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衆院選の結果から振り返る敗因

2024-10-28 15:00:00 | 日記

衆院選の結果から振り返る敗因

自公大敗と石破茂首相の進退、続投模索も退陣不可避


2024年10月27日に投開票された衆院選で、自民公明両党の議席合計が過半数を割り込んだ。「政治とカネ」の問題を自ら蒸し返し、旧安倍派を追い込む手段に使って自民党内部で自身の基盤を強固にしようと画策したが、結果として墓穴を掘った。


石破首相は、27日の夜にテレビ番組で「外交・安全保障や社会保障、農業政策など個々の論点に議論がいかず、『政治とカネ』に議論が集中した」と他人事のように語り、敗因は派閥パーティー収入不記載問題を起こした旧安倍派に責任転嫁していく意思を示した。


10月9日の解散直前に小泉進次郎選対委員長らの主張を受けて、石破首相は急遽前言撤回して旧安倍派の不記載候補の一部を非公認とし、また他の不記載候補は比例代表での重複を認めない措置を行った。首相はこの対応でカネの問題に決着をつけたつもりになっていたが、党内の亀裂を自ら深め、また他党には絶好の攻撃材料を提供した。自身はルールを守る・約束を守る自民党と選挙のテーマを示すが、当たり前の正論をふわっと述べただけとしか見られず、また総裁選での主張を引っ込めてしまい、自ら約束やルールを守らないことを体現したため、共感も納得も無く、多くの自民党支持者がしらけてしまった。


自民党執行部は、早く選挙に突入させることで、支持率低下前に選挙を終わらせることを狙い、与党で過半数を勝敗ラインと、とてつもなく低い達成ラインを敷いた。そして、情勢が悪化していっても、自民党が200議席を割る事態は起きないと安心しきっていた。元々自民党は259議席(離党勧告2議席非公認10議席より、選挙前勢力は247議席)あったが、積極的に落としたい自民党議員が落選しても、自分たちは落選しないから安泰だと考え国民を舐めていたのだろう。

ところが、しんぶん赤旗が非公認にした候補が代表を務める政党支部に活動費2千万円を支給した問題をスクープし、これすら自民党執行部からのリークだと一部から指摘され、立憲民主党は政策論争から「裏金批判」に再度アクセルを踏み、自民の更に劣勢ムードが強まった。

不記載問題については寝た子であり、自民党が検察の判断で終わったこととすればよかったのだが、評論家気取りで正論をばら撒くのが大好きな石破首相は、野党が一方的に責めれるテーマを安倍派潰しのために使った。不記載問題は、今後も終わることなく野党は言い続けることだが、何をしても他の党を含めて納得も共感もしてもらえない話である。更に言えば、立憲民主党にも同じ問題があり、桁違いの金額で過去に同じことをしてきた歴史がある。このような状況の中、具体的な政策論争を行い、いま国民が一番気にしている経済及び所得のことを訴えていた国民民主党が大躍進することとなった。


今後について、まずは小泉進次郎は選対のトップとして責任問題の矢面となり、即時辞任は当然だが、石破首相と森山幹事長の責任問題に必ずなっていく。来年の参院選はこの体制で戦えるはずもないし、そもそも首相に明確な軸も方向性も示せず、信じられるものがない状態は、漂流している大型船である。リーダーシップの無いトップのいる組織がどうなるかを如実に示したと言える。


では、自民党はどのように今回の選挙戦を戦えばよかったのか。

①裏金議員をどう考えるのかとのマスコミからの悪意のある問いには、検察の捜査に全てを委ねておりその判断を尊重するで終わったことにする。非公認も重複立候補も県連の要望に沿って認める。

②組閣で総裁選後はノーサイドだと器の大きさを見せ、幹事長に高市早苗氏を起用し、旧安倍派も麻生派もバランスよく登用する。彼らに政策を丸投げし、対応も丸投げし、首相として発言することも描かせて持って来させる。論考賞として入閣させる者はあえて一部とし、その代わり副大臣に多く任命し、情報が自分に入るスパイの役目を担わせる。自民党はそれぞれの得意分野のある優秀なものが多く、総理が独断ではなく、それぞれの大臣の意向を尊重するとしておき、何かあれば大臣に釈明させ、責任を取らせれば良い。選対委員長には萩生田氏を起用すればよく、徹底して使い倒せば良い。

③予算委員会を組閣後に開催し、能登対応を含めて重量閣僚に丸投げして乗り切る。のらりくらりと考えて結論を出すスタイルを取り、結論は大臣に出させておけば良い。解散についてはやるやらないを明言せず、予算委員会後にいきなり解散総選挙とすればいいだけ。

④選挙での争点は国民が重要だと思っている1)経済政策と景気対策、2)防衛と外交、これらに注力して進めていくとすれば良い。1)では、給付金ではなくこれまで野党が言う消費減税を打ち出して個人所得の実質増額の早期実現を、景気拡大を止めないために金利を押さえることを実施すると言うだけで、インパクトは強烈である。これらは国内の方向性を示すものになり、これまで自民党ができなかったことを私はやるとすればよかった。2)は、世界が混沌としており紛争が続いていることから、国民の財産と安全を守るための防衛力強化と、同盟国や価値観を共にする国との外交の深化を訴えれば良い。ともかくボロを出さない、手柄を欲しがらず、海外対応は得意そうな大臣に任せて、海外では良い人とだけ認知してもらうことに徹底すればよい。

今回の総裁選から衆院選で、石破首相はいかにダメで信用できない人間かを率先して公表してきたと思う。トップに立ってはいけない人間であることを証明しただけだ。


さて、今後だが、進退については粘ろうとするだろう。過半数がなくても野党が大連立をしない限り、首相に留まることはできるであろう。自民党内の責任論をどこまで穏便にかわせるかだが、次の選挙は無理だろう。岸田元首相のようにいきなり投げ出すか、補正予算でボロボロになって年内退陣かだろう。

他党との連立を模索するだろうが、泥舟である石破内閣との連立は無理だろう。どうせやるならとことん自民党をぶっ潰すと、公明党と連立を解消し、立憲民主党と連立するのが一番しっくりするだろう。そこまでやれば、自民党を内側から潰した最後の首相として歴史に名を残せる。



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