夕べのこと、階下から猫に話してかけてる優しい声がかすかに聞こえてきた。
風呂から上がった夫の声かと思っていた。
まったく猫なで声にもほどがある・・・と笑ってしまった。
しばらくして夫がまん丸な目をして部屋に入ってきて、
「いやあ、びっくりした!おじいちゃんがヒョイヒョイ歩いてトイレに行ってたよ。
杖もついてなかったしシッカリした足取りだった・・・
話し声も顔つきも以前のオジイチャンに戻ってた!」
じゃあ猫と話してたのは?
「おじいちゃんだよ、風呂から出たら上機嫌で猫と遊んでた。全然よろよろもしてないし、
ツツツツーって部屋に入ってった。 あれって、何なんだろう」
今朝はもういつもの父に戻っていた。
私もその奇跡(?)を見てみたかったな。
アルツハイマー型認知症の症状は人によって多少の相違があるのかも知れないが、
歩行困難というのも典型的な症状みたいだ。
父の場合、感情が安定しているときは歩行も安定している。
反対に自分の意見が通らなかったり、自分の間違いに気がついたり・・・
要するに傷ついた途端足元がくずれヨロッと倒れこんだりする。
昨日の夜中、父は幸せな夢でも見たのだろうか?