12・10・5
見ず知らずのお年寄りに・・・
「お便りボランティア講座」が終了、
公民館側からサークル活動として継続して欲しい、と
申し出があり
特別養護老人施設、慈祐苑に入居する50名のお年寄りに
毎月はがきを差し上げる活動が始まった。
7人の会員が7,8通のはがきを書く、
生年月日と名前、性別だけの情報で何を書いたら良いか・・・
皆目見当がつかない…
同じ屋根の下住むお年寄り、
同じ文面、一律の文章と云う訳にも行かない。
まだ、絵手紙っていう言葉もない時代、
こんにゃく問答のような議論がしばらく続いた。
ふと漏らした、
「外出機会が少ないお年寄り・・・」
その一言で、
「外出機会が少ないお年寄りに外の話題を・・・」
と云うことで一件落着した。
私の場合、外の話題の連想から季節を・・・
季節の連想から俳句の歳時記を思いついた。
本屋の書棚から本の厚さと価格という選択肢だけで
適当に選んだ歳時記が
水原秋桜子編「俳句小歳時記」だった。
偶々この歳時記を選んだことに
相当な幸運があった。
やがて詩に誘われる素地があった。
だが、そのことに気が付くのは
10年以上経てからのこと、
7,8通りのはがき文を書くネタ本として
誠に重宝していた。
季語の説明文を読み例句に目を通す。
俳句を読むためでも詠むためでもない気楽さがあって、
例句に目を通すのも億劫じゃない。
だいたいが分からない句、
時々分かる句に出会う。
そうした句に出会うとその句を手掛かりに
他の句も読める、わかる。
少しずつ俳句が身近になってくる。
季語の説明文を読み例句に一通り目を通して
はがき文に引用できそうなフレーズを
2つ3つ書き抜く。
書き抜いたフレーズをくっ付けたり
入れ替えたり、
適当に言い換えたりする、
オヒレハヒレを足したり引いたりすると、
3,4行のはがき文は造作なく書ける。
水原秋桜子編「俳句小歳時記」さえあれば
7,8通のはがき文はわけなく書ける。
書くことが億劫じゃない、という特性が身についた。