何もない部屋

言葉や感情が溢れそうな夜に、
詩や日々考えていることを書いてます。

時の結晶

2008-04-28 21:33:46 | 
君がゆっくりと息をしている
僕だけに許された愛おしい寝顔を
惜し気もなく見せつけて
切ないほどこの心を狂わせる

今、静かに
君の隣で確かめている
僕を悩ませるそのやさしい瞳に
うっすらと刻まれた
美しい目尻の窪みを
そしてそれが
君の生きてきた月日を
物語っているということを

これからも僕たちは
笑い合っていられるだろうか
君のふたつの目尻に
素晴らしい時の結晶を
刻んであげられるだろうか

明日を告げるベルが鳴り
夢うつつ
君が目を覚ましたとき
きっと僕は静かに問いかけるだろう
幸せか、と

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「美しい思い出」

2008-04-27 23:10:05 | 
些細なことに腹を立て
愛することを放棄した
失ったものが
とても大きかったと気づいたのは
もうずっと後になってから
君を受け入れられない
怠けた心の持ち主を
涙をこらえながら
何度も何度も
許してくれたのに
僕は記憶も心も立ち止まったまま
化身した美しい思い出の中

いつか
いつか
心から人を愛したい
そう願って投げた

心から人を想うということは
苦しく
けたたましく
そして冷たく
血の巡るこの身体中に
重くのしかかるけれど
それゆえに美しかった