![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/53/6a/d94eab2a982c897e58bded9fc0415781.jpg)
2005年からダラダラ続けてきた、小沢健二8㎝シングルクロニクル全18枚の最終回。まさか7年もかかるとは思わなかった。最後なので18枚並べて記念撮影。3分の2はレンタル落ちだな。
もう一ヶ月以上たったけど、4月4日“東京の街が奏でる”第7夜の話。
小沢健二のコンサートははじめて。全盛期は自分が忙しすぎてライブどころではなかったし、ひふみよはチケット争奪戦に敗れた。今回も厳しいかと思って応募したら、当たったよ第7夜。
結局一度も見ることが叶わなかったフリッパーズ解散から、「天気読み」(1993)発売までの空白期間、一度だけ小沢を見た。神戸で行われたDJイベント。「バースデイボーイ」(1992)はもうリリースされていたっけ?もう記憶があやふや。当時住んでいた広島から小沢見たさに神戸まで行ったのだ。本当にレコードかけただけだった。それでもいいやと思えるくらい、当時の私にとってフリッパーズ不在の穴は巨大だった。
あれから20年。はじめて歌う小沢を生で見た。
初台オペラシティ。どう見ても同世代が集まってきてる。たまにちょっと若い人もいるが、やや居心地悪そう?男女比では、圧倒的に女性優位。グッズ売り場の熱気も半端ない。
オペラシティは基本的にはクラシック音楽のためのホールで、めったにポピュラー系のコンサートが開かれることはない。小沢が12夜も押さえられたのは特別待遇?征爾の御威光?
場所も考えてか、先にアレンジ構想があったのかは知らないが、バンドはドラムレスの編成でほぼアンプラグド。小沢(ギター)、中村キタロー(ベース)、真城めぐみ(コーラス)に加え、4ストリングス(すべて女性)。
たくさんのメトロノームがバラバラなリズムを刻む。黒子がメトロノームをひとつずつ止めていき、暗闇の中響いたオープニングは「いちょう並木のセレナーデ (reprise) 」。アルバム『LIFE』で実際に使用されたオルゴールを持ってきて演奏したとのこと。オルゴールのハンドルを回していたのは原田郁子。原田さんがオープニングモノローグを語り終え、いよいよ小沢の登場!
一曲目はこのライブのテーマ曲「東京の街が奏でる」。力強かった。思ったよりガシガシ弾くギター。声も骨太で、迫力があった。フリッパーズでの「線の細いコーラス担当の人」の面影はない(いつの話だ)。
ライブは1994年のアルバム『LIFE』全曲とその頃のシングルを中心に。曲名だけ眺めると懐古的に過ぎるのでは?と思うし、それは否定できない面はあるけど、これはもう全面的にどっぷりと楽しかった。ドラムレス&弦楽四重奏入りのサウンドは、最近の私の音楽志向にもフィットしていて、新鮮かつすんなり入ってきたな。
セットリスト
00.いちょう並木のセレナーデ (reprise)
オープニングモノローグ:原田郁子(クラムボン)
01.東京の街が奏でる(新曲)
02.さよならなんて云えないよ
03.ドアをノックするのは誰だ?
04.いちょう並木のセレナーデ
05.今夜はブギー・バック/あの大きな心
モノローグ
06.あらし
07.いちごが染まる
08.それはちょっと
モノローグ
09.天使たちのシーン
10.おやすみなさい、仔猫ちゃん!
11.夜と日時計
モノローグ
12.東京恋愛専科・または恋は言ってみりゃボディー・ブロー
13.僕らが旅に出る理由
14.強い気持ち・強い愛
15.春にして君を想う
モノローグ
16.暗闇から手を伸ばせ
17.愛し愛されて生きるのさ
18.ラブリー
19.ある光
20.神秘的(新曲)
ENC
21.僕らが旅に出る理由(with 原田郁子)
22.東京の街が奏でる(新曲)
12回公演のうち「夜と日時計」が演奏されたのはこの日を含めて3日だけ。あとの日は代わりに「Back To Back」をやったらしい。選べるのならどう考えても「夜と日時計」なので、勝った気がする。
ブギーバックはメロディパートを会場に歌わせ、小沢はラップ!「オレ、スチャアニ」って!
ちょいちょい入るモノローグ、またはよく練られた小話。輪廻オチの話、かなり笑った。
この日の15曲目に、現時点での最新シングルが!(あれ、最新は配信の「ショッカショ節」になるのか?)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/9e/a8f1141537897e3f7e9118560104e566.jpg)
小沢健二の18thシングル。
①春にして君を想う
作詞・作曲:小沢健二、編曲:渋谷毅
淡々と刻まれるドラムに、漂うように管楽器が歌うイントロ。名画のエンディングあるいは明るめの葬送曲といった趣き。前作「ある光」でひとつの到達をみた小沢ソロワークスの幕引きに相応しすぎる作品。私の中では、立花ハジメ「THERE'S NO DISAPPOINTMENT IN JESUS」と共通する「透明な哀しみ」を感じさせる名曲だ。タイトルは1991年のアイスランド映画の邦題から引用。最近はじめて見たけど、「老い」をテーマにした名作だった。小沢の詞が、この映画を意識しているのは間違いない。
アレンジに小沢の名前が入っていないのは極めてレア。「渋谷毅オーケストラ」としてクレジットされているのは、フルート、サックス×3、トロンボーンに加え、ベースはおなじみ川端民生、ドラムに(昨年亡くなられた)古澤良治郎、ピアノはもちろん渋谷毅、そしてギターは石渡明廣。小沢は弾いてないようだな。
ライブの中盤、まさか聴けるとは思っていなかったこの曲が演奏された。CDではアレンジの中核と言っていいドラムとホーン抜きで、代わりにストリングスが活躍。生歌も素晴らしかった。
②カラオケ
③ある光(シークレットトラック)
ここにこれを収録したってことは、ここでひと区切りと決めていたとしか考えられない。
ライブ終盤に、この曲もやってくれた。もう思い残すことはない、と会場で思った。
定価714円、レンタル落ち100円。
ジャケのアーティスト名表記は「K=nj(I)*03aWA」。写真のクレジットは「HRMX 101(PhotoDroid)」。ん~メカヒロミックスみたいなこと?「dedication・my parents&STO」の記載あり。STOって…ああ、渋谷毅オーケストラのことね。
アンコールでは、原田郁子を呼び込んでこの日2回目の「僕らが旅に出る理由」。原田さんが遠慮してあんまり歌ってくれなかったのが残念。
三時間半、もうお腹いっぱいのライブだった。この二日後の聖金曜日、同じ会場でBCJのマタイ受難曲を聴いた。こちらも休憩込みで3時間半!
昨年末のムーンライダーズ無期限活動休止前ライブにつづき、自分の中のポップミュージックのサイクルが一周した感あり。8㎝は買ってるけど、最近聴いてるのはほとんどいわゆるクラシックだしなあ。ポップス好きとしての現役感なさすぎ。
今最も興味のあるジャンルはルネサンス音楽(実践も)。バッハからさらに200年くらい遡ってしまった。でも、すべては繋がっているんだ。
もう一ヶ月以上たったけど、4月4日“東京の街が奏でる”第7夜の話。
小沢健二のコンサートははじめて。全盛期は自分が忙しすぎてライブどころではなかったし、ひふみよはチケット争奪戦に敗れた。今回も厳しいかと思って応募したら、当たったよ第7夜。
結局一度も見ることが叶わなかったフリッパーズ解散から、「天気読み」(1993)発売までの空白期間、一度だけ小沢を見た。神戸で行われたDJイベント。「バースデイボーイ」(1992)はもうリリースされていたっけ?もう記憶があやふや。当時住んでいた広島から小沢見たさに神戸まで行ったのだ。本当にレコードかけただけだった。それでもいいやと思えるくらい、当時の私にとってフリッパーズ不在の穴は巨大だった。
あれから20年。はじめて歌う小沢を生で見た。
初台オペラシティ。どう見ても同世代が集まってきてる。たまにちょっと若い人もいるが、やや居心地悪そう?男女比では、圧倒的に女性優位。グッズ売り場の熱気も半端ない。
オペラシティは基本的にはクラシック音楽のためのホールで、めったにポピュラー系のコンサートが開かれることはない。小沢が12夜も押さえられたのは特別待遇?征爾の御威光?
場所も考えてか、先にアレンジ構想があったのかは知らないが、バンドはドラムレスの編成でほぼアンプラグド。小沢(ギター)、中村キタロー(ベース)、真城めぐみ(コーラス)に加え、4ストリングス(すべて女性)。
たくさんのメトロノームがバラバラなリズムを刻む。黒子がメトロノームをひとつずつ止めていき、暗闇の中響いたオープニングは「いちょう並木のセレナーデ (reprise) 」。アルバム『LIFE』で実際に使用されたオルゴールを持ってきて演奏したとのこと。オルゴールのハンドルを回していたのは原田郁子。原田さんがオープニングモノローグを語り終え、いよいよ小沢の登場!
一曲目はこのライブのテーマ曲「東京の街が奏でる」。力強かった。思ったよりガシガシ弾くギター。声も骨太で、迫力があった。フリッパーズでの「線の細いコーラス担当の人」の面影はない(いつの話だ)。
ライブは1994年のアルバム『LIFE』全曲とその頃のシングルを中心に。曲名だけ眺めると懐古的に過ぎるのでは?と思うし、それは否定できない面はあるけど、これはもう全面的にどっぷりと楽しかった。ドラムレス&弦楽四重奏入りのサウンドは、最近の私の音楽志向にもフィットしていて、新鮮かつすんなり入ってきたな。
セットリスト
00.いちょう並木のセレナーデ (reprise)
オープニングモノローグ:原田郁子(クラムボン)
01.東京の街が奏でる(新曲)
02.さよならなんて云えないよ
03.ドアをノックするのは誰だ?
04.いちょう並木のセレナーデ
05.今夜はブギー・バック/あの大きな心
モノローグ
06.あらし
07.いちごが染まる
08.それはちょっと
モノローグ
09.天使たちのシーン
10.おやすみなさい、仔猫ちゃん!
11.夜と日時計
モノローグ
12.東京恋愛専科・または恋は言ってみりゃボディー・ブロー
13.僕らが旅に出る理由
14.強い気持ち・強い愛
15.春にして君を想う
モノローグ
16.暗闇から手を伸ばせ
17.愛し愛されて生きるのさ
18.ラブリー
19.ある光
20.神秘的(新曲)
ENC
21.僕らが旅に出る理由(with 原田郁子)
22.東京の街が奏でる(新曲)
12回公演のうち「夜と日時計」が演奏されたのはこの日を含めて3日だけ。あとの日は代わりに「Back To Back」をやったらしい。選べるのならどう考えても「夜と日時計」なので、勝った気がする。
ブギーバックはメロディパートを会場に歌わせ、小沢はラップ!「オレ、スチャアニ」って!
ちょいちょい入るモノローグ、またはよく練られた小話。輪廻オチの話、かなり笑った。
この日の15曲目に、現時点での最新シングルが!(あれ、最新は配信の「ショッカショ節」になるのか?)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/9e/a8f1141537897e3f7e9118560104e566.jpg)
小沢健二の18thシングル。
①春にして君を想う
作詞・作曲:小沢健二、編曲:渋谷毅
淡々と刻まれるドラムに、漂うように管楽器が歌うイントロ。名画のエンディングあるいは明るめの葬送曲といった趣き。前作「ある光」でひとつの到達をみた小沢ソロワークスの幕引きに相応しすぎる作品。私の中では、立花ハジメ「THERE'S NO DISAPPOINTMENT IN JESUS」と共通する「透明な哀しみ」を感じさせる名曲だ。タイトルは1991年のアイスランド映画の邦題から引用。最近はじめて見たけど、「老い」をテーマにした名作だった。小沢の詞が、この映画を意識しているのは間違いない。
アレンジに小沢の名前が入っていないのは極めてレア。「渋谷毅オーケストラ」としてクレジットされているのは、フルート、サックス×3、トロンボーンに加え、ベースはおなじみ川端民生、ドラムに(昨年亡くなられた)古澤良治郎、ピアノはもちろん渋谷毅、そしてギターは石渡明廣。小沢は弾いてないようだな。
ライブの中盤、まさか聴けるとは思っていなかったこの曲が演奏された。CDではアレンジの中核と言っていいドラムとホーン抜きで、代わりにストリングスが活躍。生歌も素晴らしかった。
②カラオケ
③ある光(シークレットトラック)
ここにこれを収録したってことは、ここでひと区切りと決めていたとしか考えられない。
ライブ終盤に、この曲もやってくれた。もう思い残すことはない、と会場で思った。
定価714円、レンタル落ち100円。
ジャケのアーティスト名表記は「K=nj(I)*03aWA」。写真のクレジットは「HRMX 101(PhotoDroid)」。ん~メカヒロミックスみたいなこと?「dedication・my parents&STO」の記載あり。STOって…ああ、渋谷毅オーケストラのことね。
アンコールでは、原田郁子を呼び込んでこの日2回目の「僕らが旅に出る理由」。原田さんが遠慮してあんまり歌ってくれなかったのが残念。
三時間半、もうお腹いっぱいのライブだった。この二日後の聖金曜日、同じ会場でBCJのマタイ受難曲を聴いた。こちらも休憩込みで3時間半!
昨年末のムーンライダーズ無期限活動休止前ライブにつづき、自分の中のポップミュージックのサイクルが一周した感あり。8㎝は買ってるけど、最近聴いてるのはほとんどいわゆるクラシックだしなあ。ポップス好きとしての現役感なさすぎ。
今最も興味のあるジャンルはルネサンス音楽(実践も)。バッハからさらに200年くらい遡ってしまった。でも、すべては繋がっているんだ。
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