__ 日本が好きで、日本人の先人たちの行いを調べては参考にしてきたが、インターネット社会に移行してからとみに感じるのは、
「日本人は、どうしてこんなに幼くなってしまったのだろうか?」
という、根本的な疑問というか鬱憤であった。
報道番組みても、童顔の論客ばかり御三方で国防を論じておられた。(童顔のコメンテーターは、日本では人気がある。橋下徹とか)
欧米ではしかし、歳取っても「ベビーフェイス」をしている人は人間的に信用されない。
顔は、その人の履歴書であるからである。
いい歳になっても、子どもの頃の習慣から抜け出せない、「永遠の少年少女」に何が出来るものかと反感を抱いていたが……
遺伝子の眼から、日本人の現状をみると……
叡智が選択した「進化の道」が、現在の幼稚化(のようにみえる常若志向)になっているのかなと思うに至った。
「ゆるキャラ」にしても、グローバルで認知されてきた「KAWAII ♪」価値観にしても、アニメや漫画の流行にしても……
大人の築き上げてきた老練な社会秩序に、くさびを打ち込んでいる。
日本は昔から、子どもを大切にするお国柄であった。
明治の開国後に来日した西洋人が一様にびっくりしたのは、よく笑うことと子どもを大切にする姿勢だった
「日本は子供の国だ、子供がとても大事にされている」
西洋では、子どもは労働力として小さいうちから酷使されるのが普通だったからである。
現在でも、シャイで世界的に有名な日本人だが、
たとえば街中で外国人の子どもを見かけた時の反応は、異様なものがある。自分から近づいてゆくのである。
まわりの大人全員から笑顔を向けられるし、手を振られ、お菓子をもらったり、とにかくまるでヒーローかヒロインみたいにチヤホヤされる。(その子の親たちは、あまりの可愛がりぶりに吃驚するらしい)
子どもの国・日本では、他人の子どもでも外国の子どもでも、子どもはおしなべて宝物なのである。
子どもを大切にするだけでなく、みずからも「子ども」であろうとする現象を、ひとまず追いかけてみよう。
🔴“ 大自然に生き抜く ” 〜 遺伝子対応
NHK『ワイルドライブ』に惹きつけられました
ブラジルのパンタナール大湿原の乾季……
干上がりそうな川辺に集まってくる獲物を狙う、捕食者の大変な苦労と挑戦に目を奪われました
なんと、ネコ科第三の大型猛獣・ジャガー(体長約2メートル)が、巨大なカイマン・ワニ🐊(体長約3メートル)を襲うのです
ジャガーは、北米南米大陸に棲む「ヒョウ」の仲間ですが、身体の紋様は「ヒョウ柄」ではなく、豹柄の円内にドットがある「ジャガー柄」である
幻の猛獣と呼ばれるほど、その生態は用心深いが故にほとんど知られてはいない
それが近年、乾季の川辺に頻繁に目撃されるよーになったそーだ
その辺には、カピバラやカワウソも生息するのだが……
集団(群れ)で合図しながら警戒しているので、さすがのジャガーも容易に手が出せない
そこで、カイマンを獲物にしたとゆーわけなのである
ジャガーはネコ科なのに、川に躊躇なく入り上手く泳ぐ
それだけでも注目すべきことなのに、なんと水中でワニを捕食するまでに進化したのである
川辺に繁茂する草むらに隠れて、河岸に浮かぶワニに飛びかかる
ワニの喉元に噛みつき、一発で仕留める(ネコ科は脊髄を狙う習性がある)
ジャガーはトラやライオンと比べても、ズバ抜けて咬筋力が強いそーだ
そして、10回に1回位しか狩りに成功しない狩猟下手なトラなど問題にならない位、樹上でも岩場でも狩りが上手い
山岳高地に「雪ヒョウ」なんてゆー仲間もいるし、見事にさまざまな環境に適応してきたネコ科のエリートである
とはゆーものの、陸地の王者の印象がつよい大型肉食獣のジャガーが、なぜ「川」に進出しなければならないのか……
危険を犯して、自分より一回り大きいワニを捕食するなんて、ワニから噛みつかれたら致命傷を負うことになるのに……
そーせざるを得ない切羽詰った事情があるのだな、生態系の頂点に位する猛獣でも、大自然を生きてゆくのは甘くないのですなあ〜
ー四足動物の実話だが、他人事とは思えなかった
人間にも、生き延びるために通過せざるを得なかった分岐点がある
これまたNHK『食の起源〜第四回「酒」』において知らされたのだが……
樹上から落ちた腐った果実 = アルコール分を含むある種の毒物を摂取することが出来た人間のみが、アルコール分解遺伝子を獲得して生き延びることが出来たとゆー厳然たる進化の歴史……
また、大人数の「社会」とゆーものを形成するために、意外にもアルコールが重大な役割を果たした
アルコール「al_co_hol」は、三分節に分けられるが、それぞれ「神」の意味を持つ三つの言葉が合わさって出来た単語だそーだ (*リンパ球バンク株式会社HPより)
つまり、三重に神々しい「神」とゆーのが語源である
アルコールを摂取することで生じる アセトアルデヒド(毒物) を分解する遺伝子を持っていない人間の分布と、稲作が盛んな土地の分布がピタリ照合する不思議……
アセトアルデヒド分解遺伝子を持っていないのは、稲作をするアジア人に多いという
日本人も該当する、水辺で稲作をすることで体内に取り込んでしまう有害微生物を死滅させるために、酒によって生成される体内毒物・アセトアルデヒドを利用して生き延びたとゆー不可思議な歴史……
酒に弱い者が生き延びた土地(国)もあったのである
臨機応変に、大自然をわが身に迎え入れて来た歴史が、われらがご先祖には存在する、私たちはその強靭な遺伝子を授かっているのだ、安心してよいかも知れぬ ♪
🔴明治維新が何故、最大事なのか〜 単なる歴史上の事件では収まらない
わたしたちの学校現場での、わが国の歴史教育(国史・日本史)を振り返ってみると……
古代から江戸時代の終わり(江戸幕府の崩壊)までで、90%という感じで、明治から現代までは3学期の末にちょこちょこ教わって、後は各自読んでおくようにといった杜撰な教え方だった。
いまも、それほど変わりはないと思う。
百田尚樹による、渾身の日本通史である『日本国紀🇯🇵』では、
古代から江戸時代の終りまでで、ちょうど半分である。明治から現代までが、丸々後編に当たられているのである。わたしも、そうであらねばならぬと深く共感している。
明治以前と以後とでは、別の国かと違えるほどに変貌をとげている。
西洋における、遺伝子的にみて人類を脅かす大事件だったのは、イギリス🇬🇧で勃興した「産業革命」であろう。
人びとの賃金収入は、産業革命以後には10〜20倍もアップしている。
人口は拠点都市(都会)に集中しはじめて、ムラ社会の自然から遠く離れた、反自然の人口稠密生活が激化する。
テクノロジーへ適応しなければ生きてゆけない故に、社会の様相は「知識社会」へと傾いていった。
そして、その流れについていけない人々が大量に現れ始める。
西洋の知識人でさえ、落ちこぼれるような劇的な「産業革命」を知り(強制的に知らされたというべきか)、その生活ぶりや生産活動の激烈な格差に直面した日本は、この人類史上最大の波(抜本的なイノベーション)にいきなり乗ろうとした。
その、無謀なる国家的な試みこそ、「明治維新」の名で知られる大転換だったのである。
そうした「知識社会」の格差は、現在でも「見ようとしないだけ」で、連綿と続いていよう。
学歴が尊重され、パソコンの操作スキルが重要視され、SNSの発信力やコミュ力も採用条件になったりするのは、まさしく「知識社会」への適応条件だからである。
🔴遺伝子🧬の生き残り戦略〜 先祖代々の遺伝子が決めた道
古代から何万年と継続してきた「ムラ社会(最大150人規模)」の中で揉まれた遺伝子が、都市型に移行して、分業が進み、さらに「産業革命」によって「科学技術」=「知識」が一番の財産となってくる。
そして、20世紀末の「インターネット革命」によって、さらなる洗練された「知識社会」が決定的な形をとってくる。
なにごとにも知識が最重要な社会になったといっても、永い狩猟時代の記憶が刻み込まれた人類には、そうそう易々と適応できるものではない。
かといって、何千年何万年の月日をかけて突然変異を待つことは出来ない。事は急を要する。
となると、すでに獲得している「機能」を伸ばすしかないではないか。
そうして、遺伝子から選ばれた「特質」が「幼さ」なのであろう。この特質は、人類史上実績があるからである。
> 「ヒトは霊長類のネオテニーとして進化した」
(※ オランダの解剖学者ルイス・ボルク、1920年)
…… ネオテニーとは「幼形成熟」で、幼年期の特徴を残したまま成熟することをいう。
ヒトは、チンパンジーの幼形成熟といえるらしい。
チンパンジーのこどもの特徴が、いまの人類の顔になっている。
われわれの東アジアは、特に「幼形成熟」の進んだ区域であるようだ。人口稠密で「科挙」制度があった中華文明がそれを促進した、遺伝子戦略だったのであろう。
獣性(暴力)をおさえ、つまりテストステロン値を下げて平和裏に社会を営むために進化したのであろうか、アジア系の睾丸の大きさは、欧米の半分しかないそうだ。
衣食住たりてネット社会に突入するにあたり、日本人は「幼さ」を選んだのである。
「幼さ」は、常若であり、新しい意識を獲得する場合に、柔軟に対処できる(可塑性が大きい)。
なによりも、数千年かけての新たな進化(突然変異)を待たなくてもよい、幼さを捨てて成長するのではなく、幼さをそのまま残しておけば事足りるのである。革命的な省エネであろう。
つねに新しい、好奇心を失わない、嬉々として全力でとりくむ、それが「子ども(幼さ)」という強みである。
🟣 ここで御断りがあります。
[※ 以下、引用文と地の文が入り乱れるので、私的な要約は🚹印を、文頭に付けた]
↓
🚹 産業革命は、単なる歴史のエピソードのひとつではない。人類の行く末を決めた、とんでもない出来事(未曾有の大変革)だった。
その結果、人類は自らを追いつめるだけでなく、ごく短期間で生態系の環境バランスを崩して、地球🌏のサイクルをも壊滅させてしまった。
ほとんどの人々が、その急激な変化についてこれなくなったのである。
(橘玲『もっと言ってはいけない』、あとがきより引用)>
産業革命以前と以後で、世界はまったく異なるものに変わってしまった。
人類の第一の「革命」は石器の発明で、
「誰もが誰もを殺せる社会」で生き延びるために自己家畜化が始まった。
第二の「革命」は農耕の開始で、
ムラ社会に適応できない遺伝子が淘汰されてさらに自己家畜化が進んだ。
第三の「革命」が科学とテクノロジーだが、
ヒトの遺伝子は、わずか10世代程度では知識社会化がもたらす巨大な変化にとうてい適応できない。
ここに、現代社会が抱える問題が集約されているのだろう。
🚹 成体として完了するサイクルを拒む、
つまりネオテニー【幼形成熟】とは、決して退行なのではなく、あえて云うなら、
「未完の大器」(完成しない最終形態)であろうか。
ネオテニーまとめ
🚹「かわいい(KAWAII💓)」に共通する特徴
多くの動物の赤ちゃんに共通する要素
・頭が大きい
・目と目の間が離れている
・鼻と口が小さい、ふっくらと頬がふくらんでいる
・目鼻が顔の低い位置にある
・手足が太くて短い、丸くてずんぐりした体型をしている
・しなやかで弾力性のある肌
・動作がぎこちない、不器用な動き方
「ベビースキーマ👶」と呼ばれる特徴
大人から、世話や保護をひきだすために、幼形がとる生存戦略
「かわいい」とは、自分の力だけでは生きていけない未熟な幼体(赤ちゃん)が、大人の力を借りて生き抜くための戦略である。
🚹 ネオテニーの発現
ネオテニーでは、脳🧠や身体の発達が遅くなるかわりに、適応するに際して可塑性が高くなる。
男は行動に出る。(子どもの遊び好きを残すために、女性に比べて事故に遭う確率が高い)
女は肉体にあらわれる。(多量の皮下脂肪をそなえることで、幼児体型に近づく➡︎ 男の保護欲求を惹きつける)
西洋女性は、髪を染める場合
90%がブロンドを選ぶ➡︎ ブロンド髪が少女らしい印象を与えるため
西洋女性の美容整形では、鼻を低くする手術をする
鼻が小さい➡︎ 子どもっぽく見える
アヒルぐち(めくれた唇💋)ーチンパンジーでは胎児期に現れるが、消えてしまう特徴、赤ちゃんのように見えるネオテニー戦略
🔴アシュレイ・モンターギュ(1905〜1999)『ネオテニー』より
> 子供はネオテニーの本質であって、それゆえにつねに新しい存在なのである。
> ネオテニーとは「遅滞」であって、実は「先駆」なのである。
🚹 動物学研究家の竹内久美子による
「動物学で日本型リベラルを看ると〜 睾丸が小さい漢はなりやすい!!政治から学会まで本能の為せるワザ」
という産経新聞社『別冊正論31』に掲載された記事(2018.3)が、一部でそのあまりの暴論ぶりに物議をかもしたらしいのだが 、実に興味深い視点なので以下に引用してみる。
> 「日本型リベラル」と呼ばれる人々をご存じだろうか。共産主義、社会主義が失敗に終わり、所詮は絵空事でしかなかったと判明した今でも、その思想にしがみついている人々。日本に特有の存在である。
> 共産主義、社会主義は睾丸サイズの小さい、つまり女にモテない男にフィットした思想であると私は考えるが、日本人の男は睾丸サイズの小ささという点においてそもそも、これらの思想に惹かれやすい要素を持っていると言えるだろう。
🚹 睾丸が小さいとは、男性ホルモンの代表であるテストステロンをつくりだす睾丸の性能が低いということなのだが、
社会主義が弱者救済の平等をうたっている点では、国民皆健康保険の日本は、理想的な社会主義国の一面は間違いなく兼ね備えていよう。
🚹 彼女は、動物学会からはトンデモ研究家扱いで異端視されているようだが、彼女の説の根拠にあげたデータ(エビデンス)は正確なものである。
平均の睾丸の大きさ(左右合わせて)
・ニグロイド(アフリカ系)ー 50グラム
・コーカソイド(欧米系)ーー 40グラム
・モンゴロイド(アジア系)ー 20グラム
🚹 進化論では、睾丸の大きさは性淘汰で説明されるそうだ。
意外なことだが、霊長類では
身体の大きなゴリラの睾丸が一番小さく……
その次は人間、そして一番睾丸の大きいのはチンパンジーなのである。
これはメスとの間柄で決まるようだ。
ゴリラは競争に勝ったオスがメスを独占するのに対して、
チンパンジーはメスを独占できず、複数のオスが同じメスとつがうために、メスの膣内で他のオスの精子に勝たなければならないからである。
ちなみに、今度は「脳🧠」から霊長類を比較してみると……
10〜20体の「家族」単位から成るゴリラ🦍の脳は小さい。
その群れの内では、見返りを求めない付き合いが見られる。
より大きな個体数で群れをつくるチンパンジー🐒の脳は、ゴリラと比べるとかなり大きい。これは、報酬のある(見返りのある)方に流れる「共同体(コミュニティ)」での生活となるので、付き合いの質が凄く複雑になり、勢い大きな脳に進化した。
そして、家族としての質も共同体としての質も、どちらも兼ね備えて、ともに高度な水準を求められる人間の脳🧠は、もっとも大きい。
最大限で150人規模の集団のひとり一人の顔容を覚えるだけの脳の質量は、およそ1500g位であると云う。
これ以上に、脳が大きくならなかったのは、人間が「コトバ」を発明したからである。
言葉の多用によって、巨きな記憶容量がいらなくなった。ここで、人類は生体的な変容進化を停止したことになろう。
※ ネオテニーについて、あまりにも見事に要約されていた文章を見つけたので、以下に引用する
🔴参考文献;サイト『幼児教室コペル』より
【コラム 大坪信之のワンポイント徳育アドバイス】
2019年4月 「日本人はネオテニー度が高いから脳が成熟する」
> ネオテニーというのは、幼少期が長くなり、かつ、大人になっても未熟だということです。
未熟化というのは一見、退化のように思えるかもしれませんが、そんなことはありません。
特に脳の場合、未熟ということは、様々な知識や経験を柔軟に吸収・学習できることを意味しますよね。
私たち日本人を含むモンゴロイドは、ネオテニー度が最も進んでいます。
日本人の頭が大きい、顔が平べったい、体毛が薄い、肌がすべすべしている、手足が短い点は、まさにネオテニーの特徴です。
日本人は、幼少期が比較的長く成人しても未熟である傾向が強いので、脳としては成長する時間が長くなり、より進化して成熟しているということになるわけです。
モンゴロイドとは、日本人のように赤ちゃんのときにおしりの青さが残っている人種のことです。(私注;蒙古斑・青アザ)
白人や黒人も胎児期には、おしりにあざがありますが、生まれてくる前に無くなってしまいます。
日本人は、そのあざが7~8歳くらいまで残りますね。
人類の中でもさらに幼児期が延長されているのです。
そして、そのモンゴロイドが最もネオテニー化が進んでおり、知的能力が大きくなる可能性があるとされているのです。
日本人が “禅” や “茶道”、“華道” といった精神的な世界観を持っていることも脳の状態から説明がつきます。
モンゴロイドは、幼児期が延長されているため、論理脳が感性脳にふたをしてしまう前に、両方をバランスよく使えるような精神的な人間性能力が発達する期間が残されているのです。
🚹 最後に……
純度の高い大和心との出会いをもとめて、足繁く通っていた伊勢白山道のコメント欄でありましたが……
美しい日本をあらわした文章なぞ、滅多に出会えなかったものです。
たいがいは幼稚でポップな若造りの投稿である。(40〜60才が主流ではないかな)
あまりの中身の薄さに辟易していた……
文化をつくるのは、文字と言葉である。
日本亡国を危惧して、いろいろと辛口に諫めてまいったが……
それも、もうお終いにする。
意識よりも無意識よりも、先祖代々の生き残り遺伝子がみちびいた「ネオテニー進化」なのであろう。
もはや、これ以上言うこともないわ。お蔭さまで分厚い雲がようやっと晴れました。
日本人のもつ幼さが、未知に対応するための準備であり、予兆であるなら、辻褄が合うというもの。
_________玉の海草