上手やわ」。
二人は抱き合いキスした。そして横になると、美保は京平の腕を枕に軽い寝息を立てて眠ってしまった。
京平はそっと腕を外すと抱き上げ、ベッドに運んだ。タオルケットを掛け、ドアを開けたまま部屋を出た。
そしてウエストポーチから銃を出し、ブリーフケースにしまった。夕方、日が傾き始めた頃、美保は目を覚まして起きてきた。
「ごめん、私眠っちゃった。づうっと起きていたの」?
「うん、もっと良い案がないか考えていた」。
「私も、でもいい案は浮かばないよ。もう来ているかしらね」。
「たぶん。電話しに行こうか」
二人は小雨の中出掛けた。そしてペンションの周りをグルッと走った。そして近くにあるホテル、鹿島の森の電話ボックスを見付けて車を止めた。
そし二人で入った。美保はバックから手帳を出して読み上げる番号を京平は押した。すると、すぐに出た。
「はい、真田ですが」。そう言う真田は妙に落ち着いていた。
「真田か、私はリーダーだ。色々とてこずらせてくれて有り難うよ。用意は出来たようだな」。
「は、はい。色々済みませんでした。一億五千万全額古い紙幣で用意しました。あの関西の人は」?
「貴様の事でてこづったんでな。私は一度の失敗も許さない。もう分かるな。私はあの男の様にはいかないぞ。良く聞け、一度しか言わないからな。
金はフィラのリュックに入れろ、そしてサイクリングの恰好で待っていろ。明日また電話する。もし、妙な素振りや妙な人間がいたらその場で取引は終了する。意味は分かっているな」。
「は、はい。リュックはフィラでサイクリングの支度をして待っています。何時頃でしょうか」?
「貴様まだ立場が分かってないな。質問が出来る立場か!」。
「は、はい。済みませんでした、電話をお待ちしています」。
そして電話を切った。京平は笑っていた。
「京平さん、どうして関西の男の存在を無くしたの」?
「うん、非道だと言う事を印象づける溜めだよ。初めは落ち着いていたけどびびってたよ。最初の落ち着きぶりだと仲間は相当いるな。でも今の威しで居ても近付けないと思う」。
「ウフッ・・・流石だな、精神的に追い込むなんて凄い。じゃあ計画はあのままでいいのね」。
「うん、今から狙撃現場を見に行こう。それから目印のラバーコーンを置いて来たいからね」。
京平はそう言うとシートベルトを着けるとエンジンを始動させた。
そして向きを変えると聖パウロ教会へ向かった。小雨もその頃になると止んで人の歩く姿もチラホラとあった。
そして三笠ハウス方面へ走った。そして白糸ハイランドウェイの有料道路に入った。真っ暗な闇夜にヘットライトの明かりで映し出される路面には、センターラインが妙に大きく太く見えていた。
そして白糸の滝のバス停を過ぎ、しばらく行くと京平の言うように空き地があった。車を止めると手袋をして荷台のラバーコーンをひとつ持つと空き地の端において戻って来た。そして少し走って止まった。
「美保、ここから車で少し行くと小高い丘になっていて、大きな岩があるんだ。車は雑木林で隠れて道路からも何処からも死角になって見えないから心配ない。今から行ってみるからね」。NO-43-115

小説・鉄槌のスナイパー・一章・NOー(42)&CG

2008-09-16 00:56:54 | 小説・鉄槌のスナイパー(第一章)
小説・鉄槌のスナイパー・一章・NOー(42)&CG

「小山、その位の金なら僕等で何とかなるぞ」。
「本当か!でも二人の金は借りられないよ。気持ちだけでいいよ」。
「小山さん、私達のお金だからお貸しするんです。それに主人の親友が困っているのに黙っていられません。役立てて下さい。ねえ京平さん」。
「うん、美保もこう言っているから。返済は少しづつでいいよ。利子なんか取らないから。同じペンションの経営者としてさ」。
「有り難う紺野、奥さん。じゃあちゃんと借用書と担保を付けるよ。返済計画書も作って計画を話す。それで判断してくれ」。
「分かった。じゃあそうしよう。美保、それでいいね」。
「はい、私も経営の事を色々教えて頂きたいですから。それにステキなペンションですもの」。
「捨てる神ありゃ拾う神ありだ。有り難う、助かるよ。これで銀行の奴等の顔を明かしてやる事が出来る。有り難う奥さん」。
「へえ、かましまへん。あっ、はい、どういたしまして」。
「やあ、いいですね京都弁は。おっとりしていて暖かみがあって。奥さん、無理に標準語なんかに治さない方が良いですよ」。
「へえ、おおきに。あれ~っアッハハハハ・・・」。
こうして美保の明るい笑い声が森に響き渡っていた。そして食事を済ませた二人はトランシーバーを借りてロッヂに戻った。
そして早速サイクリングの支度を始めた。服を脱いで下着姿になった二人は黒のロングパンツを履いて短パンを上にはいた。
美保はブラジャーを外し、スポーツブラに付け替え、ノースリーブのTシャツを上に着た。そしてソックスを履くとサイクルシューズの紐を緩めて履いた。
そしてペアで大きめのウエストポーチをバックから出し、財布とトランシーバーの本体を入れた。京平はペアの服を着るとブリーフケースを取り出して開けた。そして消音器を装着させ十二発の弾丸をカートリッチにいれると銃に入れて装填した。そして安全装置を掛け、ウエストポーチに入れた。
そして美保の銃も同じようにして美保に渡した。ずっしりした冷たい銃を手にし、淡々とウエストポーチに入れるとチャックを閉めた。
「美保、小山にはああ言ったけどトランシーバー壊れてないんだ。持ってきた無線機はどの電波でも拾う事が出来るから真田に持たせる。
美保の方は受信だけで送信のスイッチは切っておくからね。急用の時はこのボタンを押すと送信出来るから」。
「うん、このボタンね、分かった。それでどうやって真田に?・・・」。
「うん、電話で指示してサイクリングコースにあるベンチに置いておくよ。休憩しているように見せ掛けて近くで見てればいいさ。
それから僕は大きめのディーバックをしょってく。真田のバックが入るようにね。じゃあ今から車で狙撃現場を下見に行くから。そこへ車を置いてチャリを降ろす。それから、車の後ろのシートの下にライフルに弾を装填していつでも使えるようにしてバスタオルで巻いて隠してあるからね。
夕べ話したように僕が戻るより真田が引き返して来るのが早かったら美保が標的を」。
「うん、任せて。一発で仕留めて見せるから」。
「ライフルのカートリッヂに鉄鋼弾、炸裂弾、鉄鋼弾、炸裂弾と言うように交互に入れてあるからね」。
「うん、分かった。鉄鋼弾が先ね。あっ、雨よ!いつ曇ったのかしら全然気が着かなかった」。
「仕方ない計画は明日に延期にしよう。せっかく着替えたのにな」。
「うん、でもいいよ。京平さんと居られるんだもん」。
「僕もだ、この分だと止みそうにないから着替えて下見だけしようか」。
「うん、それより自転車部屋の中へ入れようよ、まだ一度も乗ってないんだよ、濡れちゃう」。
京平は車に走るとロッヂの前まで乗って来た。
そして自転車を降ろして部屋の中へいれた。二人は雨に濡れた自転車を丁寧に拭いていた。そして美保は別のタオルを持つと濡れた京平の髪を拭いていた。
すると、蒸し暑かった部屋も温度が下がり、二人は着替えてソファーに横になった。見上げると大きな天窓には雨が音を立て、弾けていた。
すると美保は京平に抱き着いてキスした。
「ねえ、小山さんこの音をなんとかしたいんじゃないのかな。確かに天気の良い日はいいけど、雨の日は最悪だもん」。
「うん、僕もいまその事を考えていた。それに目立たないいけど傷んでいる所があるからね。あの一億福祉施設へは半分になっちゃったけど良いよな」。NO42