月岡芳年 月百姿
『朧夜月』 熊坂
明治二十年届
熊坂長範(くまさかちょうはん)は平安時代末期の盗賊
生没年不詳
国立国会図書館デジタルコレクション 020
『義経記』によれば豪商金売吉次が牛若丸を連れ
奥州に下ろうとしたとき、長範は美濃青墓で一行を襲うが
かえって牛若丸に殺害されてしまった。
実在の人物であるかは明らかでない。
芳年武者无類 源牛若丸・熊坂長範
待ちかまえていた牛若丸は長範の振るう八尺五寸の棒を切り落とし
三百七十人の賊のうち八十三人まで切り伏せる。
長範は六尺三寸の長刀(薙刀)を振るって激しく打ちかかるが
牛若丸の「霧の法」「小鷹の法」に敗れ
真っ向から二つに打ち割られた。