ボリショイ劇場 & シドニ-オペラハウス観劇記

元モスクワ、現在シドニ-赴任の元商社マンによるボリショイ劇場やシドニ-オペラハウスなどのバレエ、オペラ観劇記です

ラ・シルフィ-ド (La Sylphide)-バレエ-

2006年02月04日 | Weblog

1月29日にジゼルと並ぶロマンティック・バレエの代表作 ラ・シルフィードを見ました。1994年振付版で115回目の上演。2幕9時までの上演。主演シルフィードをニナ・カルトソバ(写真中央)と相手役ジェームズをアンドレイ・ボロチン(写真中央右)、魔法使いのマッジをゲンナジ・ヤニン、フィアンセのエフィをアンナ・アントロポバが好演。

カーテンコールの動画です。

1832年パリ・オペラ座で初演。 主役を踊ったマリー・タリオーニは指の先端の一点で立つポアント(シュル・レ・ポアント)をふんだんに使って空気の妖精(シルフィード)の軽やかさを表現。又妖精の雰囲気を出すために裾のふんわりしたスカートを使い(ロマンティック・チュチュの始まり)と言われています。但し現代のような爪先の先端を補強したトウ・シューズが普及した始めたのは1860年台なのでタリオーニはポアントで立ったのはほんの瞬間的ポーズ。又彼女以前にもポアントで立ったパレリーナはいたようですが彼女が最初にポアントを踊ったように言われるのは空気の妖精を表現するのにこの非日常的ポアントがピッタリだったからでしょう。

この舞台に感動したブルノンヴィルはデンマークで上演しようとしましたが音楽の著作権料が折り合わず新たにヘルマン・レーヴェンスョルドが書き下ろし自ら振付し1836年にデンマーク王立劇場で上演。ボリショイではこのブルノンヴィル版が上演されています。

あらすじ

第一幕

幕が開くとスコットランドの農場に若者と上空にシェルフィード達が舞い踊る織物風の幕。青いスポットライトでその幕の後ろに赤いタータンチェックの服が印象的なシェルフィードが浮かび上がりその横に結婚式を間近に控えたジェイムズが椅子にまどろんでいる。この幕が上がりシェルフィードがポアントで軽やかに時に笛を吹くポーズを取りながら踊りジェームズの頬にキスをする。目覚めたジェームズはその可憐さに思わず手を差し伸べると、シルフィードは恥ずかしがるしぐさの踊りのあと暖炉に飛び込み煙突からさっとかき消すように消えてしまう。この煙突の場面は煙突のところにつかむところがあったのかあっという間にシェルフィードの姿が消えました。

ここにフィアンセのエフィーが青のタータンチェックのスカートで可憐に登場。母親や友達が入場し婚礼の準備を始める。フィアンセに結婚の象徴の赤のタータンチェックの肩掛けを掛ける。

いつの間にか暖炉のところに魔女のマッジが暖を取っておりジェームズは追い出そうとするが娘達がとりなし手相見が始まる。エフィーとジェームズは結ばれずマッジと結ばれると占いにジェームズは激怒しマッジを追い出す。1人残ったジェームズのところに窓が開いてシルフィードが登場。ここでポアントのポーズで壁につけた小さなリフトを使ってシルフィードが降りてきます。ジェームズが結婚することに悲しそうな踊りをしたりジェームズと一緒に踊ったりして最後はシルフィードが肩掛けを肩に掛けて踊りだす。ガーンがエフィにこのことを伝えに行く間にシルフィードは椅子に覆いを掛けて隠される。マッジがその覆いを取るとシルフィードは消えている。

赤い服に着替えたエフィの踊り、ジェームズの踊り、スコットランド風の踊りと結婚式は進行。やがて指輪の交換になるが、ジェームズが指輪を取り出した所にシルフィードが登場。いたづらして指輪を奪い取って自分でつけてしまう。しかし彼女の姿はジェームズにしか見えない。彼はシルフィードを追って家を飛び出す。取り残されて困惑するエフィにガーンはジェームズは妖精と行ってしまったと告げる。

第二幕

幕が上がるとマッジが部下とせんじ薬を作って肩掛けを煮る場面。

森の中。シルフィードは自分を追いかけてきたジェ-ムズに仲間の妖精を紹介。ジェ-ムズはもう  シルフィードのことに夢中になっているが、つかまえようとするとさっと  空に舞い上がって消える彼女に不安も感じる。ここの場面で3列x8人のコールドバレエ、ジェームズと シルフィードの踊りのバックを思い思いのポーズで見守る場面などとても美しく印象的な場面が続きます。その後ジェームズはマッジに貰った妖精が空に飛び上がれなくなるという肩掛けを彼女の肩にかけると、妖精の羽が抜け落ち彼女は命 も失ってしまう。 悲嘆にくれるジェームズを残してシルフィードを弔う妖精たちの列が空を行く。後ろをエフィとグルンの結婚 を祝う人々の行列。悲嘆にくれるジェームズで幕

ボリショイ劇場のモニターで休憩時間に放送しているプロモーションVIDEOにラ・シルフィードがありましたのでご覧ください。最初に映っているのはフィアンセの友人の踊り、ジェームズの踊り、シルフィードの森の中での踊り(後ろのシルフィード達が思い思いのポーズを取っているのがご覧になれると思います)、魔女のマッジが2幕の最初に部下と踊る場面、シルフィードが絶命する直前に指につけていた結婚指輪をキスしてジェームズに返しシルフィード達の方へ倒れこむ最後の方の場面。



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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
シルフィード、観てきました! (みやびい)
2006-05-10 05:34:40
5月7日に、シルフィード観てきましたよ!

http://blogs.yahoo.co.jp/miyaby/35501084.html

さすがにグラチョーヴァの表現力と比べるとまだまだなのでしょうけど、十分見応えのあるものでした。

よろしければ、この記事にリンクを貼らせていただければと存じます。
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リンクどうぞ (管理人)
2006-05-10 13:12:18
みやびぃさん

ブログ読ませていただきました。

居残り部隊でもこれだけのバレエが出来るのは流石ボリショイですよね。リンク勿論ご自由にどうぞ。

そちらのブログで紹介頂きありがとうございます。

今晩ファラオの娘を見て明日Moscowに戻ります。

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ニーナ (Nana)
2006-05-12 10:19:17
割り込み失礼します。みやびいさん、すでにご存知かもしれませんが、とりあえず、日本の07年の公演予定に一応ニーナのガラコン(?)はある、みたいな話は聞きました。未確認情報であり、ニーナはジャパンアーツの招聘公演でいつもやっていて、ジャパンアーツはなんでもあり、というか予定の大幅変更は過去にも有るところなので、その程度の話と思ってきいていただければ。ただ、ニーナ復帰関連の話が出てきてるということは早い時期の復帰の可能性ありかも?です。



で、以前私、03年のボリショイでの舞台よりも後のニーナの公演を数回見ている話を書かせて頂きましたが、40すぎた彼女は、妊娠前までは、全く年齢を感じさせない、舞台姿も顔も若々しく、踊りも申し分なかったです。超人的な体力のひとのようです。



常識的に40歳過ぎて第2子でなく初産というのは、大変なことと思ったんですが、ニーナと現代医学をもってすれば、元に戻すのは可能なのかも。(怖)



カプツォーバは、ニーナのような大輪の花ではありませんが、花も実力も若さ美しさもあり、これからも地道に劇場で向上していくんじゃないかと、私も注目しています。



拙いながら知る範囲のことをかいたので、管理人様、

みやびい様はじめ、ロシアの劇場の公演感想など、これからも気が向いたら教えてください。楽しみにしております。
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ニーナ (管理人)
2006-05-14 00:13:51
Nanaさん

そうなんですか。それぞれのバレリーナの状況本当にNanaさんお詳しいですね。

Moscowに戻りましたのでもうSeason残りわずかですが出来るだけ又UPしますね。

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