エンターテイメント、誰でも一度は憧れる。

PCグラフィック、写真合成、小説の下書き。

小説・鉄槌のスナイパー・二章・NOー(48)&CG

2008-09-18 18:22:03 | 小説・鉄槌のスナイパー(第二章)
小説・鉄槌のスナイパー・二章・NOー(48)&CG

そしてハウスの規模は一間半と二間のログ風にしたい事を話した。
「分かりました。直ぐに手配しますよ。一応見積もりを出して届けます」。
「いいですよ、信用していますから。準備が出来次第初めて下さい。それから床はコンクリートで、すのこを敷いて下さい」。
「京平さん、あれは?・・・」美保は少し膨れた表情で京平を見ていた。
「分かっているよ。それからタヌキの小屋が欲しいんです。あの回りに住んでいるのが慣れてきて。美保が可愛いがっているもんだから」。
「はい、いいですよ。余った材料で造ってあげますよ奥さん」。
「はい、宜しくお願いします」。
美保は満足そうにニッコリ笑うと両手を前に合わせて頭を下げた。そして用事を済ませるとスーパーに寄って食糧を買い、電話ボックスに二人で入った。
そして三日振りに真田貴明の携帯に電話した。そして直ぐに切り、掛け直すと待っていたかのように出た。
「はい、真田です。電話がこないので心配していました」。
「今から直ぐに京都へ帰って家にいろ。今夜から電話に出て良し。作戦は成功した。明日からは合図はしない。
警察から知らせがあったら堂々としていろ。それから父親の通帳から引き降ろした現金の事だが、軽井沢からツバメ急便の左京区営業所止まりでお前宛で送ってある。
取り合えず入金しておけ。包み箱は家の中で灰にしろ。後で必要な額は請求する。決して裏切るな」。
「はい、有り難うございました。警察には絶対に見破られるような事はしません。余計な事は喋りません。有り難うございました」。
そして電話を切ると別荘に帰った。日が落ちて月の光で照らされた林道を抜けて別荘に通じるフェンスの前で車を止めた。
美保は鍵を持ってフェンスを開けた。そして車が入るとフェンスを閉めて車に乗り込んだ。車のヘッドライトには無数の虫が群がって飛んでいた。美保に止まったのか、しきりに払い落としていた。
そして荷物を抱えて別荘に入った。
「もう、虫が止まって。あっ、黄金虫だ。こんなのがいっぱいいるんだね。カブト虫もいるかな」。
「うん、沢山いるよ。コナラやクヌギの樹液の出ている所に集まってるんだ。後で見に行こうか」。
「うん、でもこんな暗くて虫っているの」?
「カブト虫は元々夜行性だからね、昼間もいるけど夜になると地面や腐った切り株の下から出て来て樹液を吸うんだ」。
「そうか、カブト虫は夜行性なんだ。ねえタヌキって虫も食べるの」。
「食べるよ、タヌキは雑食性だから食べない物はないくらい何でも食べる。だから飼うには楽だよ。家の掃除さえ小まめにやれば気になる臭いもしないし。まあ気に入れば小屋に住むさ。この森にはリスもいるぞ。ムササビもね」。
美保は料理を作る手を止めて話に夢中になっていた。そして米を研いで炊飯器にセットした。そしてご飯が炊けるまで京平の隣に座ってテレビを点けた。
そして時計を見るとNHKに変えた。ちょうど七時のニュースが始まって二人は会話もなくじっと見入っていた。
しかし、二人が密そかに願っていたニュースは終わるまで流れなかった。ほっと胸を撫で下ろした美保は京平の手を握った。
「まだ見付かってないね。明日かな?・・その次ぎの日かしら」。
「うん、三日だろうな。置き去りになった車を不審に思った管理事務所の人間が辺りを調べ始めるのは二日か三日。
でも車にはキーを付けたままだから誰かが見付けて盗んでくれればもっと時間稼ぎが出来る。それを見越してキーを抜いて来なかったんだけどね」。
「え~ッ、あんな状況で誰かに見付かるかも知れない時間で!・・まさかそんな事まで考えていたなんて。適わないわね。
私はライフルを片付けて薬莢を拾ってから合図を待っているあいだ、誰かに見付からない事だけを考えていたもん。凄いよ京平さんは」。
「美保、それが当たり前だよ。それが普通だからね。ただ僕は真田が仲間を呼んでいたと分かった時に色々な事を想定して考えていたから、行動が取れただけだよ」。
「じゃああの人達が来る事も分かっていたの」?
「うん、でも一台の車で六人が来てくれるとは思わなかった。二台か三台でくる事を想定していた。嬉しい誤算だったよ。
美保、あのワンボックスは京都ナンバーだったよ、奴等は一台で来たんだ。それで軽井沢の駅か近所に車を入れておいたんだろうな。美保、明日の軽井沢の天気は」?
美保は新聞を取りに行くと広げて週間天気予報の蘭を見ていた。
「今夜から雨だって、もう降っているかも。明日も午前中は雨で午後から晴れるって。天気がどうかしたの?・・・」。
「最高だ。僕等の痕跡は雨で流されて完璧に消えるって事だよ。それに草が延びて死体の発見も遅れる。言う事ないな」。
「そうやわ、それに鉄鋼弾は突き抜けて地面深くめりこんではるし、炸裂弾からもライフルの特定は出来へんし。何も可もハッピーやわ」。
そんな話しをしていると、ピッピッピッと炊飯器が知らせた。二人で合わせたようにスッと立つと台所に立った。
美保は味噌汁を作り、京平は肉を焼き、二人でサラダを作ると遅い夕飯を取った。そして食事が済むと、残ったおかずと買って来たドックフードの袋を開け、二頭のタヌキの餌を洗面器に入れて庭に出た。
庭を照らすサーチライトの中で美保は二匹のタヌキを呼んだ。
「マツ~、カエデ~、ご飯よ~っ出てらっしゃい」。と、二度三度と呼んだ。そして獣道をじっと見ていた。すると、遠くからガサガサと枯れ木を踏む音がして現れた。
そして美保の差し出した洗面器に近付くと止まった。そして用心深く寄って来ると二頭並んで洗面器に顔を突っ込んで食べていた。
美保は満足そうにそっと離れると部屋に入った。そして窓越しから食べて姿を一緒に見ていた。「可愛いわね」二人は何時までも見ていた。
そして食べ終わって二頭の狸が森に帰ると洗面器を取りに行き、庭の水道で洗って明かりを消した。
そして十一時を過ぎると玄関の明かりが一つ、部屋の明かりは消えた。
翌朝、二人は電話で起こされた。見ると八時を回っていた。京平は寝室の電話を取った、それはインテリア店からだった。砂利を運ぶと言う電話だった。
美保はその事を聞くと急いで支度をして自分達の食事は後にタヌキ達の食事を用意して先にやっていた。
それは、ブルドーザーが入って庭を整地する、大きな音でタヌキが怖がって出て来ないと思った美保の優しさからだった。
NO-48-9

小説・鉄槌のスナイパー・二章・NOー(47)&CG

2008-09-18 18:20:13 | 小説・鉄槌のスナイパー(第二章)
小説・鉄槌のスナイパー・二章・NOー(47)&CG

そんな背景をばっくに二人は記念写真を何枚も取り、そして観光客に頼んで撮って貰った。
そして、撮って貰った観光客に交じって写真を撮り、住所を聞いていた。
「じゃあ出来たら送りますね」。と愛嬌を振り撒いていた。そして駐車場に戻ると街へ降り、コインランドリーを探し、そして持って来たサイクルウエアーと迷彩服も全部洗った。二人は洗濯機が回っているあいだ隣の喫茶店にいた。
そして時間を見て出ると洗濯は終わって乾燥も終わっていた。
京平は美保に教わりながら洗濯物を畳むとロッヂに帰った。
「美保、帰ろう。支度しておいてくれ。僕は小山に話して来るから。それから融資の事だけど受けていいね」。
「うん、でもなんて言って帰るの?・・・」。
「初めから一日だけの宿泊だから特に理由は言わなくてもいいさ、聞かれたら、美保が別荘のタヌキが心配だからって言うさ」。
「ウフッそうね。マツにカエデが待っているからね」。
ロッヂに戻るとレストハウスへ行った。そしてオーナーの小山に話していた。
「そうか、もう帰るのか。俺は夕飯は食べてってくれると思った。じゃあマツとカエデに宜しくな」。
「うん、それから融資の事だけど。OKだ。家に帰ったら直ぐに用意するから。連絡入れるよ」。
「悪いな紺野、一応借用書と担保に入れる物件の書類作っておく」。
「分かったよ、要らないって言っても聞くお前じゃないしな」。
そこへ支度を済ませた美保が入って来た。
「小山さんお世話になりました。また遊びに来ます」。
「いいえ、今度はゆっくり遊びに来て下さい。融資の件有り難うございます。頑張りますよ」。
「はい、じゃあ失礼します」。
こうして二人は自転車を積むとロッヂを後にした。
そして学生や老若男女で賑わう町を後にして一路松本へ向けて走り出した。
その途中、京平は軽井沢土産を幾つか買うと店から宅配用の箱を貰った。そしてその中に現金三百万を封筒に入れ、土産と一緒に箱に詰めた。そして梱包して宛名を書くと京都の左京区の営業所止めで送った。
そして氷と飲み物を買い込んでクーラーに入れた。そして国道18号線に出て、御代田町から141号に入り、佐久市から臼田町、八千穂村小海町と走り、小海町に入った。そして松原湖方面へと右折し、国道299号線へと入った。すると、暫く黙っていた美保が口を開いた。
「ねえ京平さん、人間って大の大人でもあんなに体が吹っ飛ぶんだね。私驚いちゃった。どうだったの?・・・」。
「うん。全員頭を一発で打ち抜かれていたよ。空き地に一滴の血も落ちてなかった。美保は四発、僕は三発。完璧だった。
それに全員がバラバラに雑木林の中へ転がり落ちていたから、よほど良く見ないと見付からないよ。だから車は乗り捨てられたと思うだろうね」。
「変なのよね、あんな事したのに全然罪悪感がないの」。
「うん、僕もだ。それより達成間、やり遂げたって感じがしている。あの六人だって録な事はしてないさ。全員ヤーさんみたいだったじゃないか。喜ぶ人がいても泣いて涙を流す人は少ないさ」。
「うん、私もそう思う。あのとき皆んな何が起きたのか分からなかったみたいね。ただ倒れて行く人を見て呆然として動かなかったもの。不思議な光景だったな。あれって恐怖で動けなかったのかな、それとも訳が分からなくて呆然としていたの」。
「うん、恐怖と言うよりなんで倒れたのか分からなかったんだろう。それに僕等の撃つのが早かったから。ほんの数秒だったからね、全員を倒すのに掛かった時間は。これで敵討ちが出来たね」。
「うん、真田をあれだけ怖がらせて始末が出来て友世も幸子もきっと天国で喜んでくれていると思う」。
美保は涙声で言葉を飲み込むように、そして納得するように、そう自分に言い聞かせるように話していた。
そしてクーラーボックスに手を延ばし、ジュースを取るとニップルを外して一口飲むと京平に渡した。そして一口飲むと美保に渡した。美保はドリンクケースに入れるとダッシュボードを開いてクラシックのCDを出すと掛けた。
ショパンの夜想曲が流れ、ピアノの音色が響いていた。
こうして白樺とカラ松林の合間を走る蓼科高原を真夏の日差しを浴びながら茅野市に出た。高速に入り、豊科料金所で美保を見ると、顔を運転席に向けて眠っていた。
そして一般道に出るとカーブには気を使い、起こさないように走った。
そして青木湖辺りに来ると後ろからパッパ~ッとクラクションを鳴らされた。
ルームミラーを見るとBMWだった。
京平は左に寄って道を空けた。するとまたパッパ~ッと鳴らした。
美保が目を覚ました。
「なあに、後ろの車クラクション鳴らして?・・・」。シートベルトを外すと後ろに身を乗り出して見た。「あっ、お義父さんだよ。左に止めろって」。
京平はウインカーを左に出すと空き地に入って止まった。すると父も縦走して止まった。そして降りると父は後ろに固定して自転車を見ていた。
「美保さん車借りているよ。京平、自転車が落ちるぞ。留め金が緩んでいる。美保さんどうだったかな軽井沢は」。
「はい、昨日の午後は雨になっちゃって。ロッヂにいました」。
「そうか、こっちは降らなかったよ。自転車買ったのかね」。
「はい、少し高かったけど。前から欲しかったんです」。
「うん、此れはいい自転車だ。ロード専用の車だね。京平、それで小山さんの所はどうだった」?
京平はありのままを話した。そして融資する事も話した。すると父は浮かない顔をしたが頷いていた。
「まあ、お前たちが決めたのなら父さんは何も言わないよ。それから美保さん、明日車を取りに来るそうだから出す物があれば出しておきなさい」。
「はい、有り難うございます。でも特に大事な物はありませんから」。
「じゃあこのままだすからね」。
「頼むよ父さん、別荘の庭と道筋に石を敷くけどいいよね」。
「そうか、雨の時はぬかるからな。分かった、請求書は父さんに回しなさい。それ位は父さんが払ってやるから」。
「いいよ、自分が好きでやる事だから。それから庭にバーベキューハウスを造る。十八日には帰るから」。
「分かった、美保さんに無理させるなよ、じゃあ行くから」。車に乗り込むと先に帰って行った。
「お義父さんって物分かりがいいね。私の父とは大違い。行こう」。
そして白馬のインテリアの店に寄った。そして設計土木全般を経営している主人に庭と道筋に砂利を敷いてバーベキューハウスを造る事を話した。
NO-47