12・10・1
ニヤニヤッと笑うだけ
熱が下がりさえすれば
至って元気な患者さんだった。
午前と午後、
点滴の時だけは患者らしくしていた。
時々病院を抜け出し、近くの本屋に行った。
なるべく厚い文庫本と云うだけの選択肢で買った
渡辺純一の小説を読んでいたら
膠原病で悩んでいる女主人公が
病気を悲観して自殺する。
実は自殺する原因は他にあるのだが…・・・・
どうやら膠原病は不治の病らしい……
回診の際
そのことを医者に聞くと医者は
ただニヤニヤッと笑うだけ、私の場合、
不治の病か、治りうる病気なのか判然としない。
死に至る病かも知れない・・・