昨夜はマイナス1度だった。そして今朝はマイナス2度である。それでもまだ暖房を使っていない。これは精神力のなせる技だ。ストックホルムの友人はあらゆる意味において僕の真似は出来ないと言っている。彼は30年前に初めて僕が親しくなった西洋人で頻繁にマレーシアで友情を交歓してきた。非常にハンサムで現地ではいつも女性の人気を集めている。彼は僕と同じ165㎝の身長ということで彼の祖国では彼のサイズに合う女性が少ないのでそれで年に一度の長期の夏休みはマレーシアで過ごすというわけだった。僕が描いた彼の肖像画をご披露したいところだけど今日は彼の話が主題ではない。レンブラントの話がしたいのである。ご承知のように彼は若くして肖像画家として大成功を納めるわけだが、図に乗りすぎて無茶苦茶な破廉恥なことをするようになって顧客から総スカンを喰い自己破産に陥り、晩年は息子の世話になるまでに貧窮したらしい。しかしこの人ほど美術史上有名な人も少なく今もレンブラントという超高級な画材ブランドのイメージを支え続けている。僕が彼の作品に初めて接したのはリスボンのグルベンキアン美術館 Museu Calouste Gulbenkian · 毎週日曜日 14:00~入場無料!で二つの大作に出会いあまりの衝撃に一時間余り動けなくなった。どちらも人物を描いているのだけど他の画家の作風とは全く異なるのだ。絵の具の盛りようもまったくちがうわけである。その迫力には見るものを圧倒する迫力があり、僕は夢中になってなめるようにして近くで運筆を確認していたら警備員からもっと離れて鑑賞しろと注意される始末だった。日本の美術館なら鎖でおおわれて1メートル以内には近づけないものだが、外国の美術館は本当に鑑賞する者にとってはありがたくできている。そして日曜日はフリーで公開しているのだ。日本の文化関係者なら日曜日こそ稼ぎ時だと言って、絶対にこんな恩典はもたらさないものだ。ここに日本社会の文化に対するいじましさと貧困と民度の低さが現れるわけだ。
そんなわけで彼の作品に圧倒された僕は翌日から彼の模写を始めた。一部をご覧いただきたい。
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