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ボリショイ ロンドン公演(at London Coliseum)
15 Aug 2007 昼公演
「La Corsaire(海賊)」
メドーラ:スヴェトラーナ・ルンキナ
コンラッド:セルゲイ・フィーリン
ビルバント:アンドレイ・メルクリエフ
ガルナーレ:アナスターシア・ヤッツェンコ
丸一週間空いての「海賊」公演。
はかなく可憐なルンキナと明るいフィーリンのペア。この日、フィーリンは前髪やサイドの髪の毛も帽子の中に入れていたので、前回と印象が少し異なった。
ルンキナ、フィーリンともに際立った踊りではなかったと思う。特にルンキナはバランスを崩したり、調子が悪そうだった。
メルクリエフはリズム感と演技力で舞台を引き締めてくれた。
一幕目の奴隷のパ・ド・ドゥではボローティンとスタシェケヴィッチが踊った。2人ともどこか躊躇いながらの慎重な踊りを見せてくれたが、輝きは今ひとつ・・・
グリゴローヴィッチの作品などを観た後なので、一幕目にしか男性ダンサー(群舞も含めて)が踊らないことと、後半の長さに少しけだるさを覚えたが、2幕や3幕目は何度見ても美しい。特に2幕目の花環の場面はアルマ=タデマやムーア、レイトンらのヴィクトリアン絵画の画集を見ているよう。静かに流れる空気の中に女性の美しいラインが際立つ。
ヤッツェンコは表情が非常に良く、メリハリをつけた踊りができるので、どちらかと言うと控えめなルンキナよりもこの日は印象に残った。彼女の明るさと人柄の良さが舞台上で這え、おてんばな役はピッタリだと思った。
ロンドン公演後半から参加しているスクヴォルツォフは、去年も感じたがサポートが不安定で、観ていてヒヤヒヤ・・・ 3幕のグラン・パをルンキナと踊ったが、ルンキナの回転を上手く支えきれず、後半回りきれなかった(ルンキナの調子が悪かったせいもあるが・・・)。彼はソロのパートではジャンプも高く、回転も綺麗に収まっていた。
演目が長いので、夜の部にも出るソリストやコールドのダンサー達はほとんど休む暇もない・・・ 2時間弱の休憩で本当にハード。
コリセウムの楽屋口の隣は大道具の搬入口で、そのシャッターが開いているときは中の様子が見える。直ぐが舞台で、客席も普段と逆側から見渡せるという不思議な光景。大道具担当の人達も、休む暇なく幕を上げたり付け替えたりと大忙しの様子。
また、楽屋口の直ぐ上の部屋が一部のソリストの部屋のようで、窓が空いていると背の高いロパレヴィッチらが見える(覗いているわけではないけれど・・・!)。
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