月岡芳年 月百姿
『金時山の月』
明治二十三年印刷
静岡県駿東郡小山町の金時神社の伝説によると
生誕は天暦十年(956年)五月 ~ 寛弘八年十二月十五日(1012年)
となっているが、坂田金時(さかたのきんとき)の実在、
あるいはモデルとなった人物の特定は出来ていない。
伝説は伝説のままのほうが美しいですね。
国立国会図書館デジタルコレクション 096
足柄山の山おくで♪
怪童丸は獣を遊び相手にして育ち、人並みはずれた怪力の持ち主でした。
そして源頼光に願い出て従者に加えてもらい、金時(きんとき)の名を授かります。
この少年の物語が、江戸中期以降「金太郎」となるのです。
一魁随筆 「山姥 怪童丸」 一魁斎芳年画
『嫗山姥』(こもちやまうば)
時代は平安中期、藤原摂関家全盛の頃
京・九条の八重桐という遊女は、武将・坂田蔵人時行の妻となります。
ところが、時行は父の敵が討てなかったことを悔い
その無念の魂魄を八重桐の胎内に込めて自害してしまいます。
残された八重桐は足柄山へこもって山姥となり
時行の子を産み育てることを決意します。
やがて生まれた子は、全身が真っ赤で髪はぼさぼさ
猪や熊を投げ飛ばす怪力の持ち主。
怪童丸と名付けられた男の子は、後に山を訪れた
源頼光の家臣に見いだされ、坂田金時と名を変えて
『頼光四天王』のひとりに数えられるほどの
立派な武将となりました。