質問を終え、各候補予定者より最後に一言話していただく。
宇都宮氏「先ほども話しましたが、地方自治体の最大の役割は住民の福祉の増進。それが東京都でやられてこなかった。それをちゃんとやることが都政として重要な役割と思っています。都には大変裕福な使える財源がある。福祉にまわせる金がある。待機児童の解消、特別養護老人ホームの建設、給食の無償化、高校の授業料無償化、大学の授業料半額化を実現していきたいと思います。」
小池氏「(ボードに書いたのは)『希望の街 東京』とさせていただきました。多くの子供食堂にきている子供たちは絶望の中にいるのかもしれない。こんな希望があるんだと感じていただけるような政策をどんどん出していきたいと思っています。生活者目線であり都民目線、ぜひそういう仕事をさせていただきたい。」
鳥越氏、ボードの『何しようぞ くすんで 一期は夢よ ただ狂え』を掲示して。
鳥越氏「(室町時代後期の歌謡集である)閑吟集(かんぎんしゅう)に出てくる句。意味は『くすんで生きてどうするんだい。人生は夢のようにあっという間。だから、今、やりたいことを狂うほどにやれよ』というのが私の解釈。私の人生はあと10年残っているかどうか。長生きできると思っていないが、生命が命があるなら、限りを尽くして狂ったかのように精魂込めて東京都知事をやりたい、やらせてくださいという思いです。」
増田氏、ボードの『覚悟』を掲示して。
増田氏「多くの皆さま方の声を、そして区市町村長の声を、覚悟を決めたスイッチが入りました。今の都政の混乱を収めるために立ち上がらなければなりません。肩に力を入れて、知事一人が進めていくのではなく、都庁でも(職員は)16万人、区でも6万人います。そして市町村、多くの人と進めていかなければなりません。そして組織のガバナンスをやっていかなければなりません。知事がどういう覚悟と姿勢で振る舞っていくのか。舛添さんのような形では職員は絶対ついてこない。私は自らを律する。そういう覚悟と同時に都民の命と生活をお預かりする。そういう覚悟で立候補しました。ぜひ、都知事としてその使命を遂げたいと思っています。」
※宇都宮氏は、このあと鳥越氏と話し合いをして、自ら取りやめたとのこと。
テレビのニュースや記事などはポイントや受けそうな部分だけを取り上げます。制約があるため仕方ない部分もあるが、しっかりと情報を知って理解し、理性的に候補者を選ぶのが民主主義の根底です。簡単に状況をまとめると、小池氏が出馬を宣言し、危機感をもった都議連の一部が対抗馬として増田氏を自公公認とした。野党は、政策ではなく勝てる候補ということで鳥越氏を野党統一候補とし、宇都宮氏は自公分裂で自滅の目があるからと鳥越氏に譲る。与党は約300万票、野党は250万票、その他50万票、棄権票約500万票が参院選での東京都民の流れ。100票を前回獲得した宇都宮氏がいると、野党票が割れるのは確実。与党は割れたため、普通に考えると小池さん100万票で増田氏が200万票。
今回の討論会の内容から思えたのは、視点の高さ、トップの器の有無、覚悟ではないかな。
視点の高さは、知識や経験をどこまで考え抜き教養にできたか、そして自分の人生の目標使命の視点を何処に置いているかから滲み出てくるものと思う。鳥越氏は論外の知名度だけの芸能人と同じで今更ながらの社会主義者。無難にまとめたのは増田氏、かなり高い視点を見せた小池氏といったところ。トップの器は、リーダーシップと組織をまとめることができるかどうか、そして方針を明確に出して結果を追求できるか。実績だけでなく、討論会でも増田氏と小池氏は問題ないだろう。鳥越氏がリーダーでは、現場は混乱するし、評論家になる。言ってみれば舛添氏の小物版でしかない。覚悟は、何処までブレずにやりとげる意思があるか、これにかけているか。これは圧倒的に小池氏が強いだろう。
鳥越氏が都知事になると、舛添氏の二の舞になると思う。景気を悪化させるのも、税金の無駄使いをするのも、トップに立てば簡単にできる。そんな候補が出てきているのに、選挙に行かない半数の都民は、お人好しを通り越した馬鹿なんだろう。自民が嫌いなら、小池氏に入れたらいい。増田氏は無難だろうが、都の財政は悪化させるだろう。成果を焦るから、岩手県知事のときと同じ様に、支出を増やすことになる。バランスは悪くなるから、成果とコストの観点から微妙かも。小池氏は、都議の膿が出るのでと期待できる。舛添問題が有耶無耶にならず、本筋の問題が出てくる可能性に期待。強いリーダーシップも期待できるだろう。
何れにしても、誰に投票するにしても、都民は選挙に行って欲しい。自分の生活に直結するのだから。