つれづれなるまま(小浜正子ブログ)

カリフォルニアから東京に戻り、「カリフォルニアへたれ日記」を改称しました。

ちょっと感動した話

2012-11-22 12:41:26 | 日記
最近、「災害とジェンダー」(丹羽雅代著、『ジェンダー史学』第8号、2012年)という論文を読んで知り、ちょっと感動したこと。
ソウルでは水曜日ごとに、元「慰安婦」への日本政府による謝罪と賠償を求めるデモが行われており、先頃1000回を超えた。昨年、3月11日の東日本大震災後の最初の水曜デモの際、元「慰安婦」のハルモニたちが「被災した人たちが気の毒だ・・・なんとか被災地の女性を元気づけたい」と封筒にお金を入れて支援者たちに託し、募金活動を促されたという。
このおばあさんたちは、日本政府には厳しく謝罪を求めても、それと日本の苦労している人たちとを峻別し、いち早く後者に寄り添う行動を取られている。
このお金を託された日本の女性たちは、被災した女性のための「P(パンツ)プロジェクト」を考えだした。着の身着のままで被災して、プライバシーの確保されない避難所に暮らす女性たちに、自分が使いたいと思うサイズいろいろのパンツに、ともにいるというメッセージと安全カードを添えて、ひとつずつきれいにラッピングして贈る、というプロジェクトだ。避難所暮らしは、着替えの下着もなく洗濯もままならないだけでなく、場合によっては性暴力を含む安全への脅威も発生しかねない(残念なことに阪神淡路大震災の際に少なくない性暴力が発生したのは、あまり知られていない事実だ)。そのような女性たちを支え、極力安全で快適な暮らしの環境を整えて、復旧へのステップを踏み出せるように、と考えられたプロジェクトなのだ。
「慰安婦」の問題を問い続けることは、前向きのアジアの人々とのつながりを紡ぎ出すのだ、とは先日の「大娘(ダーニャン)たちの戦争と記憶」のシンポジウムでも感じたことだが、韓国のハルモニたちの行動に敬服した。