11月18日、19日の両日はラ・シルフィードを見ました。これでボリショイで4、5回目の観劇です。前回は3月末にグラチョーワで見た演目で改めて その際のブログを読み返しましたがNanaさんと宇治佳奈代さんのやりとりが最高です。未だご覧になっていない方は是非御一読の程。最近宇治先生のコメントがありませんが日本御帰国後ご多忙なのだと思いますが是非 又コメント頂ければありがたいところ。
さて 18日はゴラチェバとアンドレイ・ボロチン 19日はステパネンコ降板で18日と同じゴラチェバのシルフィーダとフィーリンのジェームズ。グラチョーワとゴラチェバを比較することすらグラチョーワに失礼でしょうが 返す返すもグラチョーワの引退は残念。ゴラチェバの踊りが如何だったかというと両日共特に破綻無く踊ってはいましたが空気の精の軽々とした感じを出すまでには至っていません。
フィーリンは何時もながらの流石の足さばきで見せてくれました。18日のボロチンは前回見た時もそうでしたがぐらつく場面が時々ありフィーリンとは比較出来ません。
両日の比較で面白いのは18日のマッジ役は男性のゲンナジ・ヤニン、19日は女性のJuliana Malkasyants。ゲンナジは付け鼻までやって役に成りきっており舞台場はカテコもマッジですがJulianaはカテコで実は若い女性が演じていたんですよとの変わり身で観客を驚かせるのを毎回やっています。今回も幕前のカテコに出てきましたが両日見比べてJulianaが特別幕前で賞賛受けるほど凄いか好みでしょう。確かにJulianaの方がマッジの手の動きなどはそれらしいのですが歩き方、しぐさはゲンナジが一枚上手というのが当方感想です。
19日のカテコ動画
1 (シルフィード達のポーズ、最近注目しているコバヒゼを中心に)
2 (フィアンセ役Anna Leonova、マッジ役Julianaの一回転の変身。前回3回は全てフィアンセ役はAnna Antropovaでさもありなんという美人でしたがバレエそのものには見るべきものがあるAnna Leonovaですがこのフィアンセ役はえらの張った顔には一寸不似合いか)
3 (フィーニン、ゴラチェバの挨拶)
4 (コバヒセが指揮者へ拍手)
5 (花束を持っての挨拶)
18日のカテコ動画 ゲンナジのマッジ、ゴラチェバとアンドレイ・ボロチン
宇治さんのプロの文はともかく私の悪文は読み辛く、「ものを書くことは恥をかくこと」。
批評家と読者がああいう形でやりとりをするのは珍しいので、自分的には無知の知の利がありました。
管理人さんと3者しか想定していず、第3者にはわかりづらい文ですが。
「グラチョーワと視線」からが本気の文なので、マトヴィエンコの長話は無視してください。
グラチョーワがミューズであり、5月日本公演をご自分にとっての「最後のグラチョーワになる」とおっしゃっていた宇治さん。
彼女の非公式の引退(?)話も出る中、その胸中はこちらからうかつに推し量ることもできません。
グラチョーワについては個人的な事情とのこと。事情知りませんし、あまり騒がず静観したいです。
私は5月日本公演でグラチョーワという芸術家の名誉が守られることを望んでいたので、自分的にはあれで満足です。桧舞台で見る最後のグラチョーワと思って見ました。完全引退かどうか知らないし、もっとマイナーなとこで再浮上もありか?と思うけど。万一復活あれば、もう派手なとこでなく、もっとしっとり観客が静かに暖かく見てくれる場所で、と望んでいるし、自分は彼女を充分見たので、行くかどうか判りません。
また、管理人さんが彼女の「ラ・シル」を見られてよかったなと思ってます。
宇治さん関係?でもう一つ。少し前お話したバレエファン(かなりお年上)の方が、なんと「スパルタクス」全幕日本公演(ワシーリエフ主演)を見たというのです。もちろん素晴らしかったそうです。凄く昔のことのはず。バレエファンやってると色々出会いがあるもんですね。
訂正をひとつ。デニス・マトヴィエンコについて。
ザハロワ「白鳥」初日、17日見ましたが、全くの個人的意見として、このコンビの「白鳥」には失望しました。アキモフが指導で来日。誰がマトヴィのコーチか存じませんが、初日は彼は指導された通りを必死でやっていた。ザハロワを支える技術だけでなく二人の踊りのリフトサポート全てに「白鳥」特有の美しい線をだし、群舞も含めキーロフの流れを汲む絵的な美しさを出していた。(それで精一杯。ソロの踊りのエネルギーをサポートに奪われ、演技はする余裕なく表情は苦悶。囚われの人のよう。)この忍耐が3回目の17日まで持たなかった。サポートは普通に戻り、うわべの演技が入った分お客さんには受けていた。白鳥アダージョであまり見たことないような痛恨のサポートミス、黒鳥でもバランスの見せ場でサポートミスを出し、ザハロワの能力の高さで観客はうまくごまかせて受けもよかったけど、自分は良い「白鳥」をいくつも見てるので、ああいう荒い「白鳥」はどっちでもいい感じ。サポートミスは気づいたお客さんは少なかった模様。公演は成功です。でも「白鳥」は座付きオケの方がいいですね。
世界のザハロワ、キエフ・シェフチェンコの星マトヴィ 位の差はつきました。私とは正反対の感想もあると思うし、マトヴィ ファンを傷つけたくないけど。彼はいいとこも花もあるけど。
やはり、フィーリンは腐っても鯛のボリショイの男です。(まじめで忍耐強くなきゃやってらんないかも。ボリショイ)
「資質ならマトヴィエンコが上」それは正しい。
補完として「資質だけでは大バレエ団のトップにはなれない」といったロイヤルバレエのプリマだった吉田都の意見が参考になり、私的には勉強になり。ウヴァーロフ→ザハロワへの「白鳥」サポート、あれでソロも演技もやって凄いエネルギッシュと再認識しました。
いつもながら詳しいコメントありがとうございます。
マトビエンコ、ザハロワ組は何度も踊っていても新しい振付に馴れない事でこうも違うのですね。流石良くご覧になっていらっしゃる。
「DDD」という大判カラーのダンス雑誌最新号(07年1月号)に、ザハロワ、マトヴィ、新国立「白鳥」カラー写真が出ました。(正月にバックナンバーあるかわからないけど)写真で見るとやっぱりきれいですね、二人とも。マトヴィエンコにはきつい事言い過ぎてしまいました。二人ともいい所は色々あったんですけど。
二人の踊りは振りはラスト以外ほとんど変えてないのですが、初日やってたことを3回目にやってないと思いましたが、マトヴィその日初日より脚が短く見えたので、初日の本格仕様リフトサポートは、男性側の体に相当負担がかかったかなと思って。
ソ連時代の状況と違い、ダンサーが自分のためを考えた時、今、昔のダンスールノーブルという割に合わないあり方は考えづらくなってきているのかもしれません。
私もサポートテクニックについて厳しいことを言ってますが、相手の立場や王子役踊ってる場数を考えてのことであり、ルスラン君にはお手柔らかに、という気持ちです。「白鳥」は大変難しく、細く長い体を使い切って美しい線を見せ、強い筋力を駆使し非常に可動域の大きい踊りを行うザハロワ、彼女の「白鳥」全幕パートナーは、こっちが思ってる以上に大変なのかもしれません。(マトヴィの消耗は、身長が足りないだけで片付けられるのか?と。)
もー、この際ルスラン君でいいよって気持ち、ザハロワ様の「白鳥」パートナー。(ダメですか?)怖いボリショイあたりの女王様プリマのきっつ~い要求に耐えてやっていける性格っていうのも、ありますからね~。シュピレフスキーなら身長、過去のキャリアからして可能性はあるとか、フィーリンでどうよとか、公演前はチラと思いもしましたが、実際組んでない人で考えても、しょうがないかと今回の「白鳥」見て思いました。ウヴァは踊ってくれればいいけど、他にも若いパートナーどのみちいたほうがいいでしょうから。
ザハロワは出てきただけでとてもきれいなので、それにマトヴィが入れば絵のような美しい二人で、舞台をカジュアルに楽しむのりで見れば十分お客さんに楽しい舞台だったと思います。彼女より日本人プリマの表現が好きだという顔見知りがいたので見たかったけど。
情報深謝。DDD早速買ってみます。
ザハロワに関しては今日のファラオの娘のUPをしました。ご覧ください。不調でした。