石破総裁の世論人気と総裁辞任シナリオ
これまでも、そして衆院選で大敗しても、石破総裁は人気があるとの世論調査の結果を公表するマスコミがある。事実として、直前の総裁選で石破総裁は党員投票の結果は一位を取れずに人気がないこと、そして解散総選挙で歴史的な惨敗をしたことから、国民人気があるとは言えない。しかし、マスコミはいまだに論理矛盾となる人気があるとの結果を出し、石破総裁は総裁辞任をする必要はないと国民の声として紹介している。この矛盾の理由は大きく三つ考えられる。
一つ目は、マスコミ自身が嘘の情報を発表している場合。マスコミには、自分は国民の代表で国民は自分の考えと同じだという意識を持つ人が多い。特権意識を持ち、自分に従わないなら世論誘導して不利益を与えることに躊躇する必要がないとも思っていたりする。そのような人達は、都合の良い調査結果を使うようになるので、世の中の感覚と異なることでも、自己責任を感じず、客観的な調査結果だと公表する。そもそも、結論ありきで、外部に調査を依頼することもできるので。
二つ目は、調査が対象の問題。自民党の総裁に相応しいのは誰かという質問を立憲民主党支持者に問うと、立憲民主党の考えに一番近い石破さんと答える。これをもって世論は石破総理を望んでいるとするのは論理の飛躍があって、しっかり分析すれば、立憲民主党に利する自民党の総裁は誰かとなっている。選挙となれば、石破総理と答えた人は、当然自民党に票は入れない。
三つ目は、有権者がマスコミの質問に回答しない、もしくはあえて違う回答をすること。特に若い人に顕著だが、既存のマスコミの報道が偏っていたり意図的に曲げて報道することを知っているため、このような行動を取る。マスコミも回答してくれなかった数は公表せず、有効回答するとして出すまでであるし、出口調査や世論調査でも信用できないマスコミにまともに答えない人が多くなっている。マスコミの一部は、国民は正しく答えるべきなどと今だに上から目線でコメントしているが、問題はマスコミの姿勢と報道結果であり、正しく回答してもらえる対応をマスコミ自体がすべきである。
今回の自民党の惨敗は、完全に石破総理の失敗に起因しており、裏金議員に敗因があると責任逃れをしているようだが、それは責任転嫁でしかない。野党は、自民党の不記載は裏金で問題あり、自分たちのは不記載で問題なしとし、マスコミと共に自民党だけに追求を仕掛け、石破政権はそれにのって追加処分を課したことで寝た子を起こして大きく票を失った。単純に、選挙に向けた方針ミスであり、安倍派潰しに固執して、低すぎる勝敗ライン設定に対して、既存の自民党支持者の怒りを買ったもので自業自得。石破総裁と、実務を仕切っていた森山幹事長の責任は大きく、役職辞任は不可避である。
このお二人は、職務を全うすることが責任だとか、訳のわからないことを言い出している。議員は選挙で負けたら失職であり、党が大敗したら総裁はその責任は総裁を辞めるしかない。ここまで酷い場合、議員辞職して責任を取ってもおかしくない。
さて、石破総裁はこのあとどうするだろうか。大敗は自分の責任ではないと思っているだろうし、勝敗ラインを割り込んだことも、あまり自分の言葉に重みを持って話をしていないから対して気にしていないだろう。自ら辞める考えがない人は最後まで何をしてもあがこうとする。
維新や国民民主を加えた連立は、彼らのアイデンティティと存立基盤に関わるので考えられない。可能性としては、提案される政策を丸呑みするから首班指名を棄権してくれという取引。しかし、政策を丸呑みすると約束しても石破総裁では実行力もないし、そもそも約束破るのは毎度のことだから、密約の担保を要求されるだろう。そもそも取引が成立しない可能性があるので、やはり考えられるのは立憲民主党との連立。野田投手との密約を交わし、大臣ポストと政策の丸呑み、そして首相を参院選後に禅譲するシナリオかな。間違いなく自民党内が揺れるし、割れる可能性もあるが、自分が生き残るためなら、自民党や日本のことなんか何も考えないだろう。
これができないと、特別国会で首班指名で総理になれても、内閣不信任案を出されて、野党過半数のため不信任案が可決となる可能性がかなりある。自民党内からも不信任に賛成する人も出ると、実質自民党は分滅となるから、このシナリオでの石破降しが裏で進むのではないかなと。総裁辞任するとなっても、自らではなく引き摺り下ろされることになるので、今後自民党内では何があっても相手になかなるだろう。離党勧告を考える勢力も出るだろう。
立憲民主党の野田首相誕生は無理でしょう。自分が総理になりたいからと、他の野党に交渉しても乗れるわけがない。自民党政権を倒すために、共産党を外して、首相を渡すからとなったら、維新も国民民主も考えるが、今回の維新と国民民主の両方にいい顔ができないから、それではうまくまとめられない。結局、策士でまとめる力のある人がいたら実現できるだろうが難しいだろう。