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小説・鉄槌のスナイパー・二章・NOー(58)&CG

2008-09-26 13:40:46 | 小説・鉄槌のスナイパー(第二章)
小説・鉄槌のスナイパー・二章・NOー(58)&CG

「山小屋に食糧を背負って運ぶ人の事だよ、百キロは楽に背負うからね。それに僕が扮装するんだ。僕も大学の夏休みに三年も歩荷のアルバイトやったから心配ないよ。背負う荷物には野菜くずをいれてごまかすから。
それで現金を受け取ったら普通に登る、彼等には時間を指定して出発させるからね。それでポイントへ着いたら着替えて待機する、
難所を選んで岩をライフルで撃てば驚いて谷に落ちるって計画。奴ら慣れないからきっとロープで体を結ぶだろうからね。一人落ちれば後はつづいて滑落する。もし失敗したら次の難所で落ちて貰うよ」。
「ねえ京平さん、その山は素人の私でも登れるの」?
「ああ、登れるよ。美保にも手伝って貰うから、明日町に買い物に出たら道具と服を揃えよう」。
「うん、まだ寒くないよね」。
「ああ、低山は十二月頃までは雪が降らないからね」。
翌日。十月七日、二人は昼になると買い出しに松本へ出た。
そして登山道具と服と靴、そして新しいピッキェルとザックを買った。そして小物の総てを買うと店を出た。
そして松本城へ行くとベンチに腰を降ろし、連絡の取れなかった女性に電話した。すると、銀行に振り込みがあったと言う。
京平は携帯を持つと横浜の宮田輝雄に電話した。
「はい、宮田です」。
「俺だ、御苦労だったな。女性達全員と連絡が取れた。入金の確認が取れた。良く約束を守ってくれたな。
殺した女性にも見舞金を振り込むとは少しは人間としての誇りがあったんだ。
では次の命令だ、福祉施設協会に一億八千万、ユニセフに同額。アフリカタンザニア、ナイロビに医薬品を同額寄付しろ。一人九千万ずつ、合計五億四千万。外に六人で一億二千万用意しておけ。ないとは言わせないぞ」。
「分かりました。それで期日は何日戴けますか?・・・」。
「二日だ。寄付名はユキワリ草。カタカナと漢字の草だ。いいな、寄付した事が確認取れたら電話する」。
「あっ、待って下さい。それでもう終わりにして頂けませんか。もう十分反省しています。お願いします」。
「いや、まだだ。それ位で貴様達のした行いが許されると思っているのかっ!我々はまだ許さない。二日だ、分かったな」。
「分かりました。直ぐに全員に知らせます」。宮田は力無く答えると電話を切った。
そして翌日。ニュースでは寄付したと言う報道は流れなかった。
そして二日目の期日の日、昼のニュースで流れた。
匿名でユキワリ草からの贈り物と称され、二つの組織に一億八千万が寄付され、アフリカタンザニアやナイロビで転回中の境界のない医師団には医薬品一億八千万分の薬が寄贈されたと言う事だった。二人は厨房で食事をしながらニュースを聞いていた。
「父さん、十一日に美保を連れて乗鞍へ行って来るよ。此れ以上向こうへ行くと冷えて来るからさ」。
「そうか、美保さん、気を付けてな。京平がいれば安心だ。京平には庭みたいなものだ、目をつむっていても登れるコースだから。でも二~三ケ所危ない所があるから気を付けるんだよ」。
「はい、有り難うございます」。
そして夕方、仕事を終えた二人は部屋に戻ると電話をした。すると、うんざりしたような声で宮田輝雄が電話に出た。
「今度はあの一億二千万をどうしたら良いんでしょうか?・・・」。
「よくやってくれた、此れで大勢の子供や病人が助かる。医者として此れ以上の貢献はないな宮田。
さて、此れが最後の取引になる。十一日の日曜日、その荷物を持って上高地へ行け。お前達の体力を測ってやる。足腰が弱っているだろうからな。
良く聞け、一度しか言わないからな。上高地にある中の湯温泉に朝九時前に行け。その温泉から十石小屋へ登る歩荷さんが居る。
その歩荷さんにダンボール箱に入れた荷物を渡せ。時間通り行かないと出発してしまうぞ。その歩荷さんは朗話者で口が聞けないから何を聞いても話しても無駄だ。
ただし、私達の荷物を運ぶ事は既に知らせてある。渡したら上高知のウエストン碑へ行け、十時になったら西穂山荘に向けて登山開始だ。
そして、割谷山から焼岳、安房峠を縦走して安房山へ出て、十石小屋へ行け。その小屋の裏の東の角にリストの入ったディスクを埋めておく。それで終わりになる。コピーは決して作ってない。信じるか否かはお前達の勝手だがな。
もし登山を拒否すれば終わりになる。
いままでの苦労が徒労に終わると言う事だ。拒否する事は出来ない事になっている。登山支度を始めろ」。NO-58-36

小説・鉄槌のスナイパー・二章・NOー(57)&CG

2008-09-26 13:36:19 | 小説・鉄槌のスナイパー(第二章)
小説・鉄槌のスナイパー・二章・NOー(57)&CG

長野には高速で40分程で着いた。
京平は何も云わずに電話局にはいった。そして数万円のプリペードカードを買った。そして支局を渡り歩いて三十万円分も買い込んだ。
美保は目的が分からず京平に聞いた。「こんなにどうするの?・・・」
「うん、今は駄目だけど前にプリ携を二つ貰ったのがあるんだ。これだけど」とダッシュボードを開けて見せた。
「これなら公衆電話を使わなくてもいいし、発信元が分からないからね」。
「そうか、プリ携二つも持っていたの。盲点だね。でも良くそんな事まで知っているね、でも買った時に記帳したんでしょう」。
「いいや、これはそうなる前に貰った奴だから身元は絶対に分からないよ。それに少しづつカードを買ったから不審に思われないし。
さあ、帰って二人で手分けして女性たちに電話して金が戻る事と制裁を受けさせる事を教えてやろう。その時に警察へ届けたら無になるから自分達に任せて欲しいと付け加えてくれ」。
「了解。いまからでも良いよね」。
京平は頷くと走る車から美保はリスト順から電話をかけ始めた。
「もしもし、山田美加さんですか。私はユキコといいます」。
「はい、どちらのユキコさんでしょうか?・・・」。
「実は田口美容整形外科をやっつける為にお電話させて頂きました。黙って聞いて下さい。貴方がされていた事は分かっています。
今日か明日には貴方が取られた300万のお金は戻って来ます。それで社会的制裁を受けさせます」。
「本当ですか?・・・有り難うございます。もう揺すられなくて良くなるんですね?・・・」と涙声になっていた。
「ええ、ですがこの事は隠密にやりたいので警察や知り合い、家族にも内緒にして下さい。私達が絶対に許しませんから」。
「はい、そんな事誰にも話せません。外にも大勢いるんですか?・・・」
「いいえ、まだはっきり把めませんが、今月中には明らかになります。それまでにはきっと貴方の恨みを晴らしてあげますから」。
「はい、どなたか知りませんが有り難うございます」。
こうして美保は次ぎから次へ電話を入れていた。中には逆に揺すられると錯覚して、何もなかったと電話を切ってしまう女性もいた。しかし美保は切られても何度も電話をしつづけ。納得させていた。
そして長野自動車道に乗ると豊科に向かっていた。
こうして別荘には行かず実家に帰った二人は部屋に入ると手分けして被害者の家に電話をしまくった。
そして次ぎ次とリストから名前を消して行った。
翌日、仕事の合間を見ては電話をし、そして仕事が終わるとまた電話していた。
そして二日。リストの千五百人もの被害者の女性全員と連絡を取り終えた。
そんな中、金が振り込まれていたと言う女性の嬉しそうな声が二人の支えにもなっていた。
そんな二人の行動に母は気付いて部屋のドアをノックした。
「京平、美保さん。入るわよ。こそこそ隠れて二人で何をそんなに電話ばかりしているの?・・・」。
「別に隠れてなんかないさ。小山のペンションの事だよ。僕等がペンションの修理費用を融資したろ、それで小山が返済するまでは共同経営者だから、それで美保の大学の同期や高校のクラスメートの所へ営業していたんだ。後はパンフレットを送らせるだけ。変なアルバイトじゃないよ」。
「なんだ、そんな事なら部屋でこそこそしなくても良かったのに。でもお父さんの手前そうは行かないか」と、母親はニッコリ笑うとお茶と菓子を置いて出て行った。
美保はホッとしなかせらお茶を手にした。
「でも心苦しいね、お義母さんを騙すなんて」。
「仕方ないさ、こんな事しているなんてとても話せない。知らない方がいいんだよ」。
すると冷たい風がス~ッと入って来た。美保は窓を明けていた。
「見て、京平さん。星があんなに奇麗。悪い事をしている人も泣かされてる人も同じ星を見ているのよね」。
そう言って見上げる美保の横顔が一段と美しく見えた。京平はそっと肩を抱いた。二人は寒さを忘れ、満天の星空を眺めていた。
そして窓を閉めると京平は穂高連邦の地図を机の上に広げた。
美保はカラー写真のような地図を眺めて聞いた。
「登山を始めるの、私は反対です。小山さんに助けられた話を思い出しちゃう。登山は止めて、お願いだから」。
「そうじゃないよ、あの悪徳医師の六人に低山を登らせるんだ。僕は登山は懲りているからね」。
「うん、だったら良いけど。それでどうするの」。
「きっと約束は守ってお金は返済した筈だから、今度は一人九千万づつ用意させて福祉施設とユニセフ、エイズ撲滅基金に三千万づつ一億八千万づつ寄付させる。この間のお金は寄付出来なかったからね。それから最後に二千万づつ一億二千万をユキワリ草の費用として寄付させる」。
「うん、でもどうやって受け取るの?・・・」。
「もう考えてあるよ、全員に上高知に来てもらう。それで十石小屋へ行く歩荷さんに用意した金をダンボール箱に入れて渡して貰うんだ」。
「ぼっかさん?・・なあにそれ?・・・」
NO-57