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国内海外問わず、事件や経済など幅広く個人の意見を書き記す記録簿として

知事のスタンス

2024-11-20 00:05:00 | 日記
本日は、兵庫県知事選を踏まえて、知事のスタンスというものに言及してみたいと思います。


会社組織のトップと異なり、公職のトップの一つである知事のスタンスは難しいものがあります。それは、有権者を向いて仕事をするか、議会や役所を向いて仕事をするかというものです。営利企業である会社であれば、例えば良い商品を開発して販売し、世の中を便利にして利益を上げることで、お客様、株主、社員の全てを満足させることが出来ます。しかし、行政組織は守り主体の組織となるため、ゼロサムゲームとなります。会社で言えば、総務部しかないと考えるとわかりやすいかもしれません。


わかりやすい例として、衆院選で躍進した国民民主党が良い例でしょう。完全に国民を向いたスタンスに舵を切ったので、有権者から多くの支持を得ましたが、行政側は多大な反発をしています。財務省や総務省などを含む役所は全般的に手段が目的化してしまう傾向があるので、結果的に自分の組織を守ることや権限を強化することが組織的な目的になってい区ため、国民目線に立つと対立していくのは当然のことです。役所が個別の仕事に真面目に仕事に取り組めば取り組むほど、視点が低くなって、国や国民目線を軽視してしまいます。また、議員も選挙に強ければ、国民目線に立つ必要もなく、役所の言われ望まれるままに対応すれば、役所側に立つ都合の良い人とされ持ち上げてもらえますし、ご本人も仕事をした気になります。


話を戻して知事のスタンスを兵庫県に戻すと、斎藤知事の前の井戸氏は、役所を向いたスタンスであり、県議や市長にとって都合が良いから組織票の支援得られて当選してきた。このスタンスの政治家は、有権者が選挙に興味を持たず選挙に行かないと組織票で自動的に当選できる。小さな既得権益の中で、政治家も役所も、お互いに庇いあって税金を無駄に使えば、誰も困らないし、一部の有権者から補助金や政策を求められたら、特定の利益誘導であってもハレーションを起こさずに対処するのが優秀とされる。つまり、税金を払う有権者に全ての負担を強いるようにしているだけである。

井戸知事は、コロナの期間にテレビに出たりして失態を繰り返したため、任期満了後に再選を目指しても絶対に当選は難しいぐらい評価を落とした。県民が知事選に興味を持ったため、国民目線で改革してくれる知事を選ぼうとして斎藤知事が前回選ばれた。そして、改革を始めるから役所や県議らと衝突するし、彼らは楽して怠けて仕事できなくなる。本人たちは一生懸命仕事しているつもりだが、大多数は残念ながら一般のまともな会社の中では通用しないレベルです。


今回の兵庫県知事選挙は、全国的なニュースになったし、全国の人がネットでコメントしたりしているし、芸能人なども好き勝手にコメントしているみたいだ。彼らの一部は、テレビや新聞は、色々と規制されており、裏取りもするから嘘は言わないので信用できるが、ネットは好き勝手に発信できるから信用できない。インターネットを信じて投票する兵庫県民はパワハラ容認者はかりですかとか、県民は情弱ばかりとか、これが民意ですかwwwとか、自分の望んだ結果や特定の情報から信じていることが否定されると発狂している人がたくさんいるように見える。ちなみに私は兵庫県民ではないです。日本で暮らす我々は、選挙で直接的に選んだ当選者は民主主義の結果であり、よくも悪くも民意として受け止める必要がある。この大前提を否定している意見は、残念ながら何を言っても価値はないのです。それと、投票率が大幅に上がるということは、多くの県民が選挙に興味を持ち、ものすごくよく調べるし、既得権益を守ろうとする人より、県民側に立ってくれる人を選ぶ傾向が強まります。調べればわかることばかりですが、既存メディアのテレビや自分が伝えていない斎藤知事の実績や、特定の切り取りによってイメージさせること、また県議側のストーリーに沿って争点をパワハラを許さずまともな対話のできる知事を選ぶことみたいにしていたこと。しかし、多くの県民が感じたのは県議と県庁への不信感と、付け加えるなら高圧的な市長団の稲村候補応援など、既得権益を持つ人たちへのノーである。これらはテレビでは放映されないし、テレビのいう公平性であり、放送しない自由らしい。来年春に選挙を迎える、伊丹市長と宝塚市長は、早速斎藤知事に取り入ろうと動いていた。


私はこれまで必ず投票していたし、テレビからもネットからも、そしてそれら以外からも情報を取り、しっかり考えて投票してきた。私は、多くの県民が投票した兵庫県は民主主義が機能しており、県議や各市長、そして県庁などは国民が選挙を終わっても引き続き関心を持って見ていることを理解すべでしょう。テレビや新聞はニュースバリューが無いと報道しないでしょうが、現場にいてファクトを確認され、それが判断の材料にされていくでしょう。

稲村候補が、何と戦っているのか、なぜ敗れたのか理解できないまま負けたとコメントしていましたが、組織票に頼り斎藤候補を批判すれば勝てると思っていたようですので、それでは永遠に敗れた根本原因には辿りつかないでしょう。

斎藤知事には、改革を進めてもらうことも重要であるが、よりバランスよく考えて対応することができればよりよくなると思います。県議の中でも次の選挙を見据えて意見が割れるでしょうし、再度不信任案を出す可能性も色々な理由からあるでしょう。その時には県議会解散になると思われますので、引き続き兵庫県には注目しておきたいと思ってます。







斎藤兵庫県知事失職に関して

2024-11-18 17:45:00 | 日記

斎藤兵庫県知事失職に関して、振り返りを含めて考察やポイントをまとめてみました。


前兵庫県知事の斎藤さんが知事選で勝利した。これは、9月19日に下記リンク先の不信任提案がなされ、議会が満場一致で不信任決議し、失職を選んでの出直し選挙で復活したというものである。

https://web.pref.hyogo.lg.jp/gikai/iinkai/index/gikaiunei/uneiiinkai/documents/giunshiryor060919pm.pdf


今回の選挙や、選挙までの間の事実確認出来たこと、そして提出された不信任案についてまとめます。


最初に、今回の選挙で民意は圧倒的に斉藤氏を支持し、県議会の決定と異なる判断をしたという事実である。つまり選挙で選ばれている現在の県議は、今選挙したら支持してもらえないということが言える。さらに前斉藤知事を支持しないとあえて表明した22名の市長も、次の選挙では厳しい目で市民から見られるということになる。今回の結果を納得がいかないとか、おかしいとか、認めない発言をしている人がまだいるが、事実は選挙結果が全てということである。


次に、選挙までの間を含めて確認できたことであるが、一つ目のパワハラについて具体的な事実は一つしかない。仕事をまともにしなかった職員に指導したあと、丸めた付箋を壁に向けて投げたこと。この付箋を投げたことがパワハラに当たるかどうかである。それ以外は、アンケートで話を聞いたというものばかりで、職員がパワハラを受けたという事実は確認できていない。二つ目は「おねだり」であるが、訪問先でお土産としてカニを渡され、鮮度の問題があったため自宅に持ち帰って食べたというものだけである。おねだりをしたという話しは、相手先が全て否定しており、事実確認はされていない。つまり、メディア等が報じた「おねだり」疑惑の事実は確認されていない。三つ目は、公開された音声についてであり、斎藤知事に有利な内容を公表させないようにした百条委員会議長である奥谷議員の会議での隠蔽指示発言である。


最後に、不信任案決議の文面であるが、客観的に見れば手続きや事実確認で問題がある。「告発文書の内容に真実が存在し」は、「訪問先の建物まで20メートルあるところで車を停め知事を歩かせた」ことで、知事はこれに対して適切ではない段取りを行なった職員に対して厳しい口調で注意したことを認めている。知事訪問に際し、建物前に付けず、事前説明も段取りもせず、手前で停めるように成り行きで対応していることを指摘されて逆恨みしたとしか思えない。そもそも告発文を公的な支給されているパソコンで作成している時点で問題行動であり、公平にその職員に問題がないかも県議は意識すべきであった。そして、県民局長が自殺した理由は明らかにされず、斎藤知事の責任と断罪したことは大いに問題がある。その後の調査で、百条委員会は斎藤知事がパワハラをした証拠を見つけることもできておらず、証拠となるパソコンからは公表できない個人的な内容があったようである。局長の妻が、「一死をもって抗議をする」という夫の言葉を伝えているが、パソコンにある内容を公表されると困るから自殺して公表されないように抗議したのか、うわさされている不適切な関係にあった女性がその事実を訴えるということに抗議するということなのか、明確な証拠がない中でそれぞれが思惑で勝手に解釈して、全てを斎藤知事の責任にもっていこうとしているように見える。さらに「道義的責任」を追求したり、「対応が不適切、不十分であった」とし、県民の信頼を損なったとして不信任としているが、事実がなく感情的に責任追及したものである。県民の信任を結果として得たわけだから、県政を混乱させたのは、局長であり、決議を提出した議員となる。


このような問題が起きた時、事実と事実確認出来ていないことを切り分けて語れる人は少ない。伝聞を事実と言ったり、イメージされたことで間違いないと言い切ったり、それって事実ではないですよねと話しても、自分が信じたことが事実だという感じて話す。事実とは、主観ではなく、客観的に誰もが同一の結論になるもので、証拠に対して類推したことも事実ではない。


以下は私の感想ですが、

既存の議員や市長などは今後の仕事への取り組みは注意すべきであり、今回のことから兵庫県民は注視しているでしょう。そして、それは選挙で彼らに対して兵庫県民が判断を下していくでしょう。メディアも何が間違えたのかはまだ理解できていないだろう。要は、事実かどうか、事実をオープンにし公僕として職務に励んでいるかです。欲と権力に塗れた人に、これは理解できないでしょうが。


兵庫県知事選投開票

2024-11-17 23:00:00 | 日記

兵庫県知事選、本日11月17日に投開票が行われ、前知事の斎藤元彦さんが当選しました。テレビ報道では、SNS活用したことが勝利の理由としていますが、残念ながらものすごく浅い考察だと思います。斎藤氏にしっかりとした実績があったこと、ファクト提示せずにおかしな引き摺り下ろしかたをしたこと、メディアやおかしな市長が押す稲村和美元尼崎市長に信頼性がなかったことである。


一つ目の実績について、新聞やメディアは効果は限定的とか、当たり前のことしかやっていないとか、目標が低いとか、達成できた理由は努力せずに出来たこととか、公平に評価しようとせずに批判ばかりする報道をしていた。しかし、自身の収入を減らす改革などをしており、評価すべきことは多い。井戸元知事と比較しても、改革している実績は確かにあったから。

二つ目は、証拠無しに不信任案を議会が全会一致で可決したこと。パワハラの証拠は一つも出ておらず、自殺した職員に対するパワハラも証明されていない。百条委員会も、あれだけ調べて、不利な証拠をどんどん握りつぶして、県職員に対するアンケートを作成して無理やり証拠としていた。普通の会社であれば、仕事しない社員や適切に仕事できない社員を指導することは多くあるが、県職員の中には自分のことを棚に上げて責任転嫁している内容もあり、しかもそれを議員やメディアが偏って発表したり報道していたのは、普通に見ていたらおかしいと思える。おねだりにしても、会社側が自ら宣伝してもらいたくてモノを渡したと発言していても、知事が要求したように編集していたり、悪意を感じる報道が元々多くあった。

三つ目は、知事候補として出て来た稲村氏の支援や本人の資質が認められなかったこと。稲村氏の過去の発言や行動は、隠していても人づてに広がるものであり、稲村氏が知事になったらまずいと思う人も多かった。尼崎市長時代には、市民生活を不便にし、身内に向けた支出を増やしていた。そして、今回は知事になって何をしたいのかがわからない。県議会と仲良くすることの必要性を訴えていたが、それは何もせず好き勝手にさせると宣言しているも同然。話しを聞いてみたが、残念ながら話し方に石破総理と同じものを感じるため、かなり県民から拒絶が出たことだろう。


最後に二つ付け加えて言うと、①投票3日前に県内の22市長が稲村氏の応援に駆け付けたのは完全に裏目です。きな臭さを更に強め、反感を買うだけであったし、クズみたいな市長がパワハラ的に話しをすれば、稲村氏に入れてはいけないなと感じてしまう。②メディアが揃って稲村氏で知事は決まりと伝えていて、実際の斎藤知事の街頭演説の状況を軽視していた。演説会場でおかしな行動をして斎藤氏を否定すれば、それだけ斎藤氏に支持が集まる。また、稲村氏の周りは意外と静かで、組織票しかいない感じになっていた。


メディアは反省することなく、県民が間違ったネット情報に騙されたとか、SNSに負けたとか、本質を避けて責任逃れをしているが、世の中が変化し、民度が上がって来ている中で、昔と同じでメディアが世論を作れるといまだに本気で信じているのが痛々しい。若者だけでなく、しっかりと考えて調べる年配者も増えており、テレビが胡散臭い報道を続けて来た結果と思える。


石破総裁の世論人気と総裁辞任シナリオ

2024-10-31 17:00:00 | 日記

石破総裁の世論人気と総裁辞任シナリオ


これまでも、そして衆院選で大敗しても、石破総裁は人気があるとの世論調査の結果を公表するマスコミがある。事実として、直前の総裁選で石破総裁は党員投票の結果は一位を取れずに人気がないこと、そして解散総選挙で歴史的な惨敗をしたことから、国民人気があるとは言えない。しかし、マスコミはいまだに論理矛盾となる人気があるとの結果を出し、石破総裁は総裁辞任をする必要はないと国民の声として紹介している。この矛盾の理由は大きく三つ考えられる。


一つ目は、マスコミ自身が嘘の情報を発表している場合。マスコミには、自分は国民の代表で国民は自分の考えと同じだという意識を持つ人が多い。特権意識を持ち、自分に従わないなら世論誘導して不利益を与えることに躊躇する必要がないとも思っていたりする。そのような人達は、都合の良い調査結果を使うようになるので、世の中の感覚と異なることでも、自己責任を感じず、客観的な調査結果だと公表する。そもそも、結論ありきで、外部に調査を依頼することもできるので。

二つ目は、調査が対象の問題。自民党の総裁に相応しいのは誰かという質問を立憲民主党支持者に問うと、立憲民主党の考えに一番近い石破さんと答える。これをもって世論は石破総理を望んでいるとするのは論理の飛躍があって、しっかり分析すれば、立憲民主党に利する自民党の総裁は誰かとなっている。選挙となれば、石破総理と答えた人は、当然自民党に票は入れない。

三つ目は、有権者がマスコミの質問に回答しない、もしくはあえて違う回答をすること。特に若い人に顕著だが、既存のマスコミの報道が偏っていたり意図的に曲げて報道することを知っているため、このような行動を取る。マスコミも回答してくれなかった数は公表せず、有効回答するとして出すまでであるし、出口調査や世論調査でも信用できないマスコミにまともに答えない人が多くなっている。マスコミの一部は、国民は正しく答えるべきなどと今だに上から目線でコメントしているが、問題はマスコミの姿勢と報道結果であり、正しく回答してもらえる対応をマスコミ自体がすべきである。

今回の自民党の惨敗は、完全に石破総理の失敗に起因しており、裏金議員に敗因があると責任逃れをしているようだが、それは責任転嫁でしかない。野党は、自民党の不記載は裏金で問題あり、自分たちのは不記載で問題なしとし、マスコミと共に自民党だけに追求を仕掛け、石破政権はそれにのって追加処分を課したことで寝た子を起こして大きく票を失った。単純に、選挙に向けた方針ミスであり、安倍派潰しに固執して、低すぎる勝敗ライン設定に対して、既存の自民党支持者の怒りを買ったもので自業自得。石破総裁と、実務を仕切っていた森山幹事長の責任は大きく、役職辞任は不可避である。


このお二人は、職務を全うすることが責任だとか、訳のわからないことを言い出している。議員は選挙で負けたら失職であり、党が大敗したら総裁はその責任は総裁を辞めるしかない。ここまで酷い場合、議員辞職して責任を取ってもおかしくない。

さて、石破総裁はこのあとどうするだろうか。大敗は自分の責任ではないと思っているだろうし、勝敗ラインを割り込んだことも、あまり自分の言葉に重みを持って話をしていないから対して気にしていないだろう。自ら辞める考えがない人は最後まで何をしてもあがこうとする。

維新や国民民主を加えた連立は、彼らのアイデンティティと存立基盤に関わるので考えられない。可能性としては、提案される政策を丸呑みするから首班指名を棄権してくれという取引。しかし、政策を丸呑みすると約束しても石破総裁では実行力もないし、そもそも約束破るのは毎度のことだから、密約の担保を要求されるだろう。そもそも取引が成立しない可能性があるので、やはり考えられるのは立憲民主党との連立。野田投手との密約を交わし、大臣ポストと政策の丸呑み、そして首相を参院選後に禅譲するシナリオかな。間違いなく自民党内が揺れるし、割れる可能性もあるが、自分が生き残るためなら、自民党や日本のことなんか何も考えないだろう。

これができないと、特別国会で首班指名で総理になれても、内閣不信任案を出されて、野党過半数のため不信任案が可決となる可能性がかなりある。自民党内からも不信任に賛成する人も出ると、実質自民党は分滅となるから、このシナリオでの石破降しが裏で進むのではないかなと。総裁辞任するとなっても、自らではなく引き摺り下ろされることになるので、今後自民党内では何があっても相手になかなるだろう。離党勧告を考える勢力も出るだろう。

立憲民主党の野田首相誕生は無理でしょう。自分が総理になりたいからと、他の野党に交渉しても乗れるわけがない。自民党政権を倒すために、共産党を外して、首相を渡すからとなったら、維新も国民民主も考えるが、今回の維新と国民民主の両方にいい顔ができないから、それではうまくまとめられない。結局、策士でまとめる力のある人がいたら実現できるだろうが難しいだろう。


衆院選の結果から振り返る敗因

2024-10-28 15:00:00 | 日記

衆院選の結果から振り返る敗因

自公大敗と石破茂首相の進退、続投模索も退陣不可避


2024年10月27日に投開票された衆院選で、自民公明両党の議席合計が過半数を割り込んだ。「政治とカネ」の問題を自ら蒸し返し、旧安倍派を追い込む手段に使って自民党内部で自身の基盤を強固にしようと画策したが、結果として墓穴を掘った。


石破首相は、27日の夜にテレビ番組で「外交・安全保障や社会保障、農業政策など個々の論点に議論がいかず、『政治とカネ』に議論が集中した」と他人事のように語り、敗因は派閥パーティー収入不記載問題を起こした旧安倍派に責任転嫁していく意思を示した。


10月9日の解散直前に小泉進次郎選対委員長らの主張を受けて、石破首相は急遽前言撤回して旧安倍派の不記載候補の一部を非公認とし、また他の不記載候補は比例代表での重複を認めない措置を行った。首相はこの対応でカネの問題に決着をつけたつもりになっていたが、党内の亀裂を自ら深め、また他党には絶好の攻撃材料を提供した。自身はルールを守る・約束を守る自民党と選挙のテーマを示すが、当たり前の正論をふわっと述べただけとしか見られず、また総裁選での主張を引っ込めてしまい、自ら約束やルールを守らないことを体現したため、共感も納得も無く、多くの自民党支持者がしらけてしまった。


自民党執行部は、早く選挙に突入させることで、支持率低下前に選挙を終わらせることを狙い、与党で過半数を勝敗ラインと、とてつもなく低い達成ラインを敷いた。そして、情勢が悪化していっても、自民党が200議席を割る事態は起きないと安心しきっていた。元々自民党は259議席(離党勧告2議席非公認10議席より、選挙前勢力は247議席)あったが、積極的に落としたい自民党議員が落選しても、自分たちは落選しないから安泰だと考え国民を舐めていたのだろう。

ところが、しんぶん赤旗が非公認にした候補が代表を務める政党支部に活動費2千万円を支給した問題をスクープし、これすら自民党執行部からのリークだと一部から指摘され、立憲民主党は政策論争から「裏金批判」に再度アクセルを踏み、自民の更に劣勢ムードが強まった。

不記載問題については寝た子であり、自民党が検察の判断で終わったこととすればよかったのだが、評論家気取りで正論をばら撒くのが大好きな石破首相は、野党が一方的に責めれるテーマを安倍派潰しのために使った。不記載問題は、今後も終わることなく野党は言い続けることだが、何をしても他の党を含めて納得も共感もしてもらえない話である。更に言えば、立憲民主党にも同じ問題があり、桁違いの金額で過去に同じことをしてきた歴史がある。このような状況の中、具体的な政策論争を行い、いま国民が一番気にしている経済及び所得のことを訴えていた国民民主党が大躍進することとなった。


今後について、まずは小泉進次郎は選対のトップとして責任問題の矢面となり、即時辞任は当然だが、石破首相と森山幹事長の責任問題に必ずなっていく。来年の参院選はこの体制で戦えるはずもないし、そもそも首相に明確な軸も方向性も示せず、信じられるものがない状態は、漂流している大型船である。リーダーシップの無いトップのいる組織がどうなるかを如実に示したと言える。


では、自民党はどのように今回の選挙戦を戦えばよかったのか。

①裏金議員をどう考えるのかとのマスコミからの悪意のある問いには、検察の捜査に全てを委ねておりその判断を尊重するで終わったことにする。非公認も重複立候補も県連の要望に沿って認める。

②組閣で総裁選後はノーサイドだと器の大きさを見せ、幹事長に高市早苗氏を起用し、旧安倍派も麻生派もバランスよく登用する。彼らに政策を丸投げし、対応も丸投げし、首相として発言することも描かせて持って来させる。論考賞として入閣させる者はあえて一部とし、その代わり副大臣に多く任命し、情報が自分に入るスパイの役目を担わせる。自民党はそれぞれの得意分野のある優秀なものが多く、総理が独断ではなく、それぞれの大臣の意向を尊重するとしておき、何かあれば大臣に釈明させ、責任を取らせれば良い。選対委員長には萩生田氏を起用すればよく、徹底して使い倒せば良い。

③予算委員会を組閣後に開催し、能登対応を含めて重量閣僚に丸投げして乗り切る。のらりくらりと考えて結論を出すスタイルを取り、結論は大臣に出させておけば良い。解散についてはやるやらないを明言せず、予算委員会後にいきなり解散総選挙とすればいいだけ。

④選挙での争点は国民が重要だと思っている1)経済政策と景気対策、2)防衛と外交、これらに注力して進めていくとすれば良い。1)では、給付金ではなくこれまで野党が言う消費減税を打ち出して個人所得の実質増額の早期実現を、景気拡大を止めないために金利を押さえることを実施すると言うだけで、インパクトは強烈である。これらは国内の方向性を示すものになり、これまで自民党ができなかったことを私はやるとすればよかった。2)は、世界が混沌としており紛争が続いていることから、国民の財産と安全を守るための防衛力強化と、同盟国や価値観を共にする国との外交の深化を訴えれば良い。ともかくボロを出さない、手柄を欲しがらず、海外対応は得意そうな大臣に任せて、海外では良い人とだけ認知してもらうことに徹底すればよい。

今回の総裁選から衆院選で、石破首相はいかにダメで信用できない人間かを率先して公表してきたと思う。トップに立ってはいけない人間であることを証明しただけだ。


さて、今後だが、進退については粘ろうとするだろう。過半数がなくても野党が大連立をしない限り、首相に留まることはできるであろう。自民党内の責任論をどこまで穏便にかわせるかだが、次の選挙は無理だろう。岸田元首相のようにいきなり投げ出すか、補正予算でボロボロになって年内退陣かだろう。

他党との連立を模索するだろうが、泥舟である石破内閣との連立は無理だろう。どうせやるならとことん自民党をぶっ潰すと、公明党と連立を解消し、立憲民主党と連立するのが一番しっくりするだろう。そこまでやれば、自民党を内側から潰した最後の首相として歴史に名を残せる。