失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「空想X」 pal@pop 1998年

2013-11-19 | 
pal@pop=高野健一のデビューシングル。

①空想X
クレジットないけど、作詞・作曲・編曲はpal@pop(高野健一)だろう。
無音から20秒かけてフェイドインする雑踏のサンプリング。ゆったりしたビートにのせて歌い出すのは女性ヴォーカル(検索では正体つかめず)。Aパートは、お経系の平板なラップ。内容は、思春期独特の不安定な自意識と破壊衝動についての独白。Bが渋谷のギャルたちのリアル語りで、おそらく現地採取。「でも人がいた方が楽しいよね」などと意外にもポジティブな発言が聴かれたり、Aの中二病的闇へのカウンターになっている。2番では学校の先生に対して「ちょームカツク!!」と吠えているが、これも渋谷ギャルの生命力みたいなものを表現した演出。つづくサビでは再び女性ヴォーカルが「気持ちいい未来の生き方を考えよう」と歌い上げる。文章で書くと酷く陳腐だな。「空想X無限大 歌おう時代を癒すメロディー」なんて歌詞はちょっと残念な雰囲気だけど、開放感のあるサウンドに乗せられると結構すんなり聴けてしまう。真面目で芯の強そうな、あんまり強烈な個性のない、空虚を抱えた声。よくわからんが、アニソン歌ってそう?中二病(陰)→ギャル(陽)→スケールでかいサビ(アンセム感)へ。十代で聴いたらグッときそうな力作。

2002年に高野健一本人の歌唱でセルフカヴァー。

定価611円、中古で67円。
ジャケのかぶりものは笠原出による「SMILE LIFE」というキャラ(?)のようだ。

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