母に認知症の徴候が現れ始めた、日常の家事、雑務を放棄してしまったのだ
(実家の事を何もしない弟の生活態度に嫌気が差したのだろうと自分は推察するが)
結果、実家では父が、家事全般を行う事になったが、元々、家事全てを母に委ねてきた高齢の父に、
それら雑務を切り盛りする事はできず、
弟も、流石に必要に駆られてか、お弁当等を手配してくれた様だった
弟なりに頑張ってくれたと思うが、頑張る所が違ったように思う
突発的な事象、イベントには、弟はとてもよく対処してくれた
母の日等には、プレゼントを贈るのは当然のようにしてくれたし
寄席等にも、両親を連れていってくれたようだった
突発的イベントの象徴的出来事だが
認知症が出始めた母が、健康器具のルームランナーを購入したが、玄関に置いただけで
まったく使用しない
邪魔なので父が処分したところ母は、「今、使おうと思っていたのに」と癇癪を起こし発狂
見かねた弟が、夜中にマラソン仲間に連絡し高級なルームランナーを数十万の言い値で譲って
もらって玄関に設置したらしい、、、無駄とは言わないが
そんな努力は不要である、ほっとけば疲れて朝には治まってるだろうに
ソレよりも日常生活における、玄関の掃除をヤレと自分は思うのだが、日常の雑務、特に
掃除関係は、何故か頑なにまったくやらないのだった
もう7年程前になるか?
見かねて、自分が地域包括支援センターに相談したが、高齢の両親だけの世帯なら介護保険で
ヘルパーを使えるが、弟が同居しているとソレは難しいとの事
確かに、弟が躁鬱病とは言っても身体は健康で公務員として働き、週末マラソンを楽しむ健常者だ
そんな働き盛りの者が同居している状況で、掃除が出来ないからと介護保険でヘルパーは、自分の
心理的にも頼みずらかった
なら、弟に実家を出てもらえば(自分も、ソノ方が介入しやすいし)と思いそれと無く父に促したが、
ソレは絶対にしなかったし弟も最後まで実家を出る事はなっかった
それが両親を心配した弟の優しさなのか?勇気がなかったのか?単なる優柔不断だったのか?
自分には理解できなっか
今、思えば自分が何とかしなければいけない状況だと思うが、
自分が世帯主(もしくは成る予定)なら自分がするが、そうでないなら頼まれない限り普通はしないだろ
それが常識だ「分かれよ」と心の中で叫んでいた、特に父に向かってだったと思う
自分がふらふらしていて経済的にも安定しないので、父は公務員の弟に家を託したかったのだろう
(自分も、その方が気楽でいいと思ったのも事実だった)
だが
実質的な世帯主であるはずの弟には届かず、家の事、特に掃除はまったくしなかった
忙しくて出来ないなら、お手伝いさんを頼むなりして、管理すべき状態だったが、その気もない
弟はソレについて悪気があるわけでもなく、実家では本当に小学生の様な感覚で暮らしていたように思う、
その視点で見れば、全ての事は両親がやってくれる訳だから弟の態度にも納得はいく
現実はソレを許さない状況だったのだが、躁鬱病を理由に父はソレを許していた
ソレが愛なのか?ソレが可愛くてしかたなかったのか?だたのめんどうくさがりの逃げなのか?
自分には不明だが
いずれにしても弟に世帯主としての自覚は、まったく芽生えなかった
お手伝いさんと言わず、自分に「バカ兄貴、実家の手伝いに来い」と言えば、いくらでも
行くつもりはあったが、世帯主の自覚無しの弟は、当然、自分への協力要請もしない
いくら実家とはいえ、弟が継ぐ事になっているところを、自分が弟以上に積極的に関与する
ことは筋ちがいだし、
何より現に自分は東京のマンションに暮らしていてココ(実家)には年に数十日立ち寄る程度なのだ、
それで弟より積極的に実家の事を考え掃除するなど、バカらしくてやってられない
自分は、弟の世帯主としての自覚の無さに苦慮し、一応、自覚する様に態度でしめしていた
つもりだった、、、「何もやらないなら、出て行け」との態度である
世帯主の自覚を持つにはコレ(一人暮らし)が一番であると思ったからだが、父が、ソレを嫌がった
「俺がやるから、これでいい」と言わんばかりの態度を取るのだった
「なら、俺は知らないから、勝手にすれば」
と大人気なく心の中で毒づきながら、自分は東京へ戻るのだった
こうして実家は、経済的には(弟は公務員として勤務していたし父も公務員だったので退職後の
年金もそれなりにあったようなので)困窮していなかったが、生活の質は年々急速に低下していった
だが、ソレは外で暮らす自分が見て、その様に思うだけであって実家で暮らす本人達は、まったく
そうは思ってないのだ、まったく掃除しないのは普通の日常なのだ、正に悲劇を超えて喜劇である
と家族の中で、自分だけが、思いより実家から遠ざかるのであった
つづく