米空軍、韓国にB1戦略爆撃機を展開へ
軍事的圧迫で北朝鮮をけん制する
軍事的圧迫で金正恩(キムジョンウン)政権をけん制する狙いだ。
B1戦略爆撃機は航続距離が長く、核爆弾や巡航ミサイルなど大量の武器を搭載可能。機体の防御能力も高く、米空軍の抑止力の要だ。8月以降はアジア太平洋地域への展開に備え、米領グアムに配備された。
米韓両軍が機密扱いのB1爆撃機の展開をあえて公開するのは、攻撃が常時可能との警告を北朝鮮に送るためだ。B1爆撃機は北朝鮮の対空砲の射程外から、爆弾を投下することが可能という。1月の核実験後も、米軍はB1と同様に攻撃能力が高いB52戦略爆撃機を韓国上空に展開させた。
来月10~15日に韓国近海で行われる米韓合同海上訓練には、米海軍の原子力空母「ロナルド・レーガン」が参加。聯合ニュースによると、有事の際に北朝鮮の指導部を含めた主要施設を精密に攻撃する訓練を集中的に行う。
訓練場所を、韓国西側の中国に近い黄海とすることも検討している。米空母展開に中国が反発する可能性がある。2010年には、韓国海軍の哨戒艦「天安(チョンアン)」沈没事件を受けた演習で、黄海への空母展開を見送った。韓国政府関係者は、「制裁決議への対応で中国を刺激することにもなり、黄海に空母を展開するかどうかは確定していない」と述べた。