失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「昨日、今日、明日」 大石恵 1998年

2017-11-17 | 
大石恵唯一の8㎝シングルはKi/oon Records内女性アーティスト専門レーベル「DOLCE VITA」から。

①恋人達の明日
作詞・作曲:大貫妙子、編曲:長谷川智樹
オリジナルは大貫妙子、1981年。アルバム『アヴァンチュール』収録曲で、シングル化もされた。1983年に白石まるみがシングルとしてカヴァー。大貫さんの中ではピーターラビットと同じフォルダに入っていそうなカワイイ系だが、アイドルソングとしては大人しめ。女優でもない歌手でもない、カテゴライズしにくい美人お天気お姉さんが歌うにはちょうどいい感じ。声は軽くスモーキーでもちろん期待どおりの息切れ素人歌唱。私の好きな要素で構成されているのに、佐藤康恵のようには心惹かれないのはなぜなのだろう。

②昨日、今日、明日
作詞:大貫妙子、作曲:Johennes Brahms、編曲:長谷川智樹
この8㎝シングルに先行してリリースされたビデオシングルのタイトル曲。ビジュアル系だもの。いろんな意味で。作曲はブラームス書き下ろし(ウソ)。1883年初演の交響曲第3番第3楽章ポコ・アレグレットに登場するメロディを使用した楽曲。ジェーン・バーキン「Baby alone in Babylone(バビロンの妖精)」(1983=ちょうど初演から100年後のカヴァー)そのままだな、と思ったらこのメロディを拝借した曲はもっと前からあった。朝倉ノニーさんのブログでイヴ・モンタン、アンソニー・パーキンスなどのヴァージョンが紹介されている。もちろん「バビロンの妖精」についても日本語訳を含め取り上げられている。他にもフランク・シナトラ、サンタナ、平原綾香などがそれぞれ独自の歌詞をつけて歌っている。前置きが長くなったが、大石恵はこのセンチメンタルなメロディを儚げに歌っていて①より魅力的。ビデオはドイツロケで撮られた。当然、大貫妙子はゲンスブール=バーキンのラインを意識していただろう。
大貫妙子もアルバム『ATTRACTION』(1999)でセルフカヴァー。

③①のカラオケ

定価1020円、中古で300円。
元フィギュアスケート選手。二の腕も美しい。


ついでにマキシだけど2ndシングル「Rain」(1998)。

表題曲①「RAINー陽のあたる場所ー」は大貫妙子書き下ろし。
②「秋はひとりぼっち」はUKのデュオVigrass and Osborne "Forever Autumn"(1972)の日本語カヴァー。1972年当時、ヴィグラスとオズボーン「秋はひとりぼっち」は日本ローカルヒットした(オリコン2位)。渋い選曲だな。これがなかなかいい出来で、今の季節にぴったりの推し曲。日本語詞は山上路夫。
③「月の舟」は長谷川智樹オリジナル曲。

3rdシングル「恋人」はかしぶち哲郎プロデュースだったんだ!最後まで(って3枚だけど)欧州志向を貫いたんだな。手に入れなくちゃ。






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