オオカミになりたい(遺言)

ずっとそばにいるよ

月百姿 金時山の月

2017-07-07 | 月百姿

月岡芳年 月百姿

『金時山の月』

明治二十三年印刷

 

静岡県駿東郡小山町の金時神社の伝説によると

生誕は天暦十年(956年)五月 ~ 寛弘八年十二月十五日(1012年)

となっているが、坂田金時(さかたのきんとき)の実在、

あるいはモデルとなった人物の特定は出来ていない。


伝説は伝説のままのほうが美しいですね。

国立国会図書館デジタルコレクション 096

 

足柄山の山おくで♪

 怪童丸は獣を遊び相手にして育ち、人並みはずれた怪力の持ち主でした。

そして源頼光に願い出て従者に加えてもらい、金時(きんとき)の名を授かります。

この少年の物語が、江戸中期以降「金太郎」となるのです。

 

 

一魁随筆 「山姥 怪童丸」  一魁斎芳年画

 

『嫗山姥』(こもちやまうば)

時代は平安中期、藤原摂関家全盛の頃

京・九条の八重桐という遊女は、武将・坂田蔵人時行の妻となります。

ところが、時行は父の敵が討てなかったことを悔い

その無念の魂魄を八重桐の胎内に込めて自害してしまいます。

残された八重桐は足柄山へこもって山姥となり

時行の子を産み育てることを決意します。

やがて生まれた子は、全身が真っ赤で髪はぼさぼさ

猪や熊を投げ飛ばす怪力の持ち主。

怪童丸と名付けられた男の子は、後に山を訪れた

源頼光の家臣に見いだされ、坂田金時と名を変えて

『頼光四天王』のひとりに数えられるほどの

立派な武将となりました。