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小説・鉄槌のスナイパー・二章・NOー(56)&CG

2008-09-25 03:31:46 | 小説・鉄槌のスナイパー(第二章)
小説・鉄槌のスナイパー・二章・NOー(56)&CG

「皆んな、大変な事になった。私達のして来た事を或組織に知られてしまった。端的に言うと、今まで威し取った金を全額女性たちに返済しろと言う事だ。もし、他言したり身を守る手立てを講じた場合は真田とあの六人と同じ目に会うと言う事だった」。
すると五人の目付きが一斉に変わった。お互いに目を伺い、疑心暗鬼になっていた。
「宮田、それでお前はなんて答えたんだ」。
京都から飛んで来た佐野産婦人科の佐野良晴は宮田の顔を覗き込むように見るとドサッと椅子にもたれた。
「決まっているだろ、言う事を効かない訳にはゆかないよ、私はもう半数の女の口座に振り込んだ。誰だか知らないが、何処の女から何月何日幾ら受け取ったのか詳細に調べ上げていた。
それも、威した内容まで事細かく知っていた。それにこのホテルで六月に死なせてしまった女子大生の事まで知っていた」。
「それは真田を殺した奴に間違いないんだな」?
同じ横浜で開業している産婦人科の前田貞夫は縁のない眼鏡の下から鋭い視線を宮田に浴びせた。
「間違いない、真田が白馬に私達を呼び付けた事も知っていた。それに、用心棒の名前を言って帰った事も知っていた。
その二つの裏切りの為に真田は殺されたんだ。そう言っていたよ。彼等の言う通りにすれば約束は守るとも言っていた。
真田は色々と策を練り過ぎたからな。だから見ろ、息子や奥さんには手を出してないじゃないか。女達に金を返してもう止めようじゃないか」。
「宮田、お前怖じけづいたのか。俺は戦うぞ、せっかく命掛けで悪行とは知りながら手を染めてここまでやって金を溜めたんだ。総合病院を建設する目標はどうする。
嫌だと断った私をだ、貴様等が強引に私を仲間に引き入れたんだぞ。警察に捕まるのも、その組織と戦うのも同じだろ」。
東京で開業している美容整形外科の吉原信次は目くじらを立て、椅子を蹴飛ばした。そして腕を組むとそわそわ会議室を歩き回っていたのだった。
「おい、吉原。お前一人が逆らえば我々全員、いや、家族まで殺されるぞ。
お前それでも良いのか。金さえ返せば後は知れている。あの電話をして来たのは組織のボスだと言っていた。話しの内容からも信用出来る人物だと私は見た。
そのリーダーは正直に組織を運営して行くには大金がかかるとも言っていた。だから経費を払って見逃して貰おうじゃないか」。
「宮田、お前はその組織の回しものじゃないのか」?
「おい、止さないか。吉原それは言い過ぎだぞ。仲間割れしてどうするんだ。ドケチで傲慢な宮田がそう言っているんだ。宮田は銀行から金を降ろしてもう返しているんだぞ」。
「新田、有り難う。その事はいい、それより余計な事はしないで返そう。それが我々の身と家族を守る事になるんだからな」。
「俺は戦うぞ、田口、佐野、前田、新田、おまえ達はどうする。宮田の意見に賛成なのか。奴等は金が目的なんだ。俺達を殺したら金にはならないんだぞ。奴等に我々を殺せる筈がないさ」。
「吉原、こうも言っていた。もし人を雇った事が分かった時は商談は解消。リストは警察に送るって。あれは嘘や冗談じゃなかったよ。お前の勝手な行動で私達は終わりたくない。どうだ皆んな」。
すると、反対する吉原を全員が睨みつけた。その鋭く光る眼光には殺意にも似た冷たく見下すような目だった。
吉原信次は一瞬後ずさりしながら椅子の背を持って座った。
「分かったよ、返せば良いんだろ。総合病院を諦めればいいんだな、クソ~ッ、でも真田は何処の誰に目を付けられたんだ」?
「きっと息子の彼女を殺した事で組織に睨まれたんだろう。真田は一年半前にも息子の付き合っていた女を凍死させているんだ」。
「おい宮田、それは本当か?・・・皆んなも知っていたのか!・・それで、その事を息子は知っているのか」。
「いや、知らないだろう。女は息子に振られた事を苦に自殺って事でけりが着いているからな。真田と言う男は残忍な男だったからな」。
「そうか、じゃあ真田は殺されても当然だな。墓穴を掘ったのさ。しかしだ、真田はその皆んなのリストを組織に渡したって事か?・・・
いや、警察の家宅捜査では何も出なかった筈だ。もし出てれば私達はこうして居られないからな。それか息子か?・・・」。
「それはないな、そんな事したら残された病院も閉める嵌めになる。真田が渡したとしか考えられない。それか、その組織独自で調べあげたか。いまとなってはもうどうでも良い事だ。私達六人は訳の分からない組織に目を付けられたって事だけは確かなんだからな」。
「それで、組織の条件は?・・・」。
「さっき話したろ、ともかく二日と半日。七日の昼迄に金を全額返済しろと言う事だ。遅れた場合はその時点で商談は打ち切り、リストは警察に届くそうだ。だから金が目当てではないと言う事だ。一番始末悪いぞ。金は要らないと言うんだからな」。
「エ~ッ二日半かっ・・・」
すると宮田の携帯が突然鳴り出した。全員驚いてを身を反らした。
「はい、宮田です」。
「俺だ、どうかね。皆さんお集まりのようだが。話し合いは捗っているかな」。
「は、はい。いま全員揃って話を進めている所です」。
宮田は携帯に指を指し、組織から電話だとメモに書いた。残りの五人は宮田の廻りにそっと足音を忍ばせて集まった。
「そんな事は分かっている。班長さんは早速返金している様だな、結構な事だ。皆んな聴いているか」。
「はい、その通りです」。
「よし、呼んだら返事をして二度とこのような事はしませんと誓え。田口 」
「はい、二度と女性を騙して金を脅し取るような事はしません」。
佐野っ!
「はい、田口医師と同様二度とこのような事はしませんから許して下さい」。
吉原っ!
「はい、佐野医師同様二度とーこのような事はしません、許して下さい」。
新田っ!
「はい、吉原医師同様二度とこのような事はしませんから許して下さい」。
前田っ!
「はい。新田医師同様二度とこのような事はしませんから許して下さい」。
宮田っ!
「はい、前田医師同様二度とこのような事は絶対にしません、許して下さい」
「よし、お前達六人は誓約書にサインしたと同じ事になった。では会合は終わりにして早く帰って返済の準備を進めろ。
宮田から聞いての通り、ただ今から二日。十月七日午後十三時までに返済しろ。一人でも遅れた場合は商談は不成立になり、リストは警察に届く。残念ながら我々の組織への献金は諦める。しかし、外にも献金をさせて欲しいと言う奴等は大勢いるからね。では二日後に声を聞かせて頂く」。と切れた。
「おい、なんて奴だ。こんな若造に嘗められて良いのか」。
「吉原、お前死にたいのか。もしお前が逆らうと言うなら私がお前を殺すぞ。お前一人のせいで私達は死にたくないからな。家族も守りたい。それでも逆らうか」。
宮田のその言葉に外の四人の医師たちは椅子から立ち上がった。そして吉原信次を取り囲んだ。
「分かった、約束する。言われた通りにするよ。私達の完敗だな」。そして医師達はホテルを出ると個々に帰って行った。
その頃、美保と京平の二人は長野市に向かっていた。
NO-56-32


小説・鉄槌のスナイパー・二章・NOー(55)&CG

2008-09-25 03:28:30 | 小説・鉄槌のスナイパー(第二章)
小説・鉄槌のスナイパー・二章・NOー(55)&CG

看護婦は返事をしたが声からしてえらい不満そうな受け答えだった。するとすぐに宮田輝雄が電話口に出た。
「はい、宮下です。真田先生の事とはどのような事でしょう」。
「貴様等ずいぶん卑劣な事をしているな。七月三日、佐伯友美銀行員二十歳、250万、七月十日、中村利江二十三歳OL200万。七月十七日、御崎静加二十七歳、佐乃運輸OL300万。
卑劣なのは六月七日、ホテル横浜3017号室。新村加奈十九歳短大生。田口、佐野、宮田、前田、吉原、新田お前ら回して乱暴して殺した。
此の三ケ月で数十人もの女性をオモチャにして殺しているな、卑猥な写真やビデオを撮って揺すり恐喝。貴様は外道か!っ」。
「ま、待て。待ってくれ。貴方は誰だ」。
「貴様、言葉には気をつけろ。俺か、俺達は真田茂を処刑した組織の代表だよ。さて、どうしたもんかね宮田院長先生よ」。
「か、金が目的なのか。金なら幾らでも欲しいだけやる、だから頼む、見逃してくれ」。
「貴様は誰に向かって口を効いているんだ。今も言葉に気を着けろと言ったばかりだろうが!」。と業と声を荒げて美保を見るとペロッと舌をだした。
「も・申し訳ありません。幾ら融通したら宜しいでしょうか」。と声が振るえていた。
「そうだ、善い子だ。確かに組織を運営して行くには大金が必要だな」。
「幾らでもお支払いしますから、どうか見逃して下さい」。
「では条件を伝える。仲間六人で女性から巻き上げた金を総て返済しろ。返済した事が確認が取れたら時点で連絡する。
お前が窓口になれ。分かったな。期日は二日、半日でも返済が遅れたときは、この取引は終了し、リストは警察に届くぞ。そうなればお前等全員、間違いなく死刑だな。
断っておくが、万が一用心棒を雇ったり、六人以外に話した時も真田と用心棒の六人のように死ぬぞ。お前等が白馬のみそら野に集まっていた事は調べが着いているんだ。
我々の組織は警察なんか目じゃないぞ、我々の組織力と強硬な行動力は。その代わり素直に行動して従えば神に誓って守る。信じるか否かは貴様等の勝手だがな。真田は二度ほど我々を裏切った。
お前等も知っているな。知らせるなと言うのを貴様等に知らせて用心棒を雇った。選択は死しかなかったと言う訳だ」。
「分かりました、今から連絡を取って皆なに伝えます」。
「もし、俺の話を録音してるならテープは捨てろ。殺されるぞ」。すると、ガチャガチャと録音スイッチを切る音がしてテープを外す音が受話器を通して聞こえていた。
「す、済みませんでした。いまテープを外して。いまライターで焼いています。二度としませんから許して下さい」。
「それから家族の事だが。娘の幸子は可愛いよな。貴様の動きで元気な姿を見れなくなるぞ。何を意味しているか分かるな」。
「は、はい。分かります」。
「その事を良く仲間に話しておけ。一人でも約束を敗った事が分かった時点で我々との取引は消滅する。それはお前等も元より家族や親戚に至るまで世間の冷たい眼差しの中へほうり出される事になる。
何より今まで築き上げてきた信用も人となりも地に堕ちる、辛い事になる。すぐに連絡を取れ。我々は近くで観ているぞ、六人全員を。二日後に電話する」。
京平は少し強い口調で言うと。そっと受話器を置いた。
「どう、困った顔が目に浮かぶわね」。
宮田は院長室にいた。京平からの電話が切れてもいつまでも受話器を手に耳に充てていた。そして思い出したかのように次々と電話を入れて招集を掛けた。
宮田輝雄は青ざめた顔をして白衣を脱ぎ、金庫から預金通帳と秘密のファイルを手にすると副院長に任せて早速出掛けて行った。
ファイルには、いままで揺すり取った女性の名前と住所が書き込まれていた。
銀行に着くと威し取った金額総てを降ろし、利子分と含め一億の現金を降ろした。銀行の支店長は困惑の眼差しで宮田を見送った。
それと言うのもケチで傲慢な宮田が落ち込んでいたからだった。
そして外の金融機関に寄ると、数件ずつに分けて女性の口座に振り込んでは、次々と返済して行った。
そして昼になり、午後二時になるとホテル横浜に向かった。
すると、知らせを受けた医師五人も相次いでホテルに到着し、ホテルの小会議室に集まった。そして椅子に掛けると宮田は口を開いた。
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