『僕はまったく小説は山師の仕事だと考えている。金が出るか、ニッケルが出るか、ただの山だか、掘り当ててみるまでは見当がつかなくて、とにかく自分の力量以上を賭けていることが確かなのだから。もっと普通の意味においても小説家はやっぱり山師だと僕は考えている。山師でなければ賭博師だ。少なくともぼくに関する限りは。』 「坂口安吾 青春論 四 再びわが青春」から
林真理子の鼻息が荒い。
『僕はまったく小説は山師の仕事だと考えている。金が出るか、ニッケルが出るか、ただの山だか、掘り当ててみるまでは見当がつかなくて、とにかく自分の力量以上を賭けていることが確かなのだから。もっと普通の意味においても小説家はやっぱり山師だと僕は考えている。山師でなければ賭博師だ。少なくともぼくに関する限りは。』 「坂口安吾 青春論 四 再びわが青春」から
林真理子の鼻息が荒い。
今日は2週に1度の診断と投薬を受けた。血圧が予想より下がっていたので気をよくした。その足で「世羅台地」の「せら夢公園」に向かった。広い公園には風が渡り、噴霧装置と戯れる家族連れや木陰のベンチで涼をとるグループ以外に人影が見当たらない。ベンチで連れと山賊むすびを食べてから「世羅ワイナリー」に降りた。
ワイナリーのアスパラのてんぷらと卵かけごはん、これが好物だ。露店でローストビーフまで売っていた。行楽地では容赦なく食べることに決めている。山賊むすびに加えて大ぶりなアスパラの天ぷらと卵かけごはん、ローストビーフ100グラムが胃袋に収まった。彼方を見やると濃い山々の緑が鮮やかだ。高原の気温も30度を上回っていた。