月岡芳年 月百姿
『千代能かいたゝく桶の底ぬけて ミつたまらねハ月もやとらす』
現代仮名: 『千代能がいただく桶の底ぬけて 水たまらねば月も宿らず』
明治二十二年印刷
安達千代野(あだちちよの)は鎌倉時代中期の御家人安達泰盛の娘
生没年未詳
北条顕時の正室 千代能とも。
国立国会図書館デジタルコレクション 029
千代能は、夫北条顕時が霜月騒動で
連座失脚したため 世を儚み出家します。
千代能は桶の水に映っている月を見ていて
どうすれば美しく映し出されるものかと
そう考えていたある夜、突然桶のたががはずれ
桶の水はいっきに流れ落ち
月の影は消えた
そして見上げると そこには本物の月があった。