「池袋に行ったのいつだっけ?」
「昨日だよ」
「池袋というと、昔『北見と柄本明』の芝居観にサンシャイン劇場に来たの思い出す。
懐かしいなあ、ん~」
「池袋」というワードが父の思い出を甦らせてしまった。
昨日出かける前から
「どこに行くんだっけ?」
「池袋だよ。」
「池袋というと、昔『北見と柄本明』の芝居観にサンシャイン劇場に来たの思い出す。
懐かしいなあ」
電車の中でも
「この電車はどこに行くの?」
「池袋だよ。」
「池袋というと、昔『北見』と『柄本明』の芝居観にサンシャイン劇場に来たの思い出す。
懐かしいなあ、ん~」
おまけに食事をした店からサンシャインビルが見えてしまって・・・。
「あっ!あれはサンシャインビルだねえ。懐かしいねえ。言ったっけ?昔『北見と柄本明』の芝居観にサンシャイン劇場に来たこと?」
帰った後も夫に
「池袋に行ったら、『北見と柄本明』の芝居観にサンシャイン劇場に来たの思い出してねえ。懐かしいなあ、ん~」
と嬉しそうに何べんも話していた。
夫は優しいので、うん、うんと聞いてやっているうちにその芝居は三国連太郎主演で
父の親友だった北見治一さんと、まだ若かった柄本明さんが出ていたということがわかった。
北見さんは文学座だったから柄本さんではなく江守さんと間違っているのだろうと、
実は思っていたのだが、父の記憶は間違っていなかったのだ。フ~ン。
そして今日、父と車椅子をに乗っけて、近くの公園に行く途中。
「あの橋みたいな上を走っているのは電車?」
「そうだよ、昨日乗った電車だよ。」
「ああ、昨日池袋に行ったんだったねえ、池袋といえば・・・・」
初めて行ったその公園は予想以上に広大で、林と広場とジョギングコースの他は
何も無い!みたいな自然たっぷりの心地いい空間。
木漏れ日の中の散歩を愉しんだ。
そして帰宅後・・・
「今日行った公園は何て言ったっけ?」
「樹林公園だよ」
「いやあ、いい公園だったねえ!感動しちゃった!樹林公園と言うだけあってあの木々のすばらしいこと!」
「あとビックリしたのはどうみても70歳ぐらいの人がたくさん走ってたことだよ!スゴイねえ!」
この調子で数十分ごとに樹林公園の話が繰り返された。
明日になったらどっちが残るのだろう?
サンシャイン樹林公園